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Mamba(マンバ)

2023 年に発表された状態空間モデル(SSM)ベースの LLM アーキテクチャ。Transformer の二次計算量(O(n²))問題を線形計算量(O(n))で解決し、長いコンテキストでの高速推論と低メモリ使用を実現する。

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2026/5/24 更新
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アーキテクチャ
状態空間モデル
効率的推論
長文処理

Mamba とは

Mamba は、2023 年 12 月に Albert Gu(Carnegie Mellon University)と Tri Dao(Princeton University)が発表した論文「Mamba: Linear-Time Sequence Modeling with Selective State Spaces」で提案された新しい言語モデルアーキテクチャです。

現代の LLM の大半は Transformer アーキテクチャを採用していますが、Self-Attention メカニズムに二次計算量 O(n²)という根本的な問題があります。コンテキスト長が 2 倍になると計算量は 4 倍(n² スケール)になり、128K のコンテキスト長では A100 80GB でもメモリが限界に近づきます。Mamba はこの問題を選択的状態空間モデル(Selective SSM)で解決します。

主な特徴・仕組み

  • 線形計算量 O(n): コンテキスト長が 2 倍になっても計算量は 2 倍(4 倍ではない)
  • 選択的ゲーティング: 各トークンが「状態に記憶するか忘れるか」を動的に選択
  • 定サイズ状態: 固定サイズの隠れ状態(hidden state)で長文を処理
  • 並列スキャン: CUDA カーネルで並列実行可能
  • 推論時メモリ: KV キャッシュ不要(定数メモリで推論)

Transformer vs Mamba 比較

項目TransformerMamba
計算量O(n²)O(n)
推論時メモリO(n)(KV キャッシュ)O(1)(定状態)
長文推論速度(100K+ トークン)遅い5× 高速
理解精度(短文)高同等〜高
主要な採用例GPT-4, Claude, LlamaJamba, FalconMamba, Zamba

Mamba のモデル系統(2025 年現在)

モデル規模特徴発表
Mamba130M〜2.8Bオリジナル SSM2023.12
Mamba-2〜8BSSD(State Space Dual)理論で改良2024.05
Jamba52B(MoE)Mamba + Transformer ハイブリッド2024.03
FalconMamba7B純粋 Mamba、Falcon チームが開発2024.08
Zamba-22.7B〜7B軽量ハイブリッド2024.10

インストールと使い方

from transformers import MambaForCausalLM, AutoTokenizer

model = MambaForCausalLM.from_pretrained(
    "state-spaces/mamba-2.8b-hf",
    torch_dtype=torch.float16, device_map="cuda",
)
tokenizer = AutoTokenizer.from_pretrained("EleutherAI/gpt-neox-20b")
inputs = tokenizer("Mambaは", return_tensors="pt").to("cuda")
output = model.generate(**inputs, max_new_tokens=100)
print(tokenizer.decode(output[0]))

よくある質問(FAQ)

Q1: Mamba は Transformer を置き換えますか? A: 長文処理(50K〜1M トークン)や低リソース推論では有望な代替ですが、GPT-4 や Claude 4 規模での実績はまだ限られます。Jamba のようにハイブリッド化する方向が現実的です。

Q2: Mamba で PEFT(LoRA等)を使えますか? A: はい。Hugging Face の PEFT ライブラリが Mamba の LoRA 対応を 2024 年に追加しています。

Q3: GPU なしで Mamba を動かせますか? A: 小型(Mamba 130M)なら CPU でも動作しますが、mamba-ssm パッケージは CUDA カーネルのコンパイルを要求します。llama.cpp の Mamba 対応版なら CPU でも実行可能です。

まとめ

  • O(n) の線形計算量で Transformer の O(n²) 問題を解決する次世代 LLM アーキテクチャ
  • 100K+ トークンの長文処理で Transformer 比 5 倍以上の推論速度を実現
  • Jamba・FalconMamba・Zamba など複数の商用モデルが 2024 年に登場
  • Transformer との完全代替ではなくハイブリッド化が現実的なトレンド
この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/5/20