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ATX電源は、1995年にIntelが策定したATX(Advanced Technology eXtended)規格に準拠した電源ユニットで、現在最も広く使用されているデスクトップPC用電源の標準規格です。
ATX電源の特徴:
ATX規格寸法:
- 幅: 150mm
- 高さ: 86mm
- 奥行: 140mm(標準)
奥行きバリエーション:
- 140mm: 最も一般的
- 160mm: 大容量モデル
- 180mm: ハイエンド
- 200mm+: 特殊モデル
標準配置:
- ケース上部または下部
- ファン外向き(排気)
- 4本のネジ固定
- 振動対策推奨
最近のトレンド:
- 下部配置主流
- 独立吸気
- 防振ゴム標準
- ケーブル上向き
24ピン(20+4ピン):
- 主電源供給
- 各種電圧含む
- 制御信号
- 必須接続
ピン配置:
- +3.3V(橙)
- +5V(赤)
- +12V(黄)
- GND(黒)
- 信号線各種
標準構成:
- 4+4ピン(EPS12V)
- 12V専用
- CPU/VRM給電
- 分離可能設計
ハイエンド:
- 8ピン固定
- 8+8ピン(2系統)
- 8+4ピン
- 大電流対応
主要レール:
+12V: メイン出力
- CPU供給
- GPU供給
- モーター駆動
- 総出力の90%+
+5V: 限定用途
- USB給電
- 一部ロジック
- レガシー機器
+3.3V: チップセット
- メモリ電源
- M.2給電
- チップセット
-12V: レガシー
- 最小出力
- RS-232C
- 一部オーディオ
+5VSB: スタンバイ
- 常時出力
- Wake on LAN
- USB充電
典型的な配分(650W):
- +12V: 54A(648W)
- +5V: 20A(100W)
- +3.3V: 20A(66W)
- -12V: 0.3A(3.6W)
- +5VSB: 3A(15W)
合計出力:
- 定格650W
- 12V重視設計
特徴:
- 12V出力統合
- 大電流供給可
- 配線自由度高
- 主流設計
メリット:
- 制限なし
- 高出力対応
- シンプル
- OCP設定高め
デメリット:
- 短絡時リスク
- 保護閾値高い
特徴:
- 12V分割出力
- 各レール独立保護
- 電流制限あり
- 安全重視
配分例:
- 12V1: CPU用(30A)
- 12V2: GPU用(25A)
- 12V3: その他(20A)
用途:
- サーバー
- 高信頼性要求
- 規制対応
ATX 2.52(現行):
- 2013年改定
- 効率要求強化
- Haswell対応
- C6/C7省電力
主な要件:
- 80PLUS推奨
- 低負荷効率
- 待機電力削減
最新規格(2022年):
- PCIe 5.0対応
- 12VHPWR標準
- 瞬間負荷対応
- 効率基準更新
新機能:
- 2倍瞬間電力
- Excursion耐性
- サイドバンド信号
- I2C通信対応
必須保護:
- OCP: 過電流保護
- OVP: 過電圧保護
- UVP: 低電圧保護
- SCP: 短絡保護
- OPP: 過電力保護
追加保護:
- OTP: 過熱保護
- NLO: 無負荷動作
- SIP: 突入電流保護
検出→遮断:
- 即時停止
- ラッチ/自動復帰
- LED表示
- ログ記録(一部)
復帰方法:
- AC切断
- 5分待機
- 再投入
- 原因除去必須
標準構成:
- 120/135/140mmファン
- 底面吸気または背面吸気
- 温度制御
- 低騒音化
高級モデル:
- セミファンレス
- 0RPMモード
- 流体軸受
- 長寿命設計
発熱源:
- 1次側: PFC/スイッチング
- トランス: 中央部
- 2次側: 整流/DC-DC
- 効率で変動
冷却経路:
- 前→後エアフロー
- ヒートシンク配置
- 熱結合考慮
- 排気温度管理
最小要件:
- ATX24ピン: 550mm
- EPS12V: 650mm
- PCIe: 550mm
- SATA: 450mm+150mm
大型ケース対応:
- 各+100-200mm
- 延長ケーブル可
- 電圧降下注意
基本指針:
- 消費電力×1.5-2
- 効率最適点考慮
- 将来の拡張
- 負荷率50-70%
実例:
- TDP 300W → 450-600W
- TDP 500W → 750-850W
- TDP 700W → 1000-1200W
チェック項目:
- 80PLUS認証
- 保証期間
- 保護回路
- 使用部品
- 冷却設計
信頼性指標:
- MTBF
- 温度derating
- Hold-up time
- Ripple/Noise
症状:
- 無反応
- 一瞬で停止
- ファン回らず
確認:
- AC電源/スイッチ
- ケーブル接続
- 最小構成テスト
- ペーパークリップテスト
症状:
- 高負荷で落ちる
- ランダム再起動
- 画面ブラックアウト
原因:
- 容量不足
- 経年劣化
- 温度問題
- 電源品質
推奨作業:
- 3-6ヶ月: エアダスター清掃
- 年1回: 詳細点検
- 3-5年: 予防交換検討
確認項目:
- ファン回転
- 異音/異臭
- ケーブル劣化
- コネクタ緩み
ATX12VO:
- 12V単一出力
- MB側でDC-DC
- Intel提案
- 効率向上
課題:
- MB対応必須
- 移行コスト
- 互換性
ATX電源は、25年以上の歴史を持つ成熟した規格。標準化により、幅広い選択肢と高い互換性を実現。最新のATX 3.0では、高性能GPUへの対応を強化。適切な容量選定と品質の確保により、システムの安定動作を支える。今後も基本設計を維持しながら、効率向上と新技術への対応が進むと予想される。