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AMD MI300X / MI325X (Instinct AI・2023-2024)(エーエムディーエムアイ300エックス)

AMDのInstinctシリーズにおけるAI学習・推論特化型アクセラレーta。MI300Xから続くMI325Xは、圧倒的なHBM容量を武器に大規模言語モデル(LLM)のメモリ帯域不足を解消する次世代GPU製品群である。

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2026/5/18 更新
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AMD MI300X / MI325X (Instinct AI・2023-2024)

概要

AMDのInstinctシリーズは、大規模言語モデル(LLM)の学習および推論に特化したデータセンター向けアクセラレータである。MI300Xから続くMI325Xへの進化は、単なる演算性能の向上ではなく、「メモリ容量」と「帯域幅」の極大化に主眼が置かれている。チップレット技術を用いた2.5Dパッケージングを採用し、HBM3eの導入によってNVIDIA H200を上回るVRAM容量を実現。これにより、巨大なパラメータを持つモデルの単一GPU内での保持が可能となり、推論コストの低減とスループット向上に寄与する。次世代のMI350シリーズではCDNA 4アーキテクチャへの移行が予定されており、NVIDIA Blackwell(B200)との直接的な競合が予想される。

スペック比較表

項目Instinct MI300XInstinct MI325X
アーキテクチャCDNA 3 (Chiplet)CDNA 3 (Chiplet)
メモリ容量192 GB HBM3256 GB HBM3e
メモリ帯域幅5.3 TB/s6.0 TB/s
BF16 演算性能1.3 PFLOPS1.3 PFLOPS
FP8 演算性能(未詳)2.6 PFLOPS
主な用途LLM学習・推論超大規模LLM推論・学習

NVIDIA H200との比較

AMDの戦略は、純粋な演算密度(TFLOPS)よりも、モデルをGPUメモリ内にどれだけ収容できるかという「メモリ容量」に重点を置いている。

特徴AMD MI325XNVIDIA H200
メモリ容量256 GB (優位)141 GB
戦略的メリット巨大なKVキャッシュの保持が可能、GPU枚数の削減高いソフトウェアエコシステム、高い演算密度
ターゲット層Meta, Microsoft, Oracle等全てのAI開発者・研究者

関連用語との違い

CDNA vs RDNA

AMDのGPUアーキテクチャは、用途によって明確に分離されている。CDNA(Compute DNA)はInstinctシリーズに採用される計算特化型で、行列演算ユニットを極限まで強化している。一方、RDNA(Radeon DNA)はRadeonシリーズに採用されるグラフィックス・ゲーミング向けのアーキテクチャであり、レイトレーシングやテクスチャ処理に最適化されている。

ROCm vs CUDA

NVIDIAのCUDAはデファクトスタンダードとして強力なエコシステムを持つが、AMDのROCm(Radeon Open Compute)はオープンソースを掲げ、PyTorchやTritonといった主要フレームワークへの対応を急速に進めている。特にROCm 6.3以降では、CUDAからのコード移行を容易にする互換レイヤーの強化が進み、「CUDA Lock-in」の打破が期待されている。

FAQ

Q1: なぜAI推論においてメモリ容量がそれほど重要なのか?

LLM(大規模言語モデル)の推論では、モデルの重み(Weights)だけでなく、入力テキストに応じて増大する「KVキャッシュ」をGPUメモリ内に保持する必要がある。メモリ容量が大きいほど、一度に処理できるコンテキスト長(文脈)を拡大でき、かつ複数のリクエストを同時に捌くスループットを高めることができるためである。

Q2: MI325Xの採用が進む主な理由は何か?

MetaやMicrosoftといったハイパースケーラーにとって、NVIDIA製GPUへの依存度(ベンダーロックイン)とコストは極めて大きな課題である。MI325Xは、HBM容量において圧倒的な優位性を持ちつつ、既存のAIワークロードを比較的容易に移植できるROCm環境を提供しているため、代替手段として非常に強力な選択肢となっている。

Q3: 次世代のMI350シリーズは何が変わるのか?

MI350シリーズでは、アーキテクチャがCDNA 4へと刷新される予定である。これにより、NVIDIAのBlackwell(B200)に対抗しうる演算性能と、さらなる電力効率の向上が見込まれている。AMDは単なるスペック競争ではなく、チップレット技術によるコストパフォーマンスとメモリ帯域の両立で、AI ASIC市場における地位を確立しようとしている。

この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/5/18