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LiveBench(ライブベンチ)
汚染フリーを設計原則とするLLMベンチマーク。毎月新しい問題を自動生成・差し替えすることで、学習データへのリーク(データ汚染)を構造的に排除。数学・コーディング・推論・データ分析・言語理解・指示追従の6カテゴリで客観的に自動スコアリングする。
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2026/6/20 更新
関連タグ
LLMベンチマーク
データ汚染
LiveBench
自動評価
月次更新
汚染フリー
LiveBenchとは
LiveBenchは、Abacus.AI・ウィスコンシン大学マディソン校・カーネギーメロン大学の共同チームが2024年6月に公開したLLMベンチマークである。最大の特徴は「データ汚染(Data Contamination)フリー」を設計原則とし、毎月新しい問題を自動生成・差し替えすることで、LLMが事前学習データから正答を暗記してしまう問題を構造的に排除する。
データ汚染問題とLiveBenchの解決策
従来ベンチマークの問題
MMLU・HumanEval・GSM8K等の静的ベンチマークは、公開後にLLMの学習データに取り込まれる。結果として:
- モデルが問題と正答のペアを「暗記」してスコアが膨張
- 真の推論能力ではなく記憶力を測定してしまう
- 新モデルほど高スコアだが、実タスク性能との乖離が拡大
LiveBenchの解決アプローチ
| 対策 | 実装方法 |
|---|---|
| 月次問題更新 | 毎月新問題を自動生成し、古い問題を退役。学習データに含まれる前に評価が完了 |
| 問題ソースの多様化 | 最新のarXiv論文・数学コンテスト・コーディングコンテスト・ニュース記事から出題 |
| 客観的自動スコアリング | LLM-as-Judgeではなく、完全一致・数値比較・コード実行等の客観基準で採点 |
| 透明性 | 全問題・正答・採点基準・過去問をGitHubで完全公開 |
6カテゴリの構成
| カテゴリ | 問題タイプ | 問題ソース | 採点方法 |
|---|---|---|---|
| Math | 数学問題 | AMC/AIME/IMO最新大会問題 | 数値完全一致 |
| Coding | プログラミング | Codeforces/LeetCode最新問題 | テストケース通過率 |
| Reasoning | 論理推論 | 新規生成パズル(Zebra Logic等) | 正答完全一致 |
| Data Analysis | データ分析 | 最新公開データセットから出題 | 統計値一致 |
| Language | 言語理解 | 最新ニュース・論文の要約・質問 | キーワード一致+ROUGE |
| Instruction Following | 指示追従 | 複合制約指示(IFEval派生) | 制約充足率 |
主要モデルのスコア比較
| モデル | 総合 | Math | Coding | Reasoning | Data Analysis |
|---|---|---|---|---|---|
| GPT-4o | 64.7 | 62.3 | 71.2 | 58.4 | 67.1 |
| Claude 3.5 Sonnet | 68.2 | 59.8 | 78.5 | 61.3 | 73.0 |
| Gemini 1.5 Pro | 59.4 | 55.1 | 64.8 | 55.7 | 62.0 |
| Llama 3.1 405B | 54.8 | 51.2 | 58.3 | 52.4 | 57.1 |
| Mistral Large 2 | 49.3 | 45.6 | 52.1 | 47.8 | 51.7 |
月次更新サイクル
- 月初(1-5日): 新問題の自動生成。arXiv最新論文・数学コンテスト結果・Codeforces新問題等を収集
- 問題品質フィルタリング: 自動+手動で問題の難易度・明瞭性・一意解の存在を検証
- 旧問題の退役: 3ヶ月以上経過した問題を退役リストに移動(過去スコアは保存)
- リーダーボード更新: 新問題でのスコアを公式サイトに反映
利用方法
LiveBenchはオープンソースで全コードが公開されている。
- 公式サイト: livebench.ai(リーダーボード閲覧)
- GitHub:
livebench/LiveBench(問題データ・評価スクリプト) - 評価コスト: 1モデルあたり約$20〜50(API呼び出し費用)
- 実行時間: GPT-4oクラスで約2〜4時間
従来ベンチマークとの比較
| 特性 | MMLU-Pro | Arena-Hard | LiveBench |
|---|---|---|---|
| 汚染対策 | なし(静的) | 低い(固定500問) | 月次更新で構造的排除 |
| 評価方式 | 選択式 | LLM-as-Judge | 客観的自動スコア |
| 更新頻度 | なし | なし | 毎月 |
| カバー範囲 | 学術知識 | 対話能力 | 6カテゴリ横断 |
| コスト | $50〜80 | $12〜25 | $20〜50 |
よくある質問(FAQ)
Q1: 月次更新で過去スコアとの比較はできる?
A: 同一月の問題セット内での比較は正確。異なる月の問題セットは難易度が変動するため、直接比較には注意が必要。公式リーダーボードは問題セットごとにスコアを管理している。
Q2: 自社の非公開モデルでも評価できる?
A: できる。GitHub上の評価スクリプトをローカルで実行し、モデルのAPI/ローカル推論で回答を生成すればよい。結果を公式リーダーボードに掲載したい場合は別途申請が必要。
Q3: LLM-as-Judgeを使わないのはなぜ?
A: LLM-as-Judge方式(Arena-Hard-Auto等)はジャッジモデル自身のバイアスが結果に影響する。LiveBenchは数値一致・コード実行・キーワード一致等の客観基準のみで採点し、ジャッジバイアスを完全に排除する設計を採用している。