米 Myspace Inc. が 2003 年公開した SNS。カスタマイズ可能なプロフィール + 音楽プレーヤー埋込で 2003-2008 年に世界シェアトップ、Facebook に駆逐され 2010 年代に大幅縮小。
Myspace(マイスペース、後年 myspace と小文字表記)は、米 Myspace Inc. が 2003 年 8 月に公開した SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)です。Tom Anderson(トム・アンダーソン)・Chris DeWolfe(クリス・デウォルフ)・Brad Greenspan らがカリフォルニア州サンタモニカで創業、Friendster(2002)の競合として登場しました。
最大の特徴は、自由にカスタマイズ可能なプロフィールページです。HTML / CSS の埋め込みが許可されており、ユーザーが自分のプロフィールページを完全に独自デザイン化できる仕組みは、当時の SNS 文化に新たな表現の自由をもたらしました。プロフィールには音楽プレーヤー(Myspace 自身が音楽配信機能を提供)・動画共有 + 埋め込み・ブログ + 詳細プロフィール + 友達リスト + コメント機能 + ステータスメッセージ + アニメーション GIF / 画像 + 背景音楽自動再生など、当時としては先進的な多機能を統合しました。
2003-2008 年に米国 + 英語圏で爆発的に普及し、特に若年層(10-25 代)+ ミュージシャン + バンド + アーティスト層からの支持を獲得しました。インディーズミュージシャンが Myspace 上で楽曲公開 + ファンとの交流 + プロモーションを行う「Myspace Music」文化が大きな現象となり、Arctic Monkeys / Kate Nash / Soulja Boy などのアーティストが Myspace 経由でブレイクするなど、音楽業界に新たな配信パラダイムを持ち込みました。
2005 年 7 月、News Corporation(News Corp、Rupert Murdoch グループ)が $580 million で Myspace を買収しました。当時としては「最大の買収」とされ、Murdoch が「これは将来の Yahoo! / Google レベルの企業になる」と判断したことが背景でした。買収後、Myspace は News Corp の支援を受けて急速に拡大し、ピーク時の 2008 年には登録ユーザー 1.15 億人 + 月間アクティブユーザー 7,500 万人を達成、世界 SNS 市場のトップに立ちました。2007 年には Google と $900 million の検索広告契約を締結、Myspace は世界の主要 SNS として君臨しました。
しかし、2009 年以降の Facebook の急速な台頭で状況が一変しました。Facebook(2004 年公開、Mark Zuckerberg 創業)は当初ハーバード大学限定 → 米国大学 → 全世界へと段階的にユーザーを拡大し、2008-2010 年頃に Myspace を抜いて世界最大の SNS となりました。Facebook は技術的優位性(サイト速度・スケーラビリティ・モバイル対応)+ シンプルさ(プロフィールカスタマイズ制限)+ クリーンなデザイン + ニュースフィード機能で Myspace のユーザーを大量に奪取しました。
2011 年 6 月、News Corp は Myspace を Specific Media Group 等のコンソーシアムに $35 million で売却(2005 年買収時 $580 million から大幅縮小)、Justin Timberlake が一部権利を取得しました。その後、Time Inc. → Meredith Corporation → Viant Technology などへ運営者が次々と変わり、Myspace は音楽 + エンターテインメント特化のニッチサービスとして縮小存続しました。
2019 年には Myspace のサーバ移行ミスで 2003-2015 年にアップロードされた 12 年分の音楽ファイル(5,000 万曲超)が完全消失する事故が発生、Myspace 文化の大きな損失となりました。2024 年現在も Myspace.com は存続していますが、登録ユーザー数 + 月間アクティブユーザー数は最盛期の 1/100 以下に縮小しています。
| サービス | 公開年 | ピーク | 結末 |
|---|---|---|---|
| Friendster | 2002 | 2003 100 万 | 2015 終了 |
| Myspace | 2003 | 2008 1.15 億 | 縮小存続 |
| Orkut |
| 2004 |
| 2010 3 億 |
| 2014 終了 |
| 2004 | 2024 30 億 | 現役、世界最大 |
| Twitter / X | 2006 | 現役 | 現役 |
Myspace は 2024 年現在も myspace.com で利用可能ですが、最盛期と比較してアクティブユーザーは激減しており、実質的にはレガシーサービス + 音楽プラットフォーム特化という位置付けです。新規アカウント作成は可能ですが、当時の友達リスト + プロフィール + 音楽データの多くは 2019 年のサーバ事故で消失しています。
レトロ 2000 年代インターネット文化を体験したい場合は、Internet Archive の Wayback Machine で当時の Myspace ページのスナップショットが多数保存されており、ノスタルジー + 文化研究目的で参照可能です。Myspace の HTML / CSS 自由カスタマイズ文化は、現代の Tumblr(2007)・Carrd / Linktree などのプロフィールページ系サービスに継承されています。
Q1: なぜ Myspace は Facebook に負けたのですか? A: 主因は技術的優位性 + UI / UX の違いです。Facebook は技術的にサイト速度 + スケーラビリティ + モバイル対応で Myspace を上回り、UI / UX 面ではシンプルさ + クリーンなデザイン + ニュースフィードで Myspace の混雑したカスタマイズ HTML を凌駕しました。
Q2: 2019 年の音楽ファイル消失事故とは何ですか? A: 2019 年 3 月、Myspace のサーバ移行ミスで 2003-2015 年にアップロードされた 12 年分の音楽ファイル(5,000 万曲超、推定 100 万人以上のアーティスト分)が完全消失しました。SNS 業界 + 音楽業界に大きな影響を与えた事故で、デジタル文化の脆弱性を示す重要な事例となりました。
Q3: 現代で Myspace を使う意味はありますか? A: ノスタルジー + レトロ SNS 体験 + 一部音楽プラットフォーム機能以外では、ほぼ意味がありません。アクティブユーザー数が極めて少なく、Facebook / Instagram / TikTok / X などの主流 SNS のほうが実用的です。