DoH(ディーオーエイチ)
DNS over HTTPS(RFC 8484)・暗号化DNS。Cloudflare 1.1.1.1・Google 8.8.8.8・Quad9 9.9.9.9・NextDNS・Control D・AdGuard DNS対応、Firefox/Chrome/Edge/Safari DoHデフォルト有効、HTTPS 443/tcp経由+ESNI/ECHで検閲回避、2026年はDoQ(DNS over QUIC)併用増加。
概要
DoH(DNS over HTTPS)は、RFC 8484 で定義された暗号化 DNS 方式である。従来の UDP 53 で送受信される DNS クエリを、HTTPS(TCP 443)を介して送信することで、通信内容を暗号化し、第三者による傍受や改ざんを防止する。ESNI(Encrypted Server Name Indication)や ECH(Encrypted Client Hello)を併用することで、TLS ハンドシェイク自体も暗号化し、検閲回避効果を高める。2026 年には DoQ(DNS over QUIC)との併用が増加し、UDP ベースの高速化と暗号化を同時に実現する次世代プロトコルが主流になる見込みである。
主な特徴・仕組み
- 暗号化:TLS 1.3 を利用し、クエリとレスポンスを暗号化。
- ESNI/ECH 対応:サーバ名を暗号化し、通信経路上の検閲を回避。
- HTTPS 443/tcp 経由:ファイアウォールで許可されやすく、企業ネットワークでの利用が容易。
- DoH クライアント:Firefox、Chrome、Edge、Safari ではデフォルトで有効化されている。
- DoQ 併用:UDP 53 の代替として QUIC(UDP 443)を利用し、レイテンシを 0.1 ms 以内に抑える。
スペック/製品比較表
| プロバイダー | ルートサーバ | ESNI/ECH | 速度(平均レイテンシ) | 価格 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| Cloudflare 1.1.1.1 | 1.1.1.1 | 1.0 | 12 ms | 無料 | 低遅延 |
| Google 8.8.8.8 | 8.8.8.8 | 1.0 | 15 ms | 無料 | 大規模 |
| Quad9 9.9.9.9 | 9.9.9.9 | 1.0 | 14 ms | 無料 | セキュリティ重視 |
| NextDNS | 45.90.28.0 | 1.0 | 13 ms | 月額 3 USD | カスタムフィルタ |
| AdGuard DNS | 94.140.14.14 | 1.0 | 16 ms | 無料 | 広告ブロック |
具体例・対応製品
- Cloudflare 1.1.1.1:IPv4/IPv6 双方向で 1.1.1.1 と 1.0.0.1 を提供。
- Google 8.8.8.8:IPv4 8.8.8.8 と 8.8.4.4、IPv6 2001:4860:4860::8888 をサポート。
- Quad9 9.9.9.9:マルウェアフィルタリング付き。
- NextDNS:ユーザー設定で DNS フィルタリングとプライバシー設定を細かく制御。
- Control D:企業向けに専用サーバを構築し、社内ネットワークで DoH を実装。
- AdGuard DNS:広告・トラッカーをブロックしつつ、DoH で暗号化。
自作PCでの選び方・注意点
- ① ルーターが HTTPS 443 を許可しているか確認。
- ② OS の DNS 設定で DoH エンドポイントを指定。
- ③ ESNI/ECH が有効か確認し、必要なら TLS バージョンを 1.3 に設定。
- ④ ルーターのファイアウォールで 443/tcp を開放。
- ⑤ ルーターの DNS キャッシュサイズを 64 KB 以上に設定。
- ⑥ ルーターの MTU を 1472 bytes に調整し、IP パケット分割を防止。
- ⑦ ルーターのログレベルを 2 に設定し、DoH クエリを監視。
- ⑧ ルーターの CPU が 1.0 GHz 以上であることを確認。
- ⑨ ルーターの RAM を 256 MB 以上に確保。
- ⑩ ルーターのファームウェアを最新(2025 年版)にアップデート。
関連用語との違い
- DoQ(DNS over QUIC):UDP 443 を利用し、TLS 1.3 の代わりに QUIC を使用。レイテンシが 0.1 ms 程度に短縮。
- DNS over TLS(DoT):TCP 853 を利用し、暗号化は行うが ESNI/ECH が未対応。
- DNSCrypt:独自プロトコルで暗号化を行うが、HTTPS ではないためブラウザでのデフォルト有効化は不可。
よくある質問
Q1. DoH を有効にするとインターネット速度が落ちるのはなぜですか?
A1. 暗号化と TLS ハンドシェイクにより 1–2 ms のオーバーヘッドが発生するため。
Q2. 企業ネットワークで DoH を導入する際の注意点は?
A2. ルーターで 443/tcp を許可し、社内 DNS キャッシュを有効化。
Q3. DoH と DoQ の選択基準は?
A3. レイテンシ重視なら DoQ、ファイアウォールで 443/tcp が許可されている環境なら DoH。
まとめ
DoH は HTTPS 443 を利用し、DNS クエリを暗号化することでプライバシーとセキュリティを向上させる。ESNI/ECH の併用により検閲回避も可能で、2026 年には DoQ との併用が主流になる。自作PC ではルーターの設定を適切に行い、最新ファームウェアを維持することで、安定した DoH 環境を構築できる。次世代のインターネットにおいて、DoH は欠かせない技術である。