Password Hash Argon2/bcrypt/scrypt/PBKDF2 2026(パスワードハッシュ)
Password Hashing Algorithm。Argon2id (Password Hash Competition Winner・OWASP推奨・m=64MiB t=3 p=4)・Argon2i/Argon2d・bcrypt (cost=12+)・scrypt (N=2^17 r=8 p=1)・PBKDF2-SHA256/SHA512 (600k+ iterations)・libsodium crypto_pwhash・OpenSSL 3.4・Hashcat 7.x Bench・John the Ripper・¥0 OSS・MD5/SHA1絶対NG、2026年Argon2idデファクト標準。
概要
パスワードハッシュは、ユーザーが入力した文字列を安全に保管するための不可逆変換である。2026年時点で最も推奨されるアルゴリズムは Argon2id で、OWASP も同様に推奨。Argon2id は m=64MiB, t=3, p=4 のデフォルト設定で、メモリ・時間・並列性をバランスよく要求し、GPU などの高速計算資源に対しても耐性を持つ。従来の MD5 / SHA1 は既に「絶対NG」とされ、2025 年には多くのクラウドサービスで Argon2id がデフォルト化された。2026 年にリリースされた OpenSSL 3.4 は Argon2id を標準ハッシュ関数として組み込んでおり、パスワード保護の統一性が進んだ。
主な特徴・仕組み
- Argon2id:m=64MiB, t=3, p=4。メモリコストが高く、GPU での並列攻撃を抑制。
- bcrypt:cost=12+。1.5×の計算時間を要し、ハードウェアアクセラレーションに弱い。
- scrypt:N=2^17, r=8, p=1。メモリと計算時間を併せ持ち、CPU でのブートストラップに強い。
- PBKDF2:SHA256/SHA512 で 600k+ イテレーション。既存システムでの互換性が高い。
- libsodium:crypto_pwhash で Argon2id をデフォルトに設定。
- Hashcat 7.x:2025 年に Argon2id のハッシュクラッキング速度が 15% 低下。
- John the Ripper:2026 年版で Argon2id の辞書攻撃が 20% 速く。
- MD5 / SHA1:2026 年時点で「NG」扱い。
- Apple M3:内蔵メモリ 16GB で Argon2id を 1.2×高速化。
- Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3:GPU で Argon2id を 1.5×高速化。
スペック比較表
| アルゴリズム | メモリ | 時間 | 並列性 | 推奨コスト |
|---|---|---|---|---|
| Argon2id | 64MiB | 3 | 4 | 64MiB/3/4 |
| bcrypt | 4MiB | 12 | 1 | 12 |
| scrypt | 128MiB | 2^17 | 1 | 2^17/8/1 |
| PBKDF2‑SHA512 | 1MiB | 600k | 1 | 600k |
具体例・対応製品
| 製品 | ハッシュ設定 | 備考 |
|---|---|---|
| RTX 5090 | Argon2id (m=64MiB) | 24GB GDDR7 で 1.4×高速化 |
| Ryzen 9 9950X3D | bcrypt cost=13 | 450W TDP で 1.1×高速化 |
| DDR5-6000 | PBKDF2 600k | 16GB で 1.3×高速化 |
| Intel i9‑13900K | scrypt N=2^17 | 3.5×高速化 |
| Apple M3 | Argon2id | 16GB メモリで 1.2×高速化 |
| Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 | bcrypt cost=12 | 1.5×高速化 |
自作PCでの選び方・注意点
- CPU のクロックとコア数:Argon2id はメモリベースなので、CPU のクロックは 3.5GHz 以上が望ましい。
- メモリ容量:64MiB のメモリを確保できる 32GB DDR5-6000 以上を推奨。
- GPU の利用:RTX 5090 などの最新 GPU では Argon2id を 1.4×高速化できる。
- 電源容量:450W TDP の CPU と GPU を同時に動作させる場合、600W 以上の電源が必要。
- 冷却性能:高負荷時に 80℃ 以上にならないように液体冷却を検討。
- OS のアップデート:OpenSSL 3.4 以降をインストールし、デフォルトハッシュを Argon2id に設定。
- パスワード管理ツール:1Password、Bitwarden などは 2026 年版で Argon2id をサポート。
- バックアップ:ハッシュ値は暗号化されたバックアップを行い、復元時に同じコスト設定を保持。
関連用語との違い
- PBKDF2 は 600k イテレーションで計算時間が長いが、メモリ使用量は Argon2id より少ない。
- bcrypt は cost=12 で 1.5×計算時間がかかるが、メモリは 4MiB に限定。
- scrypt は N=2^17 でメモリと計算時間を両立させるが、Argon2id の方が GPU に対して高い耐性。
- MD5 / SHA1 は高速だが、ハッシュ衝突が容易であるため 2026 年では使用不可。
よくある質問(FAQ)
Q1: Argon2id の m=64MiB は必須ですか?
A1: 公式推奨値であり、2025 年以降の多くのクラウドサービスがこの設定をデフォルト化しています。
Q2: bcrypt cost=12 で十分ですか?
A2: 2026 年では cost=12 でも GPU でのクラッキングが 20% 速くなるため、cost=13 への上げを検討してください。
Q3: PBKDF2 600k イテレーションは古いですか?
A3: 2025 年のベンチマークでは 600k で十分な安全性を確保できますが、Argon2id への移行が推奨されます。
まとめ
2026 年現在、パスワード保護の最前線は Argon2id であり、OWASP と多くのオープンソースプロジェクトが採用。自作PC では CPU、メモリ、GPU のバランスを考慮し、最新のハードウェア(RTX 5090、Ryzen 9 9950X3D、DDR5‑6000 など)を組み合わせることで、ハッシュ計算を 1.5〜1.8 倍高速化できます。bcrypt、scrypt、PBKDF2 は互換性を保つために残す価値はあるものの、将来的な攻撃手法に対しては Argon2id への移行が不可欠です。安全なパスワード管理を実現するために、ハードウェア選定とアルゴリズム設定を慎重に行い、最新のベンチマーク情報を常にチェックすることが重要です。