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FP8量子化(8-bit浮動小数点推論)(エフピーエイト リョウシカ)

NVIDIA H100/H200・AMD MI300X等の最新GPU内蔵のFP8(E4M3/E5M2)演算ユニットを活用したLLM推論・訓練高速化技術。INT8推論より精度が高く、FP16より2倍高速な行列乗算が可能。vLLMおよびTensorRT-LLMが2024年にFP8を本格サポートした。

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2026/5/24 更新
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FP8
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TensorRT-LLM
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高スループット推論
NVIDIA Hopper

FP8量子化とは

FP8(8-bit Floating Point)は2022年にNVIDIAがHopper(H100)GPU向けに導入した8ビット浮動小数点データ型です。従来のINT8量子化(整数)と異なり、浮動小数点の指数部・仮数部を持つため、LLMの重みや活性化値の広い値域・正規分布をより正確に表現できます。

2024年、vLLM(v0.4.0)・TensorRT-LLM(v0.9.0)・SGLang(v0.2.0)がFP8をネイティブサポートし、商用LLMサービングにおけるINT8の後継規格として普及が加速しました。

FP8の2つのフォーマット

フォーマット指数ビット仮数ビット最大値用途
E4M34bit3bit448重み・活性化値(精度優先)
E5M25bit2bit57344勾配(値域優先)

LLM推論ではE4M3を主に使用。FP8 E4M3はFP16と比較して:

  • 演算速度: H100 FP8 Tensor Core = 3958 TFLOPS(FP16の2倍)
  • 値域: ±448(FP16の±65504より狭いが実用上問題なし)

H100 GPU性能仕様(FP8推論)

GPUFP16 TFLOPSFP8 TFLOPS比率メモリ帯域
H100 SXM5197939582×3.35 TB/s
H100 PCIe151330262×2.0 TB/s
H200 SXM197939582×4.8 TB/s
RTX 409082.6165.22×1.0 TB/s

LLM推論速度比較(H100 SXM5, Llama-3.1-70B)

量子化バッチサイズ1バッチサイズ32VRAM使用量
BF1655 tok/s810 tok/s140GB(2枚必要)
INT872 tok/s1,120 tok/s72GB(1枚可)
FP885 tok/s1,490 tok/s72GB(1枚可)
GPTQ-Int468 tok/s920 tok/s38GB
AWQ-Int478 tok/s1,050 tok/s37GB

主要フレームワークのFP8サポート状況

フレームワークFP8対応バージョン特徴
vLLMv0.4.0(2024.04)FP8 KVキャッシュ量子化も対応
TensorRT-LLMv0.9.0(2024.03)NVIDIA公式。FP8 Smooth Quant実装
SGLangv0.2.0(2024.06)RadixAttentionとFP8の組合せ
Hugging Face TGIv2.1.0(2024.07)MARLIN FP8 kernelを採用

RTX 4090でのFP8活用

RTX 4090(Ada Lovelace)もFP8 Tensor Coreを搭載しており、vLLMでFP8量子化を有効化すると:

  • Llama-3.1-8B FP8: FP16比 +65% スループット向上
  • Mistral-7B-v0.3 FP8: FP16比 +60%
  • Qwen2.5-14B FP8: FP16比 +45%
from vllm import LLM
llm = LLM(
    model="meta-llama/Llama-3.1-70B-Instruct",
    quantization="fp8",
    dtype="bfloat16",
    max_model_len=32768,
)

FP8訓練(事前学習・ファインチューニング)

NVIDIA Transformer Engine(TE)はH100のFP8 Tensor Coreを使った訓練を2022年に実装。GPT-3規模のモデル事前学習をFP8で行いBF16比1.5〜2倍の訓練速度を達成。2024年時点では主要LLMベンダー(Meta、Mistral AI、Cohere等)がH100クラスタでFP8訓練を本番採用しています。

よくある質問(FAQ)

Q1: FP8はINT8量子化と何が違う? A: INT8は整数(-128〜127)、FP8は浮動小数点(指数+仮数)。FP8はLLMの重みの非均一分布をより精確に表現でき、INT8より量子化誤差が小さい。H100では両方の専用Tensor Coreを搭載するが、2024年時点でFP8が標準になりつつある。

Q2: H100がなければFP8は使えない? A: RTX 4090(Ada Lovelace)もFP8 Tensor Coreを搭載しており、vLLM 0.4.0以降で利用可能。ただし性能向上率はH100より低い場合がある。A100はFP8非対応。

Q3: FP8量子化モデルはHugging Faceからダウンロードできる? A: 2024〜2025年にかけてFP8量子化済みモデルの配布が増加。neuralmagic・nm-testing等のユーザーがvLLM向けFP8モデルを多数公開している。

まとめ

  • FP8はH100/RTX 4090のFP8 Tensor Coreを活用したINT8後継の量子化手法
  • E4M3(重み/活性化用)とE5M2(勾配用)の2フォーマット。推論はE4M3主体
  • H100でFP16比2倍のTFLOPS、vLLMで1.4〜1.7倍スループット向上
  • vLLM・TensorRT-LLM・SGLangが2024年に本格対応し商用サービングの主流へ
この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/5/24