AI・機械学習
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Med-PaLM 2(メドパームツー)

Google DeepMindが開発した医療特化型LLM。PaLM 2をベースに医療データで調整し、USMLEで専門医レベルの86.5%を達成した医療QAの最高精度モデルの一つ。

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2026/6/6 更新
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Med-PaLM 2 とは

Med-PaLM 2はGoogle DeepMindが開発した医療特化大規模言語モデル。2023年5月のGoogle I/OでPaLM 2と同時に発表され、一部の病院・研究機関へのアーリーアクセスが開始された。

前身:Med-PaLM(第1世代)

2022年12月に発表されたMed-PaLMはPaLM(第1世代)をベースに医療特化。USMLEで初めて合格ライン(67.6%)を超えた医療AIとして歴史的意義を持つ。Med-PaLM 2はその後継として精度を大幅に向上させた。

主要性能指標

ベンチマークMed-PaLM 2Med-PaLM一般医師
MedQA (USMLE)86.5%67.6%約87%
MedMCQA(インド医師試験)79.1%72.3%—
PubMedQA81.8%79.0%78%
MedicationQA82.0%74.5%—

特筆すべきはPubMedQA(医学論文の情報に基づく回答)で一般医師の正答率78%を超えた点。

アーキテクチャと学習手法

ベースモデル: PaLM 2(Unicorn)

Googleの第2世代大規模言語モデル。GPT-4と競合するマルチリンガル・多段階推論能力を持つ。

Instruction Tuning(医療特化)

医療専門家(医師・看護師・薬剤師)が作成した高品質な医療QAペアでSFT。EBM(Evidence-Based Medicine)の原則に基づくデータセットを使用。

Chain-of-Thought(CoT)推論

医療診断は単純な知識検索ではなく多段階推論が必要(症状→鑑別診断→検査→確定診断)。CoTプロンプトで推論過程を明示することで精度が大幅向上。

RLHF(医師フィードバック)

医師による回答の品質評価(正確性・安全性・理解しやすさ)を用いたRLHF。単なる正誤だけでなく「根拠の提示」「不確実性の表明」「参照文献の引用」を評価基準に含める。

Multimodal Med-PaLM(次世代)

2023年後半に発表されたマルチモーダル版では医療画像との組み合わせが可能:

  • 放射線画像(X線/CT/MRI): 異常所見の検出・レポート生成
  • 病理組織像: がん組織のグレーディング支援
  • 眼底画像: 糖尿病性網膜症の早期検出
  • 皮膚科画像: 皮膚病変の分類

これらは2025年現在も研究段階であり、臨床承認はされていない。

実際の病院での試験運用

Mayo Clinic(米国)・Apollo Hospitals(インド)などがアーリーアクセスで試験運用:

  • 看護師のQ&A支援: 患者からの質問への初回応答補助
  • 医師の文献調査: 最新のEBMガイドラインを即座に参照
  • 退院サマリー生成: カルテから退院時説明書のドラフト自動生成

よくある質問(FAQ)

Q1: 日本語の医療質問に使えるか? A: 対応はしているが、英語比で精度が約10〜15%低下する傾向。日本語の医学論文・診療ガイドラインの学習が薄いことが原因。

Q2: APIへのアクセス方法は? A: Google Cloud Healthcare APIのwaitlistに登録後、承認された医療機関・研究機関のみがアクセス可能。一般開発者へのアクセスは現時点で非公開。

Q3: GPT-4の医療版と何が違うか? A: GPT-4はOpenAIのChatGPTとして医療用途にも使われているが、医療専用の学習は行っていない。Med-PaLM 2は医療データ・医師フィードバックで専用チューニングされた点が異なる。

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カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/6