LangChain社が開発したステートフルなグラフベースのLLMワークフローフレームワーク。条件分岐・ループ・ヒューマンインザループを含む複雑なエージェントワークフローをDAG(有向グラフ)で定義・実行する。
LangGraphとは、LangChain Inc.が開発したステートフルなグラフベースのワークフローフレームワークである。LLMエージェントの処理フローをノード(処理単位)とエッジ(遷移条件)からなる有向グラフとして定義し、条件分岐・ループ・並列実行・ヒューマンインザループを含む複雑なワークフローを構築できる。2024年1月の初版リリース以降急速に採用が進み、2026年6月時点でGitHub Stars 12,000超。
LangGraphはLangChainのエコシステム内に位置するが、LangChain本体とは独立して利用可能である。
| 項目 | LangChain | LangGraph |
|---|---|---|
| 処理モデル | 線形チェーン | 有向グラフ |
| 状態管理 | 限定的 | ファーストクラス |
| 条件分岐 | RunnableBranch | ネイティブエッジ |
| ループ | 非対応 | ネイティブ |
| チェックポイント | なし | 内蔵 |
| ヒューマンインザループ | 手動実装 | interrupt_before/interrupt_after |
| 適用範囲 | 単純なRAG・Q&A | 複雑なエージェント |
LangChain公式も2025年以降、エージェント構築にはLangGraphを推奨している。
LangGraphの中心的な概念。TypedDict型で状態(State)を定義し、各ノードが状態を読み書きしながらグラフを遷移する。
グラフ内の処理単位。Python関数またはRunnableオブジェクト。入力として現在のStateを受け取り、更新されたStateを返す。
ノード間の遷移を定義。3種類が存在する。
各ノード実行後にStateをシリアライズ保存する機能。SQLite・PostgreSQL・Redisをバックエンドとして利用可能。中断したワークフローを任意の時点から再開でき、数時間〜数日にわたる長期タスクに対応する。
最も基本的なパターン。LLMノードとツール実行ノードの2ノード構成で、LLMが「ツール呼び出しが必要」と判断すればツールノードへ遷移し、不要なら終了する。
スーパーバイザーノードがタスクを分析し、適切な専門エージェントノードにルーティングする。各専門エージェントの結果をスーパーバイザーが統合して最終回答を生成する。
計画ノードがタスクを複数のサブタスクに分解し、実行ノードが順次処理する。各サブタスク完了後に再計画ノードで進捗を評価し、必要に応じて計画を修正するループを形成する。
LangGraph Platform は LangGraph ワークフローを本番環境にデプロイするためのマネージドサービスである。
| 機能 | 説明 | 料金(2026年) |
|---|---|---|
| LangGraph Server | ワークフローをREST APIとしてデプロイ | $0.02/invocation |
| LangGraph Studio | ビジュアルデバッガ | 無料(LangSmith契約者) |
| Cron Jobs | 定期実行 | $0.01/execution |
| Human-in-the-Loop | ブラウザ承認UI | 追加料金なし |
fan_out/fan_inパターンで複数ノードを並列実行。IO待ちの多いAPI呼び出しで3〜10倍の高速化stream_mode="values"でState更新をリアルタイムにクライアントへ配信。UXの改善に直結Q1: LangGraphはLangChainなしで使えますか?
A: 使える。LangGraph自体は独立パッケージ(langgraph)であり、LangChainへの依存は任意。ただし、LangChainのChat Models・Tools・Retrieversを組み合わせると開発効率が上がるため、実際にはセットで使われることが多い。
Q2: LangGraphのチェックポイント機能はどの程度のデータ量に耐えますか? A: PostgreSQLバックエンドなら数百万チェックポイントまでスケールする。1チェックポイントあたりの平均サイズは10〜100KB(State内のデータ量依存)。TTL設定で古いチェックポイントを自動削除可能。
Q3: LangGraphとApache Airflowの違いは何ですか? A: AirflowはETL/データパイプライン向けのタスクオーケストレーターで、各タスクは事前定義された処理。LangGraphはLLM推論結果に基づく動的な条件分岐・ループに特化しており、実行時にグラフの遷移先が変わる。両者は補完関係にあり、Airflow DAGの1タスクとしてLangGraphワークフローを呼び出す構成も一般的。