欧州ではAMDとNvidiaのGPU価格が悲しくも上昇し続けている

3DCenterがドイツとオーストリアの市場を対象に実施したグラフィックカードの価格状況に関する調査によると、ヨーロッパの状況は厳しいものとなっています。欧州の購入者は、10月中にグラフィックスカードの平均価格が17％上昇し、11月に入るとAMD製グラフィックスカードの平均価格が18％、Nvidia製グラフィックスカードの平均価格が16％上昇しました。現在、希望小売価格と比較して、平均でAMDは201％、Nvidiaは188％高い価格で販売されています。しかし、この平均値には、どのグラフィックスカードが価格上昇をもたらしたかという興味深い詳細が隠されています。また、今回の価格上昇は現在のところ地域限定ですが、米国を含む他の市場でも価格の上昇が見られる可能性があります。

欧州におけるAMD社製グラフィックスカードの10月の平均価格上昇について

赤字陣営の中で最も値上がりしたのはAMD Radeon RX 6800グラフィックスカードで、月末まで10月初旬の水準から49％という驚異的な値上がりを記録しました。Nvidia側では、「GeForce RTX 3060」が同時期に最も上昇し、平均30％の価格上昇となりました。また、「GeForce RTX 3090」も、それらと並んで22％の上昇となり、大きく貢献しました。

欧州におけるNvidia製グラフィックスカードの10月度の平均価格上昇率

GeForce RTX 3070 Tiの一部のモデルは希望小売価格の3倍にあたる2,000ユーロを超え、GeForce RTX 3090の一部のモデルは希望小売価格の2.7倍にあたる4,029ユーロという驚異的な価格で販売されました。

欧州のバイヤーは、AMDカードの価格が5月初めのピーク時の水準にほぼ戻っていることに気付きました。価格／性能／技術の比率は、このような価格変動に応じて常に変化しており、AMDのグラフィックスカードスタックは、Radeon RX 6800が現在159％増となっていることで並び替えられ、AMDのローンチラインアップにおける同製品の位置づけは、完全に暗示的なものとなっています。

興味深いことに、Nvidia陣営から最も高い値上げを受けたグラフィックスカードの1つは、全ラインナップの中で最も安価なGeForce RTX 3060でした。これにより、PCゲーマーが最新技術に向けてアップグレードする、あるいは最新技術の領域に入るためには、ますます高い金銭的要件が必要となり、最終的には採用を制限することにもつながります。また、GeForce RTX 3060の希望小売価格に最も近い競合製品はRadeon RX 6600で、価格はデータが示すように、10月中は横ばいでした。また、GeForce RTX 3060の+129%に対し、Radeon RX 6600は現在、希望小売価格の+59%で推移しているカードでもあります。これがNvidiaのブランド認知度の高さです。10月初め、600ユーロ前後で販売されているカードの価格が需要の高まりによって上昇したのに対し、500ユーロ前後で販売されている最も近い競合製品は微動だにしなかった。