スキャルピング価格の傾向は、Ryzen 5000の供給が改善していることを示唆

イライラしている買い物客からの逸話報告によると、最近、小売店でのAMD Ryzenプロセッサの一部の供給が改善されてきているとのことですが、eBayのチップの最近の価格動向を分析すると、そうである可能性があることがわかります。少なくともいくつかのRyzen 5000 SKUの価格は下落傾向にあり、当社のベストCPUリストの主要モデルの不足が消退していることを示している可能性があります。Intelは、AMDの供給難を利用するために、いくつかの主要モデルの価格を引き下げています。

現在、どのような種類のAMDプロセッサを見つけることも困難ですが、これはAMDの成功によるところが大きいです。AMDのRyzen 5000は、重要なすべての指標でIntelの競合プロセッサを先導しており、同社は、同社の歴史上最高のCPUの発売である最終四半期に100万個以上のRyzen 5000プロセッサを販売しました。この前代未聞の需要は、新型コロナ流行によるサプライチェーンの不足と相まって、AMDのフラッグシップ製品であるRyzen 5000チップだけでなく、AMDの前世代モデルにも波及しています。

数週間前には、Michael Driscoll氏がZen 3 CPUの販売台数のスキャルパーを追跡していることを記事にしました。この機会を利用して、2021年の最初の6週間の状況を確認するために、オープンソースコードを再度実行してみた。以下は、eBayでのRyzenプロセッサの販売の現状です。

Ryzen 5000のeBayの価格動向

AMD Ryzen 5000シリーズのCPU

上の画像では、ブラックフライデーとサイバーマンデーのショッピングシーズンを含む過去3カ月間のeBay/スキャルピング価格の傾向を見ることができます。注目すべきは、AMDの推奨価格が小売店ではほとんど明らかになっていないことで、過去には前世代のRyzenプロセッサが急な割引価格で提供されることが多かったのに対し、新しいRyzen 5000チップはRCP（推奨顧客価格）をわずかに上回る価格で提供される傾向があることです。

AMDの主要モデルであるRyzen 5 5600XとRyzen 7 5800Xについては、eBayでの価格設定は、ピーク時のそれぞれ600ドルと900ドルから着実に下げており、両チップの希望小売価格を約50ドル上回っています。このような価格の下落は、これらのチップの需要のほとんどが満たされていることを示している可能性がありますが、小売店での品薄状態を考えると、そうは思えません。ひとつ確かなことは、ここ数週間で小売店では5600Xと5800Xの在庫が改善されているということです。また、eBayで販売されている5600Xチップ（赤い線）の総数がここ数週間で激減しており、5800Xも着実に減少していることに気づくだろう。

AMDにとって、5600Xと5800Xの生産量を増やすことに注力することは、非常に理にかなっています。これらのチップは、価格の高い5900Xや5950Xよりもかなり多い数量で販売されています。これは、220ドルから430ドルの範囲のIntelの値引きに反撃するのにも役立ちます。

また、5600Xと5800Xは、通常、より高価なモデルで使用されている2つのダイの代わりに、1つのチップにつき1つの8コアのコンピュートダイが付属しています（例外もあります）。その結果、1つのコンピュート・ダイを搭載したチップに集中することで、AMDはチップのウェハあたりの完成品をより多く出荷することができるようになりました。推奨価格を見てもわかるように、価格の高いモデルを販売することが、AMDにとって利益の面で必ずしも最善の取引とは限りません。Ryzen 9 5900Xは、コンピュートダイの数が2倍になっていますが、シングルダイの5800Xよりも100ドル高いだけです。Ryzen 9 5950Xも2つのダイを搭載していますが、5800Xの2倍の価格では販売されていません。

しかし、ハイエンドのRyzen 9 5900Xと5950Xでは、状況はそれほど明るくないです。現在のeBayの価格動向を見ると、これらのチップは推奨価格よりもはるかに高い価格で販売されており、小売店での入手可能性は、せいぜい散らばったままです。ここ数ヶ月の間に販売された5900Xと5950Xチップの数は比較的安定しており、希望小売価格を上回るプレミアム価格で販売されていることから、これらのもうかるチップを獲得するための唯一の方法がスキャルパー価格であることを示唆します。

Ryzen 3000のeBay価格動向

最新世代のRyzen 5000チップが手に入らないなら、古いモデルを選ぶのはどうだろうか。まあ、ブラックフライデーとサイバーマンデーの期間中にAMDの不足がRyzen 3000モデルに蔓延しました。

これらのモデルについて深く掘り下げるつもりはありませんが、全体的な傾向は否定できません。これらのチップ、特にRyzen 5 3600やRyzen 9 3900XTのようなモデルのeBay価格は、ここ数ヶ月で下落しています。対照的に、Ryzen 9 3900Xや3950Xなどの一部のモデルは比較的安定していますが、今月の初め付近では下落しています。

しかし、Ryzen 3 3300Xと3100には注意を払う必要があります。これらのチップは昨年、バリュー市場向けにあまりにも良い価格と性能でデビューしましたが...まあ、出来過ぎたことです。これらのチップは、発売以来（より広範な不足が生じるずっと前から）入手可能性の問題に悩まされており、改善されていないようです。eBayの売り手は、少なくとも監視ツールによると、過去3ヶ月間に12個のRyzen 3 3300Xと38個のRyzen 3 3300100を販売しただけです。おそらくAMDが利益率の高いチップの販売に重点を置いているため、これらのチップが実際に意味のある量で存在したことは一度もないことを考えると、それは理にかなっています。

全体として、AMDのチップ供給はいくつかの重要な分野で改善しているように見えますが、AMDのCEOであるリサ・スー氏は最近のインタビューで、不足は今年の後半まで続くだろうと語っています。最近の傾向を考えると、これらの不足は価格帯のハイエンドでより顕著に感じられると思われますが、メインストリームのゲーマーは、Ryzen 5 5600XとRyzen 7 5800Xの供給が今後数ヶ月の間に大幅に改善されることに気づくかもしれません。