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Motorola 6809 (1978)(モトローラロクハチマルキュウ)

Motorola が 1978 年に発表した 8-bit マイクロプロセッサ。6800 の後継として 9,000 トランジスタ・5μm プロセス・最大 2MHz クロック・59 命令で、6800 の制約 (Index Register 1 個・Stack Pointer 1 個) を解消、Position Independent Code (PIC) 対応・改良アドレッシングモードで「最も洗練された 8-bit CPU」と評価される伝説の CPU。

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2026/5/11 更新
関連タグ
Motorola 6809
1978
TRS-80 CoCo
FM-7
PIC
8-bit 洗練

概要

Motorola 6809 は、Motorola が 1978 年に発表した 8-bit マイクロプロセッサで、6800 (1974) の後継として 9,000 トランジスタ・5μm シリコンゲート NMOS プロセス・最大 2MHz クロック (商用 1MHz/1.5MHz/2MHz)・59 命令で動作する 8-bit CPU の集大成的設計です。6800 の制約 (Index Register 1 個・Stack Pointer 1 個・アドレッシングモード少) を解消し、Position Independent Code (PIC、位置独立コード) 対応・改良アドレッシングモード (14 種類)・自動インクリメント/デクリメント命令・相対分岐 (Branch) ・PC 相対アドレッシング・16-bit 演算命令で「最も洗練された 8-bit CPU」と当時の業界で評価されました。Index Register 2 個 (X・Y) ・Stack Pointer 2 個 (U ユーザ・S システム) ・Direct Page Register (DP) でレジスタ拡張、現代の RISC アーキテクチャ設計の参考になる先進的設計。TRS-80 Color Computer (CoCo、1980)・富士通 FM-7 (1982)・FM-8 シリーズ・DEC OEM 製品・教育用組み込みシステムで採用されましたが、Steve Wozniak が Apple III で採用を検討したものの価格・量産性で 6502 ($25) に劣り、市場では小規模に留まった「技術者の理想 CPU」「市場に勝てなかった天才」として知られる伝説の CPU です。

主な特徴・仕組み

  • 発表: 1978 年 Motorola
  • 設計: Terry Ritter・Joel Boney
  • プロセス: 5μm シリコンゲート NMOS
  • トランジスタ: 9,000 個 (6800 比 2.25 倍)
  • データバス: 8-bit
  • アドレスバス: 16-bit、最大 64KB メモリ
  • クロック: 1MHz / 1.5MHz / 2MHz (6809E は 4MHz)
  • 電源: +5V 単電源
  • パッケージ: 40-pin DIP
  • 命令数: 59 命令 (6800 比 1.1 倍だが質的に大幅進化)
  • アドレッシングモード: 14 種類 (Direct・Extended・Indexed・Indirect・Relative 等)
  • レジスタ: A・B・X・Y・U・S・PC・DP・CC (累計 9 個、6800 比で大幅増)
  • PIC 対応: Position Independent Code、リロケータブルプログラム
  • 派生: 日立 6309 (1988 年、6809 互換 + 拡張命令)

スペック比較表 (8-bit CPU 1978-1979)

CPU年クロック命令アドレッシング
MOS 650219751-2MHz5613 種
Motorola 680019741-2MHz727 種
Motorola 680919781-2MHz5914 種
Zilog Z8019764MHz1399 種
Intel 808519763-5MHz805 種

具体例・対応 PC/組み込み

  • TRS-80 Color Computer (CoCo, 1980): Tandy/Radio Shack 製、家庭用 PC、$399
  • 富士通 FM-7 (1982): 国内家庭用 PC、FM-77AV・FM TOWNS の前身
  • DEC OEM 製品: 産業機器・端末で利用
  • 日立 6309 (1988): 6809 互換 + 64bit 演算・新規命令、組み込み向け
  • OS-9 (1980): 6809 用マルチタスク OS、ホビイスト・産業界で人気

自作PCでの選び方・注意点

Motorola 6809 は当然ながら現代の自作 PC では直接利用しませんが、レトロコンピューティング・教育・組み込み機器で 2026 年現在も愛される歴史的 CPU。Hitachi 6309 (1988、6809 互換 + 拡張) は組み込み機器向けに 2010 年代まで製造、現在も中古 IC が eBay・AliExpress で ¥500-2,000 で流通中、CoCo3 (Color Computer 3) ベースのレトロ自作 PC・CoCoFest コミュニティで活発に利用継続。富士通 FM-7 のレトロホビイストコミュニティでは F-BASIC・OS-9 ベースのソフトウェア保存活動が継続、FM-7 エミュレータ (XM7) で当時のソフト 90% 以上が実行可能。Motorola 6809 の「美しい命令セット」「PIC 対応」設計思想は、現代の RISC-V・ARM Cortex-M 設計の参考材料として、コンピュータ工学・組み込みシステムの教科書で頻出する技術。6809 アセンブリ言語のプログラミング演習が、レトロコンピューティング教育・組み込み開発入門で 2026 年現在も実施されています。市場で勝てなかった「天才 CPU」として、技術者の理想と市場現実の典型的乖離例として、技術史・経営学の事例として参照される伝説の CPU。

関連用語との違い

  • Motorola 6800: 親、6809 の前身
  • MOS 6502: 競合 8-bit、価格で 6502 勝利・技術で 6809 優位
  • Motorola 68000: 後継 16-bit、6809 の精神を継承

よくある質問(FAQ)

Q1: なぜ 6809 は市場で負けた? A: 価格 ($37、6502 の $25 より高い)・量産性・既存ソフト互換性 (6502/Z80 の方が大量) で 6502/Z80 に敗北。技術的優位性だけで市場勝利できない典型例。

Q2: PIC とは? A: Position Independent Code、メモリ位置非依存コード。プログラムをメモリのどこに配置しても動作、現代 OS の共有ライブラリ (.so/.dll) の基礎技術。

Q3: 現代でも実用される? A: 組み込み機器 (日立 6309)・レトロコンピューティング・教育で 2026 年現在も愛用、CoCoFest など年次イベント開催。技術者の理想として愛され続けている。

まとめ

  • Motorola 6809 = 1978 年発表、8-bit CPU の集大成
  • 9,000 トランジスタ・59 命令・14 アドレッシングモード・PIC 対応
  • TRS-80 CoCo・富士通 FM-7・DEC OEM で採用
  • 技術的理想 vs 市場現実の典型、技術者に愛され続けるレジェンド
この記事について
カテゴリーCPU
難易度上級
作成日2026/5/11