グリー株式会社が 2004 年開始した日本 SNS + モバイルゲームプラットフォーム。釣りスタ / 探検ドリランド等のソーシャルゲームで 2008-2012 年に大ヒット、ピーク売上 1,500 億円超、2010 年代後半急速縮小。
GREE(グリー)は、グリー株式会社(GREE, Inc.)が 2004 年 12 月に公開した日本初期の SNS + 後年モバイルゲームプラットフォームです。創業者 田中良和(現代表取締役会長、当時 23 歳)が「Friendster や Orkut のようなインターネット上の友達ネットワークが日本にも必要」というビジョンで 2004 年に立ち上げ、mixi(2004 年 2 月)・Facebook(2004 年 2 月)などの SNS ブームと並行して展開しました。
「GREE」の名称は「6 次の隔たり(Six Degrees of Separation)」という社会学概念から派生したもので、SNS が世界の誰とでも繋がれる「6 段階の人脈ネットワーク」を表現していました。当初は mixi 同様の招待制 SNS としてスタートし、2004-2007 年は SNS 専業として運営しましたが、mixi の急速な拡大に追いつけず、2007 年から戦略を大きく転換しました。
戦略転換のキーは、2007 年のモバイル(ガラケー、当時主流のフィーチャーフォン)+ ソーシャルゲーム(SAP、Social Application Platform)プラットフォームへのフォーカスです。当時、日本のモバイルゲーム市場は爆発的に成長していました(NTT ドコモ i モード時代)。GREE は、(1)自社開発のソーシャルゲーム(釣りスタ、2007)・(2)他社開発のゲームを GREE プラットフォームで配信(SAP、2009)・(3)プラットフォーム手数料(課金額の 30%)で収益化、というビジネスモデルを確立しました。
ヒット作の連続で 2008-2012 年に急速成長しました。釣りスタ(2007、累計 5,000 万 DL)・モバゲーへの対応(2008)・探検ドリランド(2010)・聖戦ケルベロス(2010)・農園ホッコリーナ(2011)・テラバトル(2011、Final Fantasy 坂口博信参加)等のソーシャルゲームが次々ヒット、特に「コンプガチャ」(複数アイテムを揃えるとコンプリート報酬がもらえるシステム)が高収益化を支えました。2008 年 12 月東証マザーズ上場、2010 年東証一部移行で日本のモバイルゲーム業界の中核企業として君臨しました。
ピーク時(2012 年度、2012 年 6 月期)には売上 1,580 億円 + 営業利益 580 億円 + 純利益 320 億円 + 時価総額 5,000 億円超を達成、田中良和社長が日本最年少上場 IT 起業家として注目されました。GREE は当時の DeNA(モバゲー、2,500 億円売上)・サイバーエージェント(アメーバ)等と並ぶ日本モバイルゲーム業界の主要プレーヤーでした。
しかし、2012 年 5 月の消費者庁「コンプガチャ問題」(景品表示法違反のおそれ)で業界全体が規制 + 自主規制を強化、GREE / DeNA / モバゲー等のソーシャルゲーム業界に大打撃を与えました。さらに、2012-2014 年のスマートフォン時代到来 + LINE / FB 系のメッセージング SNS の台頭で、ガラケーベースの GREE プラットフォームの急速衰退が始まりました。
GREE は対策として、(1)スマートフォンアプリ対応強化・(2)Web 自社ゲーム + Pokelabo / Wright Flyer Studios 等の子会社強化・(3)海外展開(2011 年 OpenFeint 買収 + 2012 年米国 + 韓国進出)・(4)ブロックチェーンゲーム + メタバース事業(2018-)、などを進めました。しかし、2010 年代後半以降は急速縮小、2024 年度の売上は約 300 億円(ピーク時の 1/5)+ 中堅モバイルゲーム企業として再生しています。
現在は、(1)モバイルゲーム(ストリートファイター: バトルコンビネーション 2024、神撃のバハムート維持等)・(2)メタバース事業(REALITY、2018 年公開のアバターライブ配信アプリ、世界 1,000 万ユーザー)・(3)広告 + マーケティング事業・(4)海外展開、などで継続中です。
| 企業 | 主要サービス | 設立 | ピーク売上 |
|---|---|---|---|
| GREE | SAP プラットフォーム + 釣りスタ | 2004 | 1,580 億(2012) |
| DeNA(モバゲー) | モバゲープラットフォーム + 怪盗ロワイヤル | 1999 | 2,070 億(2013) |
| Cygames(サイバーエージェント) | グランブルーファンタジー |
| 2011 |
| 1,500 億(2018) |
| MIXI | モンスターストライク | 1997(SNS 2004) | 2,000 億(2016) |
| ガンホー | パズドラ | 1998 | 1,650 億(2014) |
| LINE | LINE スタンプ + LINE ゲーム | 2011 | 5 兆超(LINE 全体) |
GREE はガラケー時代のソーシャルゲームプラットフォームの代表的事例として、コンピュータゲーム業界研究 + IT 業界 SNS / モバイルゲーム研究の重要な対象です。ピーク時の 2012 年度の売上 1,580 億 + 営業利益 580 億は、日本 IT スタートアップの成功例として現代も語り継がれています。
レトロソーシャルゲーム文化体験では、GREE の旧アプリ(釣りスタ等)が一部 Internet Archive アーカイブで残っていますが、サービス終了で実プレイは不可です。代わりに、現代の REALITY(メタバース、2018 公開)で GREE の現代版サービスを体験可能です。
Q1: なぜ GREE はピーク後急速縮小したのですか? A: 主因は 3 つ。(1)2012 年コンプガチャ問題による業界規制で高収益モデル崩壊、(2)スマートフォン時代到来 + ガラケー SAP プラットフォーム時代終了、(3)LINE / Facebook 系メッセージング SNS の台頭でユーザー獲得競争が激化。2014-2018 年に大幅な事業構造改革を強いられました。
Q2: 釣りスタはどのようなゲームでしたか? A: 2007 年公開のソーシャル釣りシミュレーションゲームで、釣り竿 + 餌 + ポイント等のアイテム収集 + 釣り上げる魚の希少度競争 + フレンド対戦が主要要素でした。ガラケー + Web ベースのシンプルな UI ながら、累計 5,000 万 DL の大ヒットで GREE 急成長の原動力となりました。
Q3: GREE の現在の事業は? A: 2024 年現在のグリー株式会社は、(1)モバイルゲーム(神撃のバハムート、ストリートファイター: バトルコンビネーション等の維持運営)・(2)REALITY(メタバースアバターライブ配信、世界 1,000 万ユーザー)・(3)広告 + マーケティング・(4)海外展開などで継続中です。ピーク時から大幅縮小しましたが、中堅 IT 企業として安定事業を維持しています。