1000BASE-T / Gigabit Ethernet (1999年策定)(ギガビットイーサネット)
1000BASE-Tは1999年IEEE 802.3abで標準化されたUTP Cat5e以上4対全使用で1Gbps全二重通信を実現するGigabit Ethernet銅線版規格でPAM-5符号化+ハイブリッド回路 (echo cancel) 採用しUTP上で初めてGbps域を達成した。
1000BASE-T / Gigabit Ethernet (1999年策定)
概要
1000BASE-Tは1999年6月IEEE 802.3abとして標準化された1Gbps全二重対応Gigabit Ethernet銅線物理層規格でUTP Cat5e以上の4対全てを送受信兼用で使用しPAM-5 (5値振幅変調) 符号化とハイブリッド回路によるエコー/NEXT (近端漏話) キャンセルでUTP上Gbps通信を実現した。100m長と RJ-45互換性維持で2003-2015年のオフィスLAN・コンシューマブロードバンドを支配し2026年現在も主流規格として継続している。
主な特徴・仕組み
- 策定: IEEE 802.3ab (1999年6月) ・先行する1000BASE-LX/SX (1998 IEEE 802.3z光ファイバ)
- 速度: 1Gbps 全二重 (2Gbps実効)
- 媒体: UTP Cat5e以上 (Cat6/Cat6A上位互換)
- 距離: 100m (再生中継不要)
- コネクタ: RJ-45 8P8C (4対8ピン全使用)
- 符号化: PAM-5 (5値±2/±1/0振幅) ・125Mシンボル/秒
- デュアル方向: 各対送受信同時 (ハイブリッド分離・DSPエコーキャンセル)
- オートネゴ: 10/100/1000三段 (IEEE 802.3ab Clause 40)
- MAC: 同一フォーマット (1518B標準・9000B Jumbo Frame対応)
規格比較表
| 規格 | 年 | 速度 | 媒体 | 対数 | 符号化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 100BASE-TX | 1995 | 100Mbps | Cat5 | 2対 | 4B5B+MLT-3 |
| 1000BASE-SX | 1998 | 1Gbps | MMF | 1芯 | 8B/10B |
| 1000BASE-LX | 1998 | 1Gbps | SMF/MMF | 1芯 | 8B/10B |
| 1000BASE-T | 1999 | 1Gbps | Cat5e UTP | 4対 | PAM-5 |
| 2.5GBASE-T | 2016 | 2.5Gbps | Cat5e | 4対 | PAM-16 |
実装具体例
- Intel PRO/1000: 2000年以降サーバ/自作PCで圧倒的シェア・¥3,000-10,000
- Realtek RTL8169/RTL8111: マザーボードオンボードNIC定番
- Cisco Catalyst 3560G: 24ポート1GbEスイッチ・¥150,000帯
- NETGEAR GS108: 家庭向け8ポートGigabitハブ ¥4,000-6,000
自作PCでの選び方・注意点
2026年現在ほぼ全マザーボードに1GbE標準搭載 (Intel I219-V/Realtek RTL8125等)。CAT5eケーブルでも問題ないがCAT6/6A使用で外来ノイズ耐性向上し業務用環境で推奨。アンマネージドGigabitスイッチは8ポート¥3,000-5,000で導入容易。Jumbo Frame (9000バイト) 対応NIC/スイッチ組合せでNAS/ストレージ転送スループット20-30%向上ケースあり。
関連規格との違い
| 項目 | 100BASE-TX | 1000BASE-T | 2.5GBASE-T |
|---|---|---|---|
| 速度 | 100Mbps | 1Gbps | 2.5Gbps |
| 媒体 | Cat5 | Cat5e | Cat5e |
| 対数使用 | 2対 | 4対 | 4対 |
| 符号化 | 4B5B+MLT-3 | PAM-5 | PAM-16 |
| 帯域 | 31.25MHz | 125MHz | 100MHz |
よくある質問 (FAQ)
Q1: 1000BASE-TはCat5でも動くか? A: 規格外。Cat5e (1999制定) 以上必須。Cat5短距離環境で動作することもあるがNEXTマージン不足でビット誤り率高くリンクダウン頻発リスク。
Q2: なぜPAM-5でCat5e 125MHzで1Gbps出るのか? A: 各対250Mbps×4対=1Gbps。PAM-5で1シンボルあたり2bit (log2(5)≒2.32・うち1.32は誤り訂正/同期) 送れる×125Mシンボル/秒×4対=1Gbps。
Q3: 1GbEと2.5GbEで体感差は? A: NAS/ストレージ転送やWi-Fi 6/6E (理論1.2Gbps以上) ルーター連携で差。一般インターネット (1Gbps契約上限) は同等。
まとめ
- 1999年IEEE 802.3ab策定・初のUTP Gigabit Ethernet
- Cat5e以上 4対全使用 100m・PAM-5符号化
- ハイブリッド回路でエコー/NEXTキャンセル
- 2003-2015年LAN主流・2026年も自作PC定番