アドレサブルRGB(アドレサブルアールジービー)
LED1個ずつを独立して色・明るさを制御できるRGB照明方式で、5V 3ピンヘッダーで接続し、レインボーや流れるような多彩なエフェクトを実現する。
アドレサブルRGBとは
アドレサブルRGB(ARGB)は、LEDストリップやファンに搭載された個々のLEDを独立して制御できるRGB照明方式である。従来の12V RGB(非アドレサブル)ではテープ全体が同じ色にしか光らなかったが、ARGBではLED1個1個に異なる色を指定でき、レインボーグラデーション・流れるウェーブ・呼吸エフェクトなどの高度なライティング演出が可能になる。
12V RGB vs 5V ARGB
| 項目 | 12V RGB (非アドレサブル) | 5V ARGB (アドレサブル) |
|---|---|---|
| コネクタ | 4ピン (12V/G/R/B) | 3ピン (5V/Data/GND) |
| 電圧 | 12V | 5V |
| 制御方式 | テープ全体一括 | LED個別制御 |
| エフェクト | 単色/フェード | レインボー/ウェーブ/個別指定 |
| 制御IC | なし (アナログ) | WS2812B/SK6812等 (デジタル) |
| 主流度 (2026) | レガシー | 現行標準 |
| 1m単価 | 500-1,000円 | 800-2,000円 |
2026年の自作PC市場ではARGBが完全に標準化しており、新品のケースファン・CPUクーラー・メモリ・LEDテープのほぼ全てがARGB対応。12V RGBはバジェット製品や旧モデルに残る程度である。
制御ICの種類
アドレサブルRGBの中核は各LEDに内蔵された制御ICである。
WS2812B は最も普及した制御ICで、5V駆動・800kHzのシリアルデータ信号でLED1個あたり24bit(8bit×RGB)の色情報を受け取る。Arduino/ESP32/Raspberry Piとの相性が良く、DIY電子工作の定番。ただし信号線が1本のため、途中のLEDが故障すると後続のLEDも制御不能になるデイジーチェーンの弱点がある。
SK6812 はWS2812Bの互換ICで、RGBW(白色LED追加)バリエーションが存在する。純白の表現力が向上し、間接照明用途ではWS2812Bより自然な白色を出せる。
WS2815 は12V駆動のアドレサブルICで、バックアップデータラインを持つ。1個のLEDが故障しても後続に信号が届く冗長設計。長距離(5m以上)のインスタレーションに適している。
マザーボードのARGBヘッダー
自作PCでARGBデバイスを使う際は、マザーボード上のARGBヘッダー(5V 3ピン)に接続する。主要メーカーの統合ソフトウェアは以下の通り。
| メーカー | ソフトウェア | 対応ヘッダー |
|---|---|---|
| ASUS | Aura Sync | ADD_HEADER (3ピン) |
| MSI | Mystic Light | JARGB (3ピン) |
| GIGABYTE | RGB Fusion 2.0 | D_LED (3ピン) |
| ASRock | Polychrome SYNC | ADDR_LED (3ピン) |
ヘッダー1つあたりの最大LED数は通常120〜240個。それ以上のLEDを接続する場合はARGBスプリッターや専用コントローラーが必要。ヘッダーの供給電流は通常3A(15W)程度なので、高密度テープを長く使う場合は外部電源を別途用意する。
OpenRGBとWLED
メーカー純正ソフトウェアは他社デバイスとの連携が制限されることが多い。OpenRGB はオープンソースのRGB統合制御ソフトウェアで、ASUS/MSI/GIGABYTE/Corsair/Razer/Logitechなど50以上のメーカーのデバイスをまとめて制御できる。Windows/Linux/macOS対応。
WLED はESP8266/ESP32向けのオープンソースファームウェアで、Wi-Fi経由でアドレサブルLEDを制御する。100以上のプリセットエフェクト、音楽同期、スケジュール制御を備え、Home Assistant / Google Home / Alexaとの統合も可能。自作PC周りのデスクライティングをスマートホーム化するDIYプロジェクトで人気が高い。
トラブルシューティング
- 最初のLEDだけ光らない/色がおかしい: データ信号線の接続不良。信号の方向(矢印マーク)を確認し、入力側に接続する
- 途中から全く光らない: 故障LEDの後続が全滅するのはWS2812Bの仕様。故障LEDをはんだ除去して交換するか、ジャンパー線でバイパスする
- 色がちらつく: データ信号線が長すぎる(3m以上)か、GND線の接続が甘い。レベルシフタ(3.3V→5V変換)を信号線に挿入する
- 全体的に暗い: 電圧降下。末端からも電源を追加供給(Power Injection)する
FAQ
Q1: ARGBファンとARGBテープを同じヘッダーで同期できますか?
できる。ARGBスプリッター(分岐ケーブル)を使って1つのヘッダーから複数のARGBデバイスに分岐すれば、全て同じエフェクトで同期発光する。ただし合計LED数がヘッダーの最大対応数を超えないよう注意。
Q2: ARGBのない古いマザーボードでアドレサブルLEDを使えますか?
USB接続の専用ARGBコントローラー(Corsair Commander Core、Razer Chroma Addressable RGB Controller等)を使えば、ヘッダーがなくてもARGB制御が可能。ただしソフトウェアはコントローラーメーカーのものに限定される。
Q3: ARGBとDRGBの違いは何ですか?
DRGBはGIGABYTEが使用する呼称で、技術的にはARGBと同一。5V 3ピン接続でLED個別制御が可能。メーカーによって「ARGB」「DRGB」「ADD_LED」「JARGB」と呼称が異なるが、全て同じ5V 3ピン規格である。