Commodore Amiga が 1985 年公開したマルチタスク GUI OS。Workbench(Finder 相当)+ Intuition(GUI)+ Exec と MC68000 で動作、世界初の本格マルチタスク OS として PC 市場前史を築き 1994 年 Commodore 倒産で衰退。
AmigaOS(アミーガ オーエス)は、米 Commodore Business Machines が 1985 年に Amiga 1000 用に公開したマルチタスク GUI OS です。Motorola 68000 系プロセッサ(MC68000 / 68020 / 68030 / 68040 / 68060)上で動作し、Exec(マイクロカーネル)・Intuition(GUI フレームワーク)・Workbench(Mac の Finder / Win のエクスプローラー相当のシェル)・AmigaDOS(コマンドライン)から構成された 16/32-bit OS です。
最大の特徴は、1985 年時点で完全プリエンプティブマルチタスクを実現していた点です。当時の MS-DOS / Mac System 1 / IBM PC-DOS が単一タスクだったのに対し、AmigaOS は世界初の本格マルチタスク OS として PC 市場前史を築きました。Microsoft Windows 95 のプリエンプティブマルチタスク到達(1995)よりも 10 年早く実現していたのです。
ハードウェア面では、Commodore Amiga はカスタムチップセット(Agnus / Denise / Paula)を搭載し、CPU から独立した DMA(Direct Memory Access)で画面描画 / 音声 / I/O を並列処理する設計を採用していました。AmigaOS はこのハードウェアの特性を活かし、当時の他 PC では実現困難だった「マルチタスク + リアルタイムマルチメディア + カラフル GUI(4096 色 HAM モード)」を 1985 年から提供しました。
主な採用分野は、放送業界(NewTek Video Toaster による低価格 SD ビデオ編集)・ゲーム業界・デジタルアーティスト(Deluxe Paint・Lightwave 3D)で、Defender of the Crown / Marble Madness / Lemmings / Cinemaware シリーズなどの伝説的ゲームを生み出しました。1990 年代前半までは PC 市場で Mac / IBM PC と並ぶ「3 強」の一角を占めていました。
しかし、Commodore は経営判断ミス(NeXT / Sun との連携失敗、Amiga CD32 ゲーム機の市場誤読)で 1994 年に倒産、AmigaOS の主力開発が停止しました。その後 Escom / Gateway 2000 / Amiga Inc. / KMOS / Amiga Inc. (USA) / Hyperion Entertainment と所有権が転々とし、Hyperion Entertainment が AmigaOS 4(2006、PowerPC 専用)を公開、現在も AmigaOS 4.1 Final Edition Update 2(2018)が販売中ですが、市場規模は極小です。MorphOS(2000、PowerPC 系の Amiga OS 互換 OS)・AROS(Amiga Research Operating System、オープンソース x86 系互換)も同系統 OS として存在します。
| 版 | 公開年 | 主要特徴 |
|---|---|---|
| 1.0 | 1985 | 初版、Amiga 1000 専用 |
| 1.3 | 1988 | コマンドライン強化 |
| 2.0 | 1990 | 32-bit ビット深度拡張 |
| 3.0 |
| 1992 |
| AGA Chip Set / 4096 色 |
| 3.1 | 1993 | バグ修正・最終 16-bit |
| 3.9 | 2000 | コミュニティ最終 68k 版 |
| 4.0 | 2006 | PowerPC 移行 |
| 4.1 FE Update 2 | 2018 | 最新版、PowerPC G3-G5 |
AmigaOS は現在新規購入できる現役 OS ではありませんが、Hyperion AmigaOS 4.1 Final Edition Update 2(¥6,000 程度)が販売中、PowerPC G3-G5 機(Sam440ep / X1000 / X5000 / Pegasos II 等)で動作可能です。一般 PC では FS-UAE / WinUAE / Amibian 等のエミュレータで AmigaOS 1.0-3.9 を再現できます。
中古市場では Amiga 500 / 1200 / 4000 等の実機が ¥30,000-200,000 で稀に流通中、Video Toaster 搭載 Amiga 2000 / 4000 はビデオ業界マニアのコレクション対象となっています。AROS(Amiga Research OS、無料・オープンソース)は x86 / ARM で動作し、AmigaOS 互換環境を試したいユーザーには低コストで魅力的な選択肢です。
Q1: なぜ AmigaOS は失敗したのですか? A: AmigaOS の技術は優秀でしたが、Commodore の経営判断ミス・Amiga CD32 ゲーム機の市場誤読・Mac / IBM PC のシェア確立に対抗できなかったマーケティング戦略不足が主因です。1994 年の Commodore 倒産が決定打となりました。
Q2: AmigaOS と Mac OS どちらが先進的でしたか? A: 1985 年当時、AmigaOS は完全プリエンプティブマルチタスク・カスタムチップ DMA・4096 色 HAM 表示で Mac System 1(シングルタスク・モノクロ)を凌駕していました。Mac System 7(1991)でやっと協調的マルチタスクに到達しました。
Q3: 現代の PC で AmigaOS を試す方法は? A: WinUAE(Windows)/ FS-UAE(クロスプラットフォーム)等のエミュレータで AmigaOS 1.0-3.9 が動作します。Kickstart ROM の入手が必要(Cloanto AmigaForever パック ¥3,000-15,000)です。AROS は無料・オープンソースで x86 で動作します。