Nvidia、GeForce RTX 3080 Tiを公開：VRAMが半分の3090を実現

数ヶ月にわたる噂や憶測を経て、Nvidiaはついに「GeForce RTX 2080 Ti」の待望の後継機である「GeForce RTX 3080 Ti」を公開しました。以前の20GB VRAMの噂は忘れてください。3080 Tiは基本的にRTX 3090に半分のVRAMを搭載したものです。仕様と性能がGeForce RTX 3090に非常に近いことから、アンペア社の新製品は、市場で最高のグラフィックスカードと競争できます。ここでは、その概要を説明します。

Nvidia GPUの仕様

GeForce RTX 3080 Tiは、GA102 GPUの潜在的な84個のストリーミングマルチプロセッサ（SM）のうち80個を搭載し、AI用の320個の第3世代テンソルコア、レイトレーシングワークロード用の80個の第2世代RTコアとともに、10,240個のCUDAコア（ブーストクロック1,665MHz）を提供します。CUDAコアだけでも、NvidiaがGeForce RTX 3080 TiがGeForce RTX 2080 Tiに比べて最大1.5倍のパフォーマンスを実現していると自慢する理由がよくわかります。数字が好きな人のために説明すると、GeForce RTX 3080 Tiは、シェーダーTFLOPs、Tensor TFLOPs、RT TFLOPsをそれぞれ143％、139％、56％向上させます。また、メモリ帯域幅も48%向上します。

比較のために、より最近のAmpere GPUを見ることもできます。GeForce RTX 3080 Tiは、ほとんどの分野でGeForce RTX 3090に毛が生えた程度で、最大の違いはVRAM容量です。3080 Tiは、384ビットのメモリインターフェイス上に19GbpsのGDDR6Xメモリを12GB搭載しており、GeForce RTX 3080 Tiの理論上の最大メモリ帯域幅は912GBpsに達します。つまり、GeForce RTX 3080 Tiの最大理論メモリ帯域幅は912GBpsとなります。また、3080 Tiは、従来のRTX 3080と比べて、計算能力が14％、帯域幅が20％向上します。

良くも悪くも、3080 Tiはデザイン的にはGeForce RTX 3080をに似ており、「Ti」というブランド名がなければ、GeForce RTX 3080と言っても過言ではありません。GeForce RTX 3080のデュアルスロットの冷却システムは、GeForce RTX 3090のトリプルスロットのクーラーに比べて堅牢性に欠けるが、実際にはGDDR6Xメモリーが最も懸念されます。3090と3080のFounders Editionカードは、メモリが非常に高温になる可能性がありますし、多くのサードパーティの設計も同様です。GDDR6Xモジュールを2枚追加しても、3080 Tiの状況を改善することはできません。

また、GeForce RTX 3080 Tiは、GeForce RTX 3080のTDP320Wに対して、GeForce RTX 3090と同じTDP350Wとなっており、30Wのオーバーヘッドが見られます。常識的に考えれば、冷却ファンが少し頑張らなければならなくなり、動作音が大きくなるかもしれません。GeForce RTX 3080とGeForce RTX 3090の純正サーマルパッドを交換すると、メモリチップの冷却効果が高まるという証拠があります。ですから、大きな疑問は、NvidiaがTiのサーマルパッドを交換したかどうかです。我々はそうではないと考えていますが、Nvidiaがそうでないことを証明してくれることを期待しましょう。

GeForce RTX 3080 Tiのその他の属性は、非Tiのものと一致します。Founders Editionでは、Nvidiaの12ピンPCIe電源コネクタを採用します。ディスプレイ出力は、HDMI 2.1が1ポート、DisplayPort 1.4aが3ポートとなります。Nvidiaは、RTX 3080 Tiを6月3日に発売する予定で、公式発表価格は1,199ドルです。

現在のグラフィックスカード市場の他の部分を考慮すると、過去のアンペア社の発表を見るまでもなく、この価格は2021年から2022年にかけて意味のないものになりそうです。RTX 3080はすぐに売り切れてしまう状態が続いており、eBayでは大体2,000ドル以上で取引されていますし、RTX 3090は今のところ3,000ドル台に近い価格で販売されています。NvidiaがもっとたくさんのGPUやカードを生産できない限り、品薄や価格高騰は続くだろう。

Nvidia GeForce RTX 3070 Ti

Nvidiaは、RTX 3080 Tiのほかに、GeForce RTX 3070 Tiも正式に発表しました。このグラフィックスカードは、GeForce RTX 3070に搭載されているのと同じダイであるGA104シリコンを使用していると推定されます。Tiには2つのSMが追加され、GeForce RTX 3070 Tiには6,144個のCUDAコア、192個のTensorコア、96個のRTコアが搭載されます。

Nvidiaは、GeForce RTX 3070 Tiのクロックを、GeForce RTX 3070およびGeForce RTX 3080の両方よりも高くします。ベースクロックは1,575MHz、ブーストクロックは1,770MHzとなります。これらのクロックスピードで、GeForce RTX 3070 Tiは最大21.75 TFLOPsのFP32性能を実現します。より大きな変更点はメモリにあり、3070 TiはGDDR6 VRAMの代わりにGDDR6Xを使用します。

GeForce RTX 3070 Tiは、既存のGeForce RTX 3070の中程度に高速化されたバージョンということになります。しかし、GeForce RTX 2070 Superとの比較では、Nvidiaは最大で1.5倍のパフォーマンスアップを謳います。

Nvidiaは、GeForce RTX 3070 Tiに19 GbpsのGDDR6Xメモリ8GBしか搭載しませんでした。これは、GeForce RTX 3080のように少なくとも10GBを期待していた多くの消費者にとっては、失望に思えるかもしれません。また、GeForce RTX 3070 Tiはメモリバスが狭く、608GBpsのメモリ帯域幅にしか対応していないということです。

GeForce RTX 3070 TiがGeForce RTX 3070よりも賢明なパフォーマンスのアップグレードを提供できるかどうかは、まだわかりません。GeForce RTX 3070 TiのTDPは290Wで、Ti以外のモデルに比べて31.8%の大幅な増加となります。いつものように、Founders Editionには12ピンのPCIe電源コネクタが搭載されます。もちろん、Nvidiaのパートナーは、代わりにデュアル8ピンPCIe電源コネクタのセットアップを選択します。

GeForce RTX 3070 Tiは、価格を599ドルに引き上げることで、Nvidiaに現在の市場に価格を再調整する機会を与えます。GeForce RTX 3080よりも100ドル安いのですが、その場合、パフォーマンスも3080よりも低くなります。