ATXフォームファクター(エーティーエックスフォームファクター)
PC業界標準マザーボードサイズ規格。ATX(305×244mm・Intel 1995策定)・Micro-ATX(244×244mm)・Mini-ITX(170×170mm)・E-ATX(305×330mm)・XL-ATX(非標準)・Pico-ITX(100×72mm)・Nano-ITX(120×120mm)が代表、ATX電源+9スタンドオフ固定+7拡張スロット標準。
概要
ATX(Advanced Technology eXtended)は、1995年にIntel が策定したマザーボードサイズ規格で、PC業界の標準となった。規格は 305 × 244 mm の寸法を基本とし、9 つのスタンドオフにより電源からの電圧を安定供給する構造を持つ。拡張スロットは 7 つまで設置可能で、PCIe 3.0 から PCIe 5.0 までのバージョンに対応できる。ATX はマザーボードの形状だけでなく、電源ユニットの 20 / 24 ピンコネクタ、CPU ソケット、RAM スロット数、I/O ポート配置など、システム全体の設計指針を示す。
主な特徴・仕組み
- 寸法:305 × 244 mm(標準)
- スタンドオフ:9 個(電源供給の安定化)
- 拡張スロット:最大 7 スロット(PCIe x16、PCIe x1、PCI)
- 電源コネクタ:20 / 24 ピン ATX、8 / 4 ピン EPS 12 V
- CPU ソケット:LGA 1700、AM5 など多様
- RAM スロット:最大 4 スロット(DDR4/DDR5)
- I/O バックパネル:USB 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 1、HDMI、DisplayPort、LAN、オーディオ、SATA 6 Gb/s、M.2 2280 など
ATX は、拡張カードの配置を 2 行に分け、上部に 2 スロット、下部に 5 スロットを配置することで、冷却性能と拡張性を両立している。電源は 20 / 24 ピンの ATX コネクタを介し、CPU には 8 / 4 ピンの EPS コネクタが接続される。
スペック/製品比較表
| 規格 | 寸法 (mm) | スロット数 | スタンドオフ | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| ATX | 305 × 244 | 7 | 9 | デスクトップ本格系 |
| Micro‑ATX | 244 × 244 | 4 | 7 | コンパクト本格系 |
| Mini‑ITX | 170 × 170 | 2 | 4 | 小型デスクトップ |
| E‑ATX | 305 × 330 | 8 | 10 | 高性能サーバ・ワークステーション |
具体例・対応製品
RTX 5090:PCIe 5.0 x16、24 GB GDDR7、TDP 450 WRyzen 9 9950X3D:AM5 ソケット、3.5 GHz ベース、6.0 GHz ブースト、TDP 170 WCore Ultra 9 285K:LGA 1700 ソケット、3.0 GHz ベース、5.0 GHz ブースト、TDP 125 WDDR5‑6000:DDR5 メモリ、6000 MHz、CL40、8 GB モジュールPCIe 5.0 x16:帯域 32 GB/s、NVMe SSD 3.0 TB、GPU 12 GBMSI MPG B650 Gaming Edge WiFi:AM5 ソケット、DDR5 4800 MHz、PCIe 4.0 x16、Wi‑Fi 6EASUS ROG Strix X670E‑F Gaming:LGA 1700 ソケット、DDR5 6000 MHz、PCIe 5.0 x16、Wi‑Fi 6EGigabyte Z790 AORUS Master:LGA 1700 ソケット、DDR5 6000 MHz、PCIe 5.0 x16、Wi‑Fi 6E
自作PCでの選び方・注意点
- 電源容量:TDP + 30 % を余裕に確保。例:RTX 5090 450 W → 650 W 以上
- 冷却性能:ファン 120 mm 以上、または水冷を検討。
- マザーボードサイズ:ケースの寸法に合わせる。
- 拡張スロット数:将来の GPU 追加を想定。
- RAM スロット:最大 4 スロットで 64 GB まで拡張可能。
関連用語との違い
- Micro‑ATX:ATX の 80 % のサイズで、スロット数は 4。
- Mini‑ITX:170 × 170 mm、スロット数 2。
- E‑ATX:305 × 330 mm、スロット数 8。
- XL‑ATX:非標準規格で、スロット数 10 以上。
- Pico‑ITX:100 × 72 mm、スロット数 1。
- Nano‑ITX:120 × 120 mm、スロット数 2。
よくある質問
Q1. ATX と E‑ATX の主な違いは何ですか?
A1. E‑ATX は ATX より縦幅が 86 mm 長く、スロット数が 8 で高性能サーバ向け。
Q2. 2025年に登場した最新マザーボードは?
A2. ASUS ROG Strix X670E‑F Gaming は 2025年にリリースされ、PCIe 5.0 と DDR5‑6000 を標準搭載。
Q3. 2026年の次世代CPUに対応する ATX マザーボードは?
A3. MSI MPG B650 Gaming Edge WiFi は 2026年に予定される AM5 ソケットに対応し、PCIe 5.0 をサポート。
まとめ
ATX は 305 × 244 mm の標準寸法と 7 スロットの拡張性で、デスクトップ PC の基盤となる規格である。電源、CPU ソケット、RAM スロット、I/O 配置が統一されているため、ハードウェアの選択と組み立てが容易になる。2025年・2026年に登場する次世代 CPU と GPU を想定したマザーボードは、PCIe 5.0 と DDR5‑6000 を標準化しており、将来性を持つ。自作 PC を計画する際は、電源容量、冷却性能、ケースサイズを確認し、必要な拡張スロット数を確保することが重要である。