圧縮ソフト史 PKZIP→7-Zip→Zstd 1989-2026(圧縮ソフト史)
File Compression Tool 35年史 1989-2026。compress (1984 LZW Bell Labs・初Unix Standard)・PKZIP (1989年2月 Phil Katz PKWARE・MS-DOS・Phil Katz自殺2000年4月)+ZIP Format Standard (RFC ISO/IEC 21320 PKZIP)・ARJ (1991 Robert Jung)・LHA LHarc (1988 吉崎栄泰・Yoshi LHA→LHA→LZH)・LhaPlus (2002 Schezo +S・日本)+LhaForge+CubeICE (Cube Soft)・StuffIt (1987 Raymond Lau Mac→Smith Micro Software 2005年買収・Mac標準)・WinZip (1991 Niko Mak・現WinZip Computing→Corel 2006買収)・WinRAR (1995 Eugene Roshal Russia・RAR独自Format・Trial 40日無期限・神Software)+RAR5 (2013)・7-Zip 7z (1999年 Igor Pavlov ロシア OSS LGPL・LZMA+LZMA2・最高Compression Ratio・現7-Zip 24.09 2024)・p7zip Linux/Mac (廃止 2016)+7-Zip-RC・gzip (1993 Jean-Loup Gailly+Mark Adler GNU・LZ77+Huffman・現Universal)・bzip2 (1996 Julian Seward・BWT Burrows-Wheeler)・xz (2009 Tukaani+Lasse Collin・LZMA2・xz-utils 2024年3月Backdoor事件 Jia Tan→OSS Supply Chain注意喚起)・Zstandard zstd (2015 Yann Collet Facebook FOSS・速い圧縮・現zstd 1.5.6 2024)・Snappy (2011 Google FOSS)・LZ4 (2011 Yann Collet 高速)・Brotli (2013 Google・Web Compression+gzip代替)・Deflate→Deflate64・PPMd+PAQ (高圧縮率)・Apple Compression Framework: lzfse+lz4・Microsoft Cabarc CAB+MSI内部・Tar+Gzip+Bzip2+Xz Tarball (Linux Standard)・Squashfs+EROFS (Linux Read-Only)・¥0 OSS-¥¥¥¥/Lic WinRAR 2026 7-Zip+WinRAR+gzip/zstd主流。
概要
1989年に登場したPhil KatzのPKZIPは、MS‑DOS環境でZIP形式を標準化し、圧縮ソフトの主流を確立した。以降、1990年代に入りARJ、LHA、StuffItなどが並び、各プラットフォームで独自の圧縮方式が発展した。2000年代に入ると、WinRARがRAR形式を独自開発し、7‑ZipがLZMAベースの高圧縮率を実現。2010年代後半からはFacebookのZstandard(zstd)やGoogleのSnappy、LZ4、Brotliが高速圧縮を追求し、Webやクラウドストレージで採用されるようになった。2025–2026年にかけては、Zstd 1.5.6、7‑Zip 24.09、xz 5.4のアップデートがリリースされ、ハードウェアアクセラレーションやマルチスレッド化がさらに進化した。
主な特徴・仕組み
| ソフト | 圧縮方式 | 最大圧縮率 | 圧縮速度 | 復号速度 | スレッド | メモリ使用 | ライセンス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| PKZIP | Deflate | 1.4:1 | 100 KB/s | 200 KB/s | 1 | 2 MB | 商用 |
| WinRAR | RAR | 2.5:1 | 150 KB/s | 250 KB/s | 1 | 4 MB | 商用 |
| 7‑Zip | LZMA2 | 3.0:1 | 200 KB/s | 300 KB/s | 8 | 8 MB | LGPL |
| zstd | Zstd | 3.5:1 | 400 KB/s | 500 KB/s | 16 | 12 MB | BSD |
| xz | LZMA2 | 3.2:1 | 120 KB/s | 180 KB/s | 4 | 6 MB | GPL |
| Brotli | Brotli | 2.8:1 | 250 KB/s | 350 KB/s | 8 | 10 MB | BSD |
- DeflateはLZ77とハフマン符号を組み合わせ、圧縮と解凍が高速だが圧縮率は中程度。
- LZMA2はLZ77+LZ77の再利用で高圧縮率を実現し、マルチスレッド化が可能。
- Zstdはスーパーファスト圧縮と高圧縮率を両立し、スレッド数を増やすと圧縮速度が指数的に上がる。
- BrotliはWeb圧縮向けに設計され、HTTP/2やHTTP/3で標準化。
具体例・対応製品(テーブル必須)
| 圧縮ソフト | 主なOS | 主要用途 | 代表的なファイル形式 | 付帯機能 |
|---|---|---|---|---|
| PKZIP | Windows | 企業文書 | .zip | パスワード保護、分割圧縮 |
| WinZip | Windows | 画像・動画 | .zip, .7z, .rar | クラウド連携、暗号化 |
| 7‑Zip | Windows, Linux, macOS | アーカイブ管理 | .7z, .zip, .tar, .xz | マルチスレッド、オープンソース |
| WinRAR | Windows | 大容量データ | .rar, .zip | 断片化防止、復元機能 |
| zstd | Linux, Windows, macOS | システムイメージ | .zst | 逐次圧縮、ストリーム |
| Brotli | Webサーバ | 静的コンテンツ | .br | HTTPヘッダー圧縮、低レイテンシ |
- 7‑Zip 24.09は2024年にリリースされた最新版で、LZMA2のパラメータが最適化され、1 GB以上のファイルでも1 分以内に圧縮可能。
- WinRAR 2026はRAR5形式を標準化し、圧縮率が0.5 %向上、AES‑256暗号化がオプション化。
選び方・注意点
- 圧縮率 vs 速度
- 大容量データ(バックアップ、映像)では圧縮率重視の7‑ZipやRAR5。
- ネットワーク転送やWeb配信では速度重視のzstd、Brotli。
- OS互換性
- Windows専用のWinZipはMac/Linuxでの互換性が限定的。
- 7‑Zipはクロスプラットフォームで標準的にサポート。
- ライセンス
- 商用利用が必要な場合はWinRAR、WinZip。
- OSSであれば7‑Zip、zstd、Brotli。
- セキュリティ
- AES‑256暗号化が必要ならWinRAR、WinZip、7‑Zipの暗号化機能を確認。
- 2025年に報告されたzstdのBackdoor事件を踏まえ、公式リポジトリからのみ取得。
関連用語との違い
- Tarは圧縮を行わず、複数ファイルを一つにまとめるアーカイブツール。
- SquashfsはLinuxの読み取り専用ファイルシステムで、圧縮率は高いが書き込みは不可。
- CabarcはMicrosoftのインストーラ形式で、圧縮率は低いがインストール時に自動展開。
- PPMd、PAQは研究段階の高圧縮アルゴリズムで、実用化には時間がかかる。
よくある質問 (FAQ)
-
Q: 7‑ZipとWinRARの圧縮率はどちらが高いですか?
A: RAR5は7‑ZipのLZMA2に比べて約0.5 %高い圧縮率を示すことが多いですが、差はファイルタイプや設定に依存します。 -
Q: zstdはどのような場面で最適ですか?
A: ネットワーク帯域が限られる環境や、リアルタイムストリーミングでの圧縮に適しています。高速で低レイテンシが求められるWebサーバやCDNで広く採用されています。 -
Q: 2026年にリリース予定のWinRARはどのような新機能がありますか?
A: RAR5の改良版で、マルチスレッド圧縮がさらに最適化され、AES‑256暗号化のオプションが標準化。さらに、クラウドストレージ連携が強化されます。
まとめ
PKZIPが始めたZIP形式から、ARJ・LHA・StuffItといったプラットフォーム別の拡張、WinRARのRAR、7‑ZipのLZMA2、そしてzstd・Brotliといった高速圧縮アルゴリズムへと、圧縮ソフトは多様化を続けてきた。2025–2026年の最新リリースでは、ハードウェアアクセラレーションやマルチスレッド化がさらに進み、圧縮速度と圧縮率の両立が実現。選択肢は多いが、用途、OS、ライセンス、セキュリティ要件を総合的に判断することが重要である。