次世代の低電力モバイルメモリ規格。最大17.6Gbpsの転送速度と24チャネル設計により、スマートフォンやノートPCで1TB/sを超える帯域幅を実現。
LPDDR6(Low Power Double Data Rate 6)は、JEDECが2024年に策定を進めている次世代モバイルメモリ規格です。AIワークロードの増大とモバイルデバイスの高性能化に対応し、革新的なアーキテクチャで超高速・低消費電力を実現します。
データレート進化:
LPDDR4: 4.266 Gbps
LPDDR5: 6.4 Gbps
LPDDR5X: 8.533 Gbps
LPDDR6: 17.6 Gbps(目標)
帯域幅(x64実装):
LPDDR5X: 68.3 GB/s
LPDDR6: 140.8 GB/s(2倍以上)
従来方式:
CPU ←→ メモリ(固定チャネル)
LPDDR6 MUXTB:
CPU ←→ [動的スイッチ] ←→ メモリ
↓
最適なチャネル選択
パッケージ断面:
┌─────────────┐ ← DRAM Die 4
├─────────────┤ ← DRAM Die 3
├─────────────┤ ← DRAM Die 2
├─────────────┤ ← DRAM Die 1
├─────────────┤ ← Logic Die
└─────────────┘ ← Package基板
TSV接続
電力状態:
Active: フル性能(1.1V)
↓
Light Sleep: 即復帰(0.8V)
↓
Deep Sleep: 低電力(0.6V)
↓
Hibernate: 最小電力(0.5V)
従来: メモリ → CPU → 処理 → メモリ
PIM: メモリ内で直接処理(移動なし)
効果:
- 帯域節約
- 低レイテンシ
- 省電力
メモリ空間分割:
┌──────────────┐
│ Secure Zone │ ← 暗号化
├──────────────┤
│ Normal Zone │ ← 通常
├──────────────┤
│ Shared Zone │ ← 制御付き共有
└──────────────┘
活用例:
- ローカルLLM: 70Bモデル動作
- 画像生成: リアルタイム
- 動画編集: 8K対応
- 開発環境: 大規模プロジェクト
メモリ帯域ベンチマーク:
LPDDR5X: 100(基準)
LPDDR6: 180-220
AI推論(INT8):
LPDDR5X: 100 TOPS
LPDDR6: 250 TOPS
消費電力(同一性能):
LPDDR5X: 100%
LPDDR6: 45-60%
| タスク | LPDDR5X | LPDDR6 | 改善率 | |--------|---------|--------|--------| | AI推論 | 30ms | 12ms | 2.5倍 | | 8K動画 | 制限あり | 滑らか | - | | ゲーム | 60fps | 120fps | 2倍 |
高速信号:
- 問題: 信号品質劣化
- 対策: 高度なイコライザー
発熱:
- 問題: 3D積層の熱密度
- 対策: 新冷却技術
コスト:
- 問題: 複雑な製造
- 対策: 量産効果待ち
可能になること:
- デスクトップ級性能
- 終日AIアシスタント
- プロ向けアプリ
- 新しいユースケース
LPDDR6は、モバイルメモリの概念を根本から変える革新的な技術です。17.6Gbpsという驚異的な速度、24チャネルアーキテクチャ、PIM技術により、スマートフォンやノートPCでこれまで不可能だった処理が可能になります。2026年以降の本格普及により、モバイルコンピューティングの新時代が到来することが期待されています。