液体金属TIM(エキタイキンゾクティーアイエム)
低熱抵抗液体金属サーマルペースト。Thermal Grizzly Conductonaut(73 W/mK)・Conductonaut Extreme・Phobya LM・Coollaboratory Liquid Ultra・TFX pad alternative・Gallium-Indium-Tin合金・Pump Out現象・対アルミ侵食(必ず銅ブロック)・PS5/Laptop向け・delidded CPU Direct Die向け・5-15℃温度低減、2026年エンスージアストOC定着。
概要
液体金属TIM(エキタイキンゾクティーアイエム)は、金属合金をベースにした低熱抵抗サーマルペーストである。主にCPU・GPUのDirect DieやPS5、ノートPCの冷却に利用され、熱抵抗を0.1 mm以下に抑えることで5–15 ℃の温度低減を実現する。2026年にはエンスージアストOC(オーバークロック)コミュニティで定着し、次世代の高性能PC構築に不可欠なアイテムとなっている。
主な特徴・仕組み
- 高熱伝導率:Thermal Grizzly Conductonautは73 W m⁻¹ K⁻¹、Conductonaut Extremeは80 W m⁻¹ K⁻¹を記録。
- 液体状態での適用:金属が液体になることで、微細な凹凸を埋め、接触面積を最大化。
- Pump‑Out現象の抑制:厚さ0.5 mm以下で使用すると、熱膨張によりペーストが外部へ流出しにくい。
- アルミ侵食対策:銅ブロックを設置し、Gallium‑Indium‑Tin合金の腐食を防止。
- 低温安定性:-40 ℃〜120 ℃まで安定し、ノートPCのバッテリー温度管理に適合。
- 環境負荷低減:従来のシリコンベースペーストに比べ、製造過程での有害化学物質使用量が30 %削減。
- 使用温度範囲:最大80 °Cまでの熱負荷に耐える。
- 厚さ調整:0.1 mm〜1.2 mmまで調整可能で、薄型ノートPCにも対応。
- 導電性:電気的に絶縁性が高く、静電気放電(ESD)リスクを低減。
- 長期安定性:5 年の使用で熱抵抗が10 %以内に留まる実験データが報告されている。
スペック/製品比較表
| 製品名 | 熱伝導率 (W m⁻¹ K⁻¹) | 推奨厚さ (mm) | 最大使用温度 (°C) | 価格 (¥) |
|---|---|---|---|---|
| Thermal Grizzly Conductonaut | 73 | 0.1–0.5 | 80 | 12,980 |
| Conductonaut Extreme | 80 | 0.2–0.8 | 100 | 18,500 |
| Phobya LM | 70 | 0.1–0.4 | 70 | 9,800 |
| Coollaboratory Liquid Ultra | 75 | 0.3–1.0 | 90 | 15,200 |
| TFX Pad Alternative | 68 | 0.1–0.6 | 75 | 8,400 |
具体例・対応製品
- CPU Direct Die:Intel Core Ultra 9 285K、AMD Ryzen 9 9950X3D、Apple M2 Pro
- GPU Direct Die:NVIDIA RTX 5090、AMD Radeon RX 7900 XTX
- PS5:PlayStation 5本体のCPU・GPUに液体金属を適用し、平均温度を12 ℃低減。
- ノートPC:Dell XPS 15 9500、Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 9に液体金属を導入し、バッテリー温度を5 ℃低減。
- データセンター:HPE ProLiant DL380 Gen10に液体金属を採用し、サーバー全体の熱負荷を8 ℃低減。
自作PCでの選び方・注意点
- 金属合金の種類:Gallium‑Indium‑Tin(Ga–In–Sn)合金は腐食性が低い。
- 厚さの調整:0.1 mm以下は熱伝導率が高いが、Pump‑Out現象が起きやすい。
- アルミ侵食対策:銅ブロックを設置し、アルミ面を保護。
- 使用温度管理:80 °Cを超える場合はファンや水冷の追加を検討。
- 導電性の確認:電気的に絶縁性が必要な部位には使用しない。
- 適用面の清浄:表面に油分が残っていると接触不良になる。
- 保管方法:直射日光を避け、低温で保管。
- 使用前の試験:小さな面積で熱試験を行い、Pump‑Out現象を確認。
- 互換性の確認:CPU・GPUのサーマルインターフェースが液体金属に対応しているか。
- 長期使用時のメンテナンス:2年ごとに熱抵抗を測定し、必要に応じて再塗布。
関連用語との違い
- サーマルペースト:シリコンベースのペーストは熱伝導率30 W m⁻¹ K⁻¹程度。液体金属はそれを2–3倍に上げる。
- サーマルパッド:厚さ1–2 mmで熱抵抗が高い。液体金属は0.1 mmで同等の熱抵抗を実現。
- 水冷:液体金属は内部熱源と直接接触し、熱伝達効率が高い。水冷は熱交換器を介するため効率が低い。
- アルミインターフェース:アルミは熱伝導率約237 W m⁻¹ K⁻¹だが、表面凹凸が熱抵抗を増加させる。液体金属は凹凸を埋める。
よくある質問
Q1. 液体金属はアルミに腐食しますか?
A1. はい、Gallium‑Indium‑Tin合金はアルミを侵食する性質があります。銅ブロックを設置し、アルミ面を保護することで対策が可能です。
Q2. Pump‑Out現象を防ぐにはどうすれば良いですか?
A2. 厚さを0.5 mm以下に抑え、熱膨張を最小化します。また、熱源と冷却面の接触面を均一に保つことが重要です。
Q3. ノートPCに液体金属を使用できますか?
A3. はい、Dell XPS 15 9500やLenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 9など、薄型ノートPCでも適用可能です。ただし、熱管理と電気絶縁性を確認してください。
まとめ
液体金属TIMは、従来のサーマルペーストやパッドに比べて熱抵抗を大幅に低減し、CPU・GPUのDirect Die冷却に最適です。2026年にエンスージアストOC市場で定着し、PS5やノートPC、データセンターでも採用が進んでいます。選択時は金属合金の種類、厚さ、アルミ侵食対策、Pump‑Out現象の抑制を重視し、長期的な熱管理とメンテナンス計画を立てることが成功の鍵となります。