リンクアグリゲーション/Bonding(リンクアグリゲーション)
複数NICまとめ帯域拡張。LACP(Link Aggregation Control Protocol・802.3ad)・Active-Backup・Balance-RR・Balance-XOR・Broadcast・802.3ad LACP・MLAG(Multi-Chassis・Arista/Cisco)・Synology NAS SMB Multichannel・Windows Teaming・Proxmox bond0・Mikrotik/UniFi switch対応・2x1GbE = 2Gbps相当・SMB multichannel 10GbE相当、2026年NAS+仮想化向け。
概要
リンクアグリゲーション(Bonding)は、複数のネットワークインタフェースカード(NIC)をまとめ、帯域幅を拡張する技術です。
LACP(Link Aggregation Control Protocol)を用いると、スイッチ側とホスト側が自動でリンクを確立し、負荷分散や冗長性を実現します。
Active‑Backup、Balance‑RR、Balance‑XOR などのアルゴリズムは、トラフィックの分散方法を選択できる点が特徴です。
Windows Teaming、Proxmox の bond0、Synology NAS の SMB Multichannel など、OS やストレージ向けに最適化された実装も存在します。
主な特徴・仕組み
- 帯域拡張:2×1GbE で 2Gbps、4×10GbE で 40Gbps など、物理リンク数に比例して合計帯域が増加。
- 冗長性:Active‑Backup では 1 本が故障しても残りが即座に稼働。
- 負荷分散:Balance‑RR はパケットを順次振り分け、Balance‑XOR は MAC アドレスの XOR で決定。
- LACP 802.3ad:スイッチとホストが協調してリンクを確立し、リンクの追加・削除を動的に行う。
- MLAG:Multi‑Chassis Link Aggregation は、異なるスイッチ間でリンクを統合し、単一の論理スイッチとして動作。
- SMB Multichannel:Windows SMB 2.1 以降でサポートされ、複数の NIC を同時に利用して 10GbE 相当のスループットを実現。
スペック/製品比較表
| 製品名 | 物理ポート | 最大帯域 | LACP 対応 | 主要アルゴリズム | 代表的用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| Intel X710‑DA4 | 4×10GbE | 40Gbps | あり | Balance‑RR, Balance‑XOR | データセンターネットワーク |
| Broadcom BCM57416 | 2×10GbE | 20Gbps | あり | Balance‑RR | ストレージサーバー |
| Arista 7050QX‑32 | 32×10GbE | 320Gbps | あり | LACP, MLAG | 大規模クラウド環境 |
| Cisco Nexus 93180YC‑EX | 4×10GbE | 40Gbps | あり | Balance‑RR, LACP | エンタープライズスイッチ |
| Synology DS920+ | 4×1GbE | 4Gbps | あり | SMB Multichannel | NAS 共有 |
具体例・対応製品
- Intel X710‑DA4:4 本の 10GbE ポートを LACP で束ねると、1 本が落ちても 30Gbps 以上の帯域を維持。
- Broadcom BCM57416:2 本の 10GbE ポートで 20Gbps を実現し、低レイテンシのストレージ向けに最適。
- Arista 7050QX‑32:32 本の 10GbE ポートを MLAG で統合し、単一の論理スイッチとして 320Gbps を提供。
- Cisco Nexus 93180YC‑EX:4 本の 10GbE ポートを LACP で束ね、データセンターネットワークで高可用性を実現。
- Synology DS920+:4 本の 1GbE ポートを SMB Multichannel で束ね、Windows クライアントから 10GbE 相当のスループットを実現。
自作PCでの選び方・注意点
- 物理 NIC の数とスイッチ側の対応ポート数を合わせる。
- LACP を利用する場合は、スイッチ側も LACP 対応であることを確認。
- 予算に応じて 1GbE か 10GbE かを決定。
- 10GbE を選択した場合、ケーブルは Cat6a 以上、または光ファイバーを使用。
- Windows Teaming では「自動」モードを選択すると、OS が最適なアルゴリズムを選択。
- Proxmox の bond0 では
bond_mode=balance-rrなどを設定。 - 2×1GbE で 2Gbps を期待する場合、両方の NIC が同一スイッチに接続されていること。
- 10GbE で 10GbE 相当を狙うなら、SMB Multichannel を有効にする。
- 物理ポートの電源供給が十分であるか確認。
- 既存のネットワーク構成と衝突しないよう、VLAN 設定を事前に確認。
関連用語との違い
- LACP(802.3ad):リンクアグリゲーションの標準化されたプロトコル。
- MLAG:複数スイッチを一つの論理スイッチとして扱う技術。
- SMB Multichannel:Windows SMB で複数 NIC を同時に利用する機能。
- Active‑Backup:冗長性重視で、1 本のみがアクティブ。
- Balance‑RR / Balance‑XOR:負荷分散アルゴリズム。
よくある質問
Q1: LACP と Active‑Backup の違いは?
A1: LACP は複数リンクを同時に利用し負荷分散を行う。Active‑Backup は 1 本だけがアクティブで、残りは待機。
Q2: 10GbE を使うと 10GbE 相当のスループットが得られるのか?
A2: SMB Multichannel などを有効にすれば、複数 1GbE NIC で 10GbE 相当のスループットが実現可能。
Q3: MLAG はどのような環境で必要?
A3: 大規模データセンタやクラウド環境で、複数スイッチを単一論理スイッチとして扱い冗長性と帯域拡張を同時に実現したい場合に有効。
まとめ
リンクアグリゲーションは、物理 NIC を束ねることで帯域幅を拡張し、冗長性を確保する技術です。
LACP 802.3ad、Active‑Backup、Balance‑RR、Balance‑XOR などのアルゴリズムを組み合わせることで、用途に応じた最適な構成が可能です。
2025 年の最新ネットワーク機器では、10GbE 以上の高速リンクが標準化され、SMB Multichannel で 10GbE 相当のスループットを実現できるようになりました。
自作 PC でリンクアグリゲーションを導入する際は、物理ポート数、スイッチの対応、ケーブル規格、OS のチーミング設定を総合的に検討することが重要です。
2026 年に向けては、次世代の 25GbE、40GbE、100GbE への移行が進む中、リンクアグリゲーションの役割はさらに拡大していくでしょう。