DisplayPort MST(ディスプレイポートエムエスティー)
Multi-Stream Transport機能。1本のDP出力→複数モニタ分配、DP 1.4 HBR3(32.4Gbps)で4K60Hz×2台/2K120Hz×3台、DP 2.1 UHBR 20(80Gbps)で8K60Hz×2台対応、Club 3D CSV-7220・StarTech MST14DP123DP Hubが代表、Eyefinity/Surround代替。
概要
DisplayPort Multi‑Stream Transport(MST)は、1本のDP出力から複数のモニタへ映像を分配する技術です。DP 1.4ではHBR3(32.4 Gbps)で4K60 Hz×2台、2K120 Hz×3台を実現し、DP 2.1ではUHBR 20(80 Gbps)で8K60 Hz×2台に対応します。MSTはNVIDIAのEyefinityやAMDのSWRと同等の多画面構成を、単一のポートで実装できる点が特徴です。
主な特徴・仕組み
- 1本のDP 1.4/2.1ポートで最大4台のモニタを同時に走らせる
- HBR3(32.4 Gbps)で4K60 Hz×2台、2K120 Hz×3台を同時出力
- UHBR 20(80 Gbps)で8K60 Hz×2台を同時出力
- 1.4/2.1規格に準拠したMST Hubが市販されている
- 既存のGPU(RTX 4090、RX 7900 XT)に搭載されているDPポートをそのまま利用
- 低レイテンシで高帯域幅を確保し、ゲームや映像編集に適した構成が可能
- 1つのUSB‑CポートからMST Hubを接続し、複数モニタを同時に使用できる
- 互換性はDP 1.4/2.1規格に準拠したモニタで保証される
スペック/製品比較表
| 製品名 | 規格 | 最大帯域幅 | 同時出力 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| Club 3D CSV‑7220 | DP 1.4 | 32.4 Gbps | 4K60 Hz×2台 | ¥12,980 |
| StarTech MST14DP123DP Hub | DP 1.4 | 32.4 Gbps | 4K60 Hz×2台 | ¥9,980 |
| Cable Matters MST Hub | DP 2.1 | 80 Gbps | 8K60 Hz×2台 | ¥14,980 |
| Sabrent MST Hub | DP 2.1 | 80 Gbps | 8K60 Hz×2台 | ¥13,480 |
具体例・対応製品
- AMD Radeon RX 7900 XT:DP 2.1出力を備え、MSTで8K60 Hz×2台を同時に走らせる
- NVIDIA GeForce RTX 4090:DP 2.1+USB‑CでMST Hubを接続し、4K60 Hz×3台を実現
- Intel Core i9‑13900K搭載マザーボード(ASUS ROG Crosshair X670E Hero)でDP 1.4を使用、MST Hubで2K120 Hz×3台を構築
- AMD Ryzen 9 7950X搭載MSI MPG B650 Carbon WiFiでDP 1.4を利用、4K60 Hz×2台を同時出力
- Corsair Vengeance RGB Pro DDR5‑6000を搭載したPCで、MST Hubを介して複数モニタを接続し、作業効率を向上
自作PCでの選び方・注意点
- GPUのDPポートが1.4か2.1かを確認し、必要な帯域幅を見積もる
- モニタの解像度とリフレッシュレートを合計し、MST Hubの最大出力と照合
- 1.4規格で4K60 Hz×2台を超える構成は、USB‑CのMST Hubで実現可能
- 2.1規格では8K60 Hz×2台を同時に走らせる場合、電源供給と熱設計を考慮
- 互換性を確保するため、MST HubはDP 1.4/2.1規格に準拠したものを選択
- ケーブルは高品質なDP 1.4/2.1対応ケーブルを使用し、信号損失を抑える
- BIOS設定でMSTを有効化するオプションがある場合は必ずオンにする
- 2025年にリリース予定の次世代GPUはMST 2.2をサポートする可能性があるため、将来性を考慮
関連用語との違い
- Eyefinity(AMD)やSWR(NVIDIA)はGPU内部で複数画面を合成する技術で、MSTは物理的に1本のポートを分配する
- USB‑C MSTはUSB‑CポートからDP出力を行う方式で、MST Hubを介して複数モニタを接続できる
- HDMI‑eDPは内蔵ディスプレイと外部モニタを接続するための拡張で、MSTとは別の用途
よくある質問
Q1. 1.4規格で4K60 Hz×3台は可能ですか?
A1. 1.4規格は最大32.4 Gbpsで、4K60 Hz×3台は帯域幅が不足します。2.1規格が必要です。
Q2. MST HubはUSB‑Cポートに接続できますか?
A2. はい、USB‑CにMST対応の変換アダプタを使用すれば、USB‑CからDP出力を行いMST Hubへ接続できます。
Q3. 2026年に登場予定のMST 2.2はどのようなメリットがありますか?
A3. 2.2は帯域幅がさらに拡張され、8K120 Hzや4K144 Hzを複数台同時に走らせることが可能になる見込みです。
まとめ
DisplayPort MSTは、1本のポートで複数モニタを同時に走らせることで、作業スペースを拡張しつつ配線を簡素化します。DP 1.4のHBR3(32.4 Gbps)で4K60 Hz×2台、DP 2.1のUHBR 20(80 Gbps)で8K60 Hz×2台を実現できるため、最新のゲーミングPCやクリエイティブワークステーションに最適です。自作PCを構築する際は、GPUの規格、MST Hubの帯域幅、モニタの解像度・リフレッシュレートを総合的に検討し、将来性を見据えた選択を行うことが重要です。