Atari社1985年6月発売の16bit家庭用PC。MC68000 8MHz・$799・GEM/TOS・MIDI標準装備でDTM普及。
Atari 520ST(5xx STシリーズ初代)は、Jack Tramiel(コモドール創業者・退社後Atari買収)率いるAtari Corporationが1985年6月にCES Las Vegasで発表、同年7月から出荷開始した**$799の16bit家庭用PCで、Amiga 1000(同1985年7月、$1,295)の直接競合機。Motorola MC68000 8MHzプロセッサと512KB RAM(後に1024KB搭載1040STへ進化)を搭載、512色中16色同時表示・モノクロ640×400・MIDI入出力標準装備という独特な特徴で、特に音楽制作・DTM分野で世界中のスタジオに採用される音楽用PCの代名詞として確立した。Steinberg社の伝説的シーケンサPro 24**(1986年)→Cubase(1989年初代)が520ST向けに開発され、Mark Knopfler(Dire Straits)・Mike Oldfield・Fatboy Slim・Bjork・Madonna等の楽曲制作に使用された歴史的位置づけ。GEM(Graphical Environment Manager、Digital Research)+TOS(The Operating System)の統合GUI環境はMacintosh風だが、$799という戦略価格でAtariのホームPC市場制覇戦略の中核機となり、Amiga 500とともに1980年代後半の「16bit家庭用PC黄金時代」を作った。累計600万台超を販売(1985-1993)した日本では当時並行輸入のみ、現在中古市場で動作品$200-600・FPGA再現はMiSTer FPGAコアで対応。
| 機種 | 発売 | RAM | 表示 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Atari 520ST | 1985/06 | 512KB | 16色/モノ | $799 | 初代・MIDI |
| Atari 1040ST | 1986/04 | 1MB | 16色/モノ |
| $999 |
| 倍メモリ |
| Atari Mega ST 2/4 | 1987/03 | 2/4MB | 16色/モノ | $1,899-2,499 | DTP向け |
| Amiga 1000 | 1985/07 | 256KB | 4,096色HAM | $1,295 | 多色 |
| Macintosh 128K | 1984/01 | 128KB | モノクロ | $2,495 | GUI先行 |
Atari 520ST/1040ST中古は動作品$200-600で流通、Mega ST 4はDTP用途で希少$500-1,500。音楽制作用途ではMIDI IN/OUT標準装備が最大の魅力で、現代でもクラシック音楽制作(特定ジャンル)愛好家がMIDI機材接続用途で実機保有するケースあり。FPGA再現はMiSTer FPGA Atari ST Core(無料)+SDカードでイメージファイル動作可能、エミュレータHatari(Linux/Mac/Win)が成熟。日本では並行輸入機+変圧器必須、純正PSU劣化が定番故障で交換ATX変換キット($50-100)が定番修理パーツ。
Amiga 1000(1985年7月、$1,295)はカラー4,096色HAM+PCMサウンドでマルチメディア優位、Atari 520STはモノクロ・MIDI標準・低価格で実用ビジネス・音楽制作セグメントを取った住み分け。Macintosh 128K(1984年1月、$2,495)はGUI先行だが$2,495の高価格でホビー向けではない。IBM PC(1981年8月、$1,565)は16bit互換機の祖だが、ATの登場(1984年)まで音楽用途では明確に劣位だった。
Q1: なぜ520STは音楽用途で人気だった? A: MIDI IN/OUT標準装備(業界初の家庭用PC)+ Steinberg Pro 24/Cubase等高品質シーケンサ+ MC68000の処理力+ $799の戦略価格の4要素が組み合わさり、1980年代後半-1990年代前半の音楽スタジオで世界標準となりました。
Q2: 現代でAtari STを体験するには? A: MiSTer FPGA Atari STコア(最高画質再現)、Hatariエミュレータ(PC/Mac/Linux)、実機輸入(中古$200-600)の3ルート。MIDI再生用なら実機保有が最も確実です。
Q3: TOS/GEMとは? A: TOS(The Operating System)はAtari独自のシングルタスクOS、GEM(Graphical Environment Manager、Digital Research開発)はTOS上のGUI環境。Mac風メニューバー+ウィンドウシステムですがマルチタスク不可、Amiga AmigaOSのプリエンプティブとは対照的でした。