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Motorola 68000(モトローラロクハチセン)

Motorola 1979年発売の16/32bitプロセッサ。Mac/Amiga/Atari ST/Sega Genesis採用の名機。

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2026/5/9 更新
関連タグ
Motorola 68000
MC68000
16/32bit
CISC
1979
Macintosh
Amiga

概要

Motorola MC68000(M68000、Motorola 68000、通称68k)は、米Motorola社(現NXP Semiconductors)が1979年9月に発売した革新的なマイクロプロセッサで、32bit内部レジスタ+16bit外部データバスのハイブリッド設計を採用した「実質32bit機」として1980年代-1990年代前半の家庭用コンピュータ・ゲーム機・組込システム市場で圧倒的シェアを獲得した名機。同時代Intel 8086(1978年6月、16bit)に対しより広いアドレス空間(68000は24bitアドレス=16MB、8086は20bit=1MB)+より直交的な命令セットで、特にApple Macintosh 128K(1984年1月)・Commodore Amiga 1000(1985年7月)・Atari 520ST(1985年6月)・Sega Genesis/Mega Drive(1988年10月)・Neo Geo MVS/AES(1990年4月)・Apple Lisa(1983年1月)・HP 9000/300シリーズ・Sun-1/2/3 ワークステーション等、1980年代パーソナルコンピュータ・ゲーム機の代表機種に広く採用された業界標準。Federico Faggin(Intel 4004設計者、Zilog創業者)の影響下にあったMotorola内部のSkip Stritter・Tom Gunter等が設計、PMOS HMOS技術で68,000トランジスタ(命名由来)を集積した。後継MC68010(1982年仮想メモリ対応)→MC68020(1984年フル32bit)→MC68030(1987年MMU内蔵)→MC68040(1990年FPU/MMU内蔵)→MC68060(1994年最終)+ColdFire(68k簡略派生)と発展し、Apple Macは1994年PowerPC移行・Sega Genesisは1995年生産終了で商業的に縮小、最終的に2000年代に組込市場でも縮小したが、MC68000の命令セットは世代の影響力でレトロコンピューティング・FPGA・教育目的で2026年現在も健在。MiSTer FPGA等で広く利用される。

主な特徴・仕組み

  • 種類: 16/32bit ハイブリッド CISC プロセッサ
  • 発売年: 1979年9月
  • プロセス: 3.5μm HMOS
  • トランジスタ数: 68,000個(命名由来)
  • パッケージ: 64ピンDIP/QFP
  • 内部レジスタ: 32bit×16本(D0-D7+A0-A7)
  • データバス: 16bit外部、32bit内部
  • アドレスバス: 24bit外部、32bit内部(最大16MB物理)
  • 命令数: 56基本命令、14アドレッシングモード
  • 動作周波数: 4-16MHz(初期)、後継68030/40で50MHz
  • 設計者: Skip Stritter、Tom Gunter等Motorola内部チーム
  • 価格: $125(1980年当時OEM価格)
  • 採用機種: Apple Mac、Amiga、Atari ST、Sega Genesis、Neo Geo他多数

スペック比較表

項目MC68000Intel 8086Zilog Z8000NS32016
発売1979/091978/061979/011979
ビット幅16/32bit16bit16bit16/32bit
アドレス24bit (16MB)20bit (1MB)23bit (8MB)24bit (16MB)
レジスタ32bit×1616bit×816bit×1632bit×8
トランジスタ68,00029,00017,50070,000
命令数5681110100+

具体例・対応製品

  • MC68000: 1979年9月、$125(OEM)
  • MC68008: 1982年、8bit外部データバス廉価版
  • MC68010: 1982年、仮想メモリ対応
  • MC68020: 1984年、フル32bit外部
  • MC68030: 1987年、MMU内蔵
  • MC68040: 1990年、FPU/MMU内蔵
  • MC68060: 1994年、最終世代
  • 採用 Apple Macintosh(1984年-1994年): 全初代Mac
  • 採用 Commodore Amiga 1000/500/2000/3000(1985年-1992年)
  • 採用 Atari 520ST/1040ST/Mega ST(1985年-1990年)
  • 採用 Sega Genesis/Mega Drive(1988年)
  • 採用 Neo Geo MVS/AES(1990年)

自作PCでの選び方・注意点

MC68000系プロセッサは現代の自作PC市場には存在しない(Apple Mac は1994年PowerPC、現在Apple Silicon ARM)。レトロコンピューティング・FPGA再現目的でMiSTer FPGA($200+)にコアあり、Apple Mac/Amiga/Atari ST/Sega Genesis全互換動作可能。組込開発用途では2010年代までColdFireマイコン(68k派生簡略版)が稼働、現在NXP Semiconductors(Motorola継承)から限定提供継続。68kアセンブリは教育目的で2026年現在も大学コンピュータ科学カリキュラムに含まれる場合あり、特に直交的な命令セット+Big-Endian+ハードウェア割込学習に最適とされる。レトロゲーム再現プロジェクト(MAME・FPGA・エミュレータ)の中核技術として継続的に重要。

関連用語との違い

Intel 8086(1978年6月)は同時代の16bit CISCプロセッサだが、アドレス空間20bit(1MB)と68000の24bit(16MB)に対し制約大、後継x86系統は8086互換性の制約下で進化。Zilog Z8000(1979年1月)は同時代16bit機だが商業的に成功せず短命。Apple Macは68k→PowerPC(1994年)→Intel x86(2006年)→Apple Silicon ARM(2020年)と4世代CPU移行を経験、68k世代がMac歴史の起点。

よくある質問(FAQ)

Q1: なぜ「68000」という名前? A: 68,000トランジスタ集積に由来する直球的命名。当時Intel 8080(80)・Zilog Z80(80)等、トランジスタ数や型番で命名する慣習があり、Motorolaは「6800シリーズ」(8bit)の後継として「68000」と命名し、後継68010/020/030/040/060まで形式が継続しました。

Q2: 32bitか16bitか? A: 「実質32bit、外部16bit」という独特設計。内部レジスタ32bit・ALU 16bit×2サイクル・外部データバス16bit・アドレスバス24bitで、ソフトウェアからは32bit機として動作しますが物理メモリインターフェースは16bit。後継MC68020(1984年)でフル32bit化されました。

Q3: なぜMacが68k系を選んだ? A: 1981年Apple Lisa開発時、当時最高峰の汎用32bitレジスタ+広いアドレス空間+直交的命令セットを持つ68000を選択。Lisa+Macintosh+その後のMac全系統で68k採用、1994年までApple Mac=68k=「美しいシステム設計」のイメージが定着しました。

まとめ

  • 1979年9月発売・Motorola 68k系初代CPU
  • 32bit内部+16bit外部のハイブリッド設計
  • Apple Mac/Amiga/Atari ST/Sega Genesis採用
  • 1980-1990年代家庭用機の業界標準
  • MiSTer FPGA等で現代もレトロ動作可能
この記事について
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作成日2026/5/9