グリップを握るだけで電線の被覆を自動的に切断・剥離する工具。線径の自動調整機構を備え、AWGサイズを意識せずに素早く作業でき、初心者からプロまで幅広く使われる。
自動ワイヤーストリッパーは、電線をセットしてグリップを握るだけで被覆の切断と剥離を一動作で完了する工具である。手動式のように線径(AWG)に合った穴を選ぶ必要がなく、内蔵のスプリング機構や調整ブレードが被覆の厚みに応じて自動的に噛み込み深さを調節する。
自動ワイヤーストリッパーの基本構造は以下の3つの機構で構成される。
この3つが連動することで、1回のグリップ操作で「固定→切断→剥離」が完了する。
| 製品 | 対応線径 | 剥き長さ調整 | 重量 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| VESSEL No.3500E-2 | AWG 10〜24 | 5段階 | 200g | 2,500〜3,500円 |
| KNIPEX 12 62 180 | AWG 10〜28 | 無段階 | 175g | 4,000〜6,000円 |
| IRWIN VISE-GRIP 2078300 | AWG 10〜24 | 3段階 | 210g | 1,500〜2,500円 |
| エンジニア PAW-01 | AWG 8〜28 | 6段階 | 190g | 3,000〜4,500円 |
| HOZAN P-929 | AWG 10〜26 | 4段階 | 185g | 2,000〜3,000円 |
| 比較項目 | 手動式 | 自動式 |
|---|---|---|
| 作業速度 | 遅い(穴選択が必要) | 速い(ワンアクション) |
| 精度 | 高い(慣れれば) | 中〜高(機種による) |
| 極細線対応 | AWG 30以下も対応可 | AWG 28程度が限界 |
| 耐久性 | 高い(シンプル構造) | 中(スプリング劣化) |
| 価格 | 安い | やや高い |
| 学習コスト | ある(AWG理解必要) | 低い |
電源ケーブルMODでは1本のケーブルに複数のワイヤーがあり、24ピンATXなら最大24本の被覆を剥く必要がある。自動式を使えば1本あたり2〜3秒で処理できるため、手動式の10秒/本と比べて大幅に効率が上がる。
自動ワイヤーストリッパーの弱点はスプリングとブレードの消耗である。以下のメンテナンスで寿命を延ばせる。
自動式は撚り線・単芯線ともに対応するが、極細撚り線(AWG 28以下)ではクランプ圧で素線がバラけやすい。その場合は手動式のほうが安全である。
多芯ケーブルの外装シースを剥く機能を持つ上位モデルも存在する。KNIPEX 12 52 195はシースストリッパー機能を内蔵している。
大半の自動式は左右対称設計で利き手を選ばない。ただし剥き長さ調整ゲージが右側に付いているモデルでは左手操作時に見づらくなることがある。