キーボードのスイッチ上に装着する指が直接触れるカバー部品。素材・形状・印字方式によって打鍵感や耐久性が大きく変わり、メカニカルキーボードのカスタマイズで最も手軽に個性を出せるパーツである。
キーキャップはキーボードの各スイッチの上に取り付ける小さなカバー部品で、ユーザーの指が直接触れるインターフェースである。素材や形状(プロファイル)、印字方式の違いが打鍵フィーリングや耐久性を左右するため、メカニカルキーボード愛好家にとっては最もアクセスしやすいカスタマイズ要素となっている。
キーキャップの素材は大きく ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン) と PBT(ポリブチレンテレフタレート) の2種類に分けられる。
| 特性 | ABS | PBT |
|---|---|---|
| 表面質感 | 滑らかで光沢が出やすい | ザラつきがあり、マットな質感 |
| 耐久性 | 長期使用でテカリ(shine)が発生 | テカリにくく長寿命 |
| 音 | やや高めのトーン | 落ち着いた低めのトーン |
| コスト | 安価で大量生産向き | やや高価だが品質が安定 |
| 耐熱性 | 約105°C | 約225°C |
ABS は安価で色の再現性が高いため多くの量産キーボードに採用されるが、皮脂で表面がテカりやすい欠点がある。PBT はテカリへの耐性が強く打鍵音も好まれるが、複雑な色表現にはやや不利である。
キーキャップの文字印字にはいくつかの方式がある。
キーキャップとスイッチの接続部分をステム(stem)と呼ぶ。現在のメカニカルキーボード市場では Cherry MX 互換の十字ステム(+型) が事実上の標準規格となっており、Cherry・Gateron・Kailh・Akko・Outemu など主要メーカーのスイッチと互換性がある。
一方、Topre(静電容量無接点方式)やロープロファイルスイッチ(Kailh Choc・Cherry MX Low Profile)は独自のステム形状を採用しており、通常のキーキャップとの互換性はない。
キーキャップのサイズは「U(ユニット)」で表される。標準的な英字キーは 1U、スペースバーは 6.25U が一般的である。
| キー | 一般的なサイズ |
|---|---|
| 英字・数字 | 1U |
| Tab | 1.5U |
| Caps Lock | 1.75U |
| 左Shift | 2.25U |
| Enter(ANSI) | 2.25U |
| スペースバー | 6.25U |
| 右Shift(65%) | 1.75U |
レイアウトが異なるキーボード(ISO配列・JIS配列・65%・75%など)では特殊サイズのキーキャップが必要になる場合があるため、購入時にはキットの対応レイアウトを確認することが重要である。
A1: キーキャッププラー(引き抜き工具)があると安全に取り外せる。ワイヤー式のプラーが傷つけにくくおすすめ。多くのメカニカルキーボードにはプラーが付属している。
A2: 耐久性と打鍵感を重視するなら PBT、鮮やかなカラーやダブルショット印字を優先するなら ABS が良い。最近は PBT ダブルショットも増えており両方の利点を兼ね備えた製品もある。
A3: 大きく影響する。Cherry プロファイルは低めで安定感があり、SA プロファイルは高くてレトロな打鍵感になる。好みは個人差が大きいため、複数試すことを推奨する。