英国の規制当局は、Nvidia-Armの買収による価格の高騰を恐れ、より深い調査を開始

英国競争・市場機構（CMA）は、本日、Nvidia社が計画しているArm社の買収について、Phaser 2による詳細な調査を行うことを発表しました。CMAは、Nvidia社がArm社の技術の一部に対するライバル企業のアクセスを制限する能力と動機を持つことで、Nvidia社に大きな優位性が与えられ、競争の実質的な低下（SLC）につながることを懸念します。

CMAの最高責任者であるAndrea Coscelli氏は、「我々は、Nvidia社がArm社を支配することにより、Nvidia社のライバル企業が重要な技術へのアクセスを制限され、最終的に多くの重要かつ成長している市場のイノベーションを阻害することで、Nvidia社のライバル企業に深刻な問題を引き起こす可能性があることを懸念します」と述べました。「その結果、消費者が新製品を手に入れることができなくなったり、価格が上昇したりする可能性があります」と述べました。

Nvidia社は、英国当局に買収提案を有利にするため、同国で最も強力なスーパーコンピュータに少なくとも1億ドルを注ぎ込むことや、Arm社への追加投資を提案しました。しかし、CMAは、「この種の救済措置では懸念が解消されない」とし、そのために詳細なフェーズ2調査に進むことになりました。

CMAの詳細なフェーズ2調査は、最大24週間かかる予定で、最大8週間の延長が可能となります。すべてが計画通りに進んだ場合、CMAは2月下旬にこの取引に関する決議を発表する予定です。調査期間が延長された場合、CMAは4月下旬までに結論を出すことになります。

フェーズ2では、CMAのパネルが詳細な調査を行い、合併がSLCになると予測されるかどうかを評価します。SLCの可能性がある場合、CMAは必要な救済措置について決定します。救済措置には、取引を禁止することや、SLC を回避するために事業の一部を売却することなどが含まれます。最終的な第2段階の報告書が公表された後、CMAは第2段階の救済措置を有効にするために命令を出したり約束を受 け入れたりするための法的期限を12週間としますが、最大で6週間延長することができます。

CMAが取引を禁止したり、救済措置を要求したりしなければ、NvidiaによるArm社の買収は、英国では2月下旬から4月下旬に承認される可能性があります。Nvidia社は、2022年3月までにArm社の買収を完了し、オプションで2022年9月まで延長することを計画していました。

英国のCMAは、4月にNvidiaが提案したArmの買収を国家安全保障上の理由で疑問視し始め、買収のフェーズ1調査を開始しました。フェーズ2の調査は、次の最終的なCMAの審査となります。

今週初め、Nvidiaのジェンセン・フアンCEOは、Financial Timesとのインタビューで、買収が予想以上に時間がかかるかもしれないことを認めました。Nvidiaは6月に中国の独占禁止法規制当局に必要な書類を提出したばかりで、処理には最大18ヶ月かかるとのことです。また、欧州委員会（EC）への必要書類の提出も9月になってからです。その後、欧州委員会が取引を審査するには、6ヶ月以上かかることになります。

一方、アーム社に近いとされる一部の関係者は、今年初めにテレグラフ紙に、遅延やライバル企業の障害が克服できないことが判明した場合、IPOはアーム社の選択肢として残ると語りました。