DeepSeek R1-0528(ディープシーク アールワン ゼロゴニハチ)
DeepSeekが2025年5月28日にリリースした推論モデルの大幅アップデート版。671B MoEアーキテクチャを維持しながらAIME 2025で72.6%・LiveCodeBench v5で57.4%と前世代比で大幅向上。MIT Licenseで完全オープンソース公開。
DeepSeek R1-0528とは
DeepSeek R1-0528は、中国のDeepSeekが2025年5月28日にリリースしたオープンソース推論モデルの大幅アップデート版です。2025年1月に世界を驚かせたDeepSeek R1の後継として、強化学習アルゴリズム(GRPO: Group Relative Policy Optimization)をさらに改善し、数学・コーディング・科学推論の性能を向上させました。
671Bの総パラメータを持つMixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャを維持しながら、MIT Licenseで完全に公開されており、商用利用・改変・ファインチューニングが自由に行えます。
主な特徴
- 大幅性能向上: AIME 2025で72.6%(R1比+14ポイント)
- コーディング強化: LiveCodeBench v5で57.4%(R1比+8ポイント)
- MIT License: 完全オープンソース・商用利用可能
- 671B MoEアーキテクチャ: 実稼働は37Bのみ起動(推論コスト削減)
- 128Kコンテキスト: 長文文書・コードベース対応
- 最安API: 入力$0.55/1M・出力$2.19/1M
スペック比較表
| モデル | リリース | AIME 2025 | LiveCodeBench | 入力(/1M) | オープンソース |
|---|---|---|---|---|---|
| DeepSeek R1 | 2025/01 | 58.6% | 49.6% | $0.55 | MIT |
| DeepSeek R1-0528 | 2025/05 | 72.6% | 57.4% | $0.55 | MIT |
| OpenAI o3 | 2025/04 | 96.7% | — | $10 | クローズド |
| OpenAI o4-mini | 2025/04 | 93.4% | — | $1.10 | クローズド |
| Gemini 2.5 Pro | 2025/03 | 91.8% | — | $1.25 | クローズド |
R1とR1-0528の主な改善点
1. 強化学習の精緻化(GRPO改良)
- グループ内相対報酬計算のサンプリング戦略を改善
- 数学証明問題でのハルシネーション(誤った証明ステップ)が約30%減少
2. コーディング能力の向上
- LiveCodeBench v5で57.4%(+7.8ポイント)
- HumanEval+で95.2%(+2.4ポイント)
- デバッグタスクで特に改善が顕著
3. 長文コンテキストの安定性
- 128Kトークンでの"Lost in the Middle"問題が改善
- 長いチェーン・オブ・ソートでの論理的一貫性が向上
ローカル実行方法
# Ollama でローカル実行(量子化版 Q4: 約350GB)
ollama pull deepseek-r1:671b
ollama run deepseek-r1:671b
# vLLM での本格デプロイ(A100 80GB x8枚推奨)
pip install vllm
python -m vllm.entrypoints.openai.api_server \
--model deepseek-ai/DeepSeek-R1-0528 \
--tensor-parallel-size 8
よくある質問(FAQ)
Q1: 671BモデルをローカルPCで動かせるか? A: フルモデル(671B)はA100 80GB×8枚(640GB VRAM)が必要で個人PCでは困難。Distill版(1.5B〜70B)なら一般PC/MacBook Proでも動作する。
Q2: DeepSeek APIとOpenAI APIの互換性は? A: DeepSeek APIはOpenAI互換インターフェースを採用。base_url="https://api.deepseek.com"を指定するだけで、OpenAI Python SDKをそのまま使用可能。
Q3: 中国製モデルのデータプライバシーは大丈夫か? A: DeepSeek APIを使う場合、データは中国サーバーを通過する。機密データはローカルにダウンロードして自前サーバーで実行するか、MIT Licenseを活かしてセルフホストすることを推奨。
まとめ
- 2025年5月28日公開、R1比でAIME 2025+14ポイントの大幅性能向上
- MIT Licenseの完全オープンソース・商用利用自由
- API入力$0.55/1Mと業界最安水準のコスト効率
- ローカル実行可能(Q4量子化版350GB)でプライバシー確保も可能