概要
チップレットデザインは、大規模なチップを複数の小さな「チップレット」に分割し、それらを相互接続して単一のパッケージに統合する設計手法です。これにより、製造プロセスや設計の複雑さを軽減し、性能向上やコスト削減を実現します。特にGPUやCPUの高性能化において重要な役割を果たしています。
従来のモノリシックチップでは、トランジスタ密度が向上するにつれて製造の難易度やコストが増大します。チップレットデザインでは、各チップレットはより小さなサイズで製造可能となり、製造プロセスを最適化できます。また、異なる製造プロセスで最適なチップレット(例えば、演算に特化したチップレットとメモリに特化したチップレット)を組み合わせることが可能になり、性能の最適化が容易になります。インターコネクト技術(例えば、シリコンブリッジ、EMIB)を用いてチップレット間の高速な通信を可能にし、単一のチップとして機能させます。
AMDのRyzen CPUやEPYC CPU、GPUであるRadeon RX 6000シリーズ以降は、チップレットデザインを採用しています。特に、CPUのCCX(Core Complex)を複数のチップレットで構成し、複数のCCXをIOダイで接続することで、コア数を増やしつつ、製造コストを抑えています。GPUでは、グラフィックコアとメモリを別々のチップレットで構成し、高性能なグラフィック処理を実現しています。
チップレット間の通信速度は、全体の性能に大きく影響します。チップレット間の距離が長すぎたり、インターコネクトの帯域幅が不足すると、性能ボトルネックとなる可能性があります。また、チップレット間の熱設計も重要であり、均一な温度分布を維持することが必要です。パッケージングコストが増加する傾向があります。