ハンドル操作でローラーを回転させ、生地を圧延・カットして平麺を成形するクラシックなパスタ製造器具。イタリア家庭の伝統的な道具として100年以上の歴史を持つ。
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手動パスタマシンは、手回しハンドルでステンレス製ローラーを回転させ、パスタ生地を薄く延ばし(圧延)、さらに付属のカッターで均一な幅の麺に切り分ける(カット)ための調理器具である。イタリアでは「macchina per la pasta」と呼ばれ、家庭料理の必需品として100年以上にわたって使い続けられてきた。
電動パスタメーカーのような自動化機能はないが、生地の厚みを手の感覚で微調整できるため、熟練者ほど理想的な麺の仕上がりを追求できる点が最大の魅力である。また、シンプルな構造ゆえに故障が少なく、適切にメンテナンスすれば数十年にわたって使用できる耐久性も特徴だ。
2本のステンレスローラーが平行に配置されており、ダイヤル(通常1〜9段階)でローラー間の隙間を調整する。数字が大きいほど隙間が狭くなり、生地が薄くなる仕組みだ。最も厚い設定(1)では約3mmの厚さに、最も薄い設定(9)では約0.3mmまで延ばせるモデルが一般的である。
| 設定 | 生地厚み | 用途 |
|---|---|---|
| 1〜2 | 3.0〜2.5mm | 最初の粗延ばし |
| 3〜4 | 2.0〜1.5mm | パッパルデッレ・ラザニア |
| 5〜6 | 1.2〜0.8mm | フェットチーネ・タリアテッレ |
| 7〜8 | 0.6〜0.4mm | タリオリーニ・エンジェルヘア |
| 9 | 0.3mm | ラヴィオリ・トルテッリーニの皮 |
多くのモデルは2種類の幅のカッターが標準装備されている。一般的なのは幅6.5mmのフェットチーネ用と幅1.5mmのタリオリーニ用の組み合わせだ。カッター部もハンドル操作で駆動し、ローラーで延ばした生地をそのままカッターに通すことで均一な幅の麺に切り分けられる。
テーブルやカウンターの端に本体を固定するためのクランプ(万力式固定具)が付属する。厚さ1〜5cm程度の天板に対応し、ネジを締めることで安定した作業環境を確保できる。クランプの締め付けが不十分だとハンドル操作時に本体がずれて危険なため、毎回しっかり固定することが重要である。
手動パスタマシンの世界標準とも言えるモデルで、1930年代から続くロングセラーである。ローラー幅150mmのスタンダードモデルに加え、180mm幅の「Atlas 180」も用意されている。別売りのカッターアタッチメントが非常に豊富で、スパゲッティ(2mm幅)、パッパルデッレ(12mm幅)、ラヴィオリ型など10種類以上のバリエーションから選べる。本体カラーも赤・銀・黒・緑・ピンクなど多彩で、キッチンのインテリアに合わせた選択が可能だ。
Atlas 150と並ぶ定番モデルで、やや重厚な造りが特徴。ローラーの精度と耐久性に定評があり、プロの料理人にも愛用者が多い。別売りの電動モーターユニット(Imperia Pasta Facile)を装着すれば電動化も可能で、手動と電動を状況に応じて使い分けられる拡張性が魅力だ。
| 比較項目 | Marcato Atlas 150 | Imperia SP150 |
|---|---|---|
| 価格 | 8,000〜12,000円 | 7,000〜10,000円 |
| 本体重量 | 約2.2kg | 約2.8kg |
| ローラー幅 | 150mm | 150mm |
| 厚み設定 | 10段階 | 9段階 |
| カラー展開 | 10色以上 | 3色 |
| 別売りアタッチメント | 12種類以上 | 8種類 |
| 電動化 | 可(Marcato Motor) | 可(Pasta Facile) |
3つ折りにして繰り返す工程は「ラミネーション」と呼ばれ、生地のグルテン構造を整え、なめらかで弾力のある食感を生み出す重要なステップである。この工程を省略すると、生地の表面が粗くなり、茹でた際に切れやすくなる。
圧延した生地を10〜15分ほど室温で乾燥させてから(表面がべたつかなくなるまで)、カッターに通す。乾燥が不十分だと麺同士がくっつき、過度に乾燥すると割れてしまうため、タイミングの見極めが重要だ。
A: 基本的に水洗いは厳禁である。内部のローラーやカッターに水分が入ると錆が発生し、次回使用時にパスタに錆が移る恐れがある。使用後は本体に付着した生地を乾燥させてから、付属のブラシや竹串で丁寧に取り除く。どうしても汚れが気になる場合は、食品用アルコールスプレーを布に吹きかけて拭き取る方法が推奨される。
A: ローラー幅150mmのスタンダードモデルで、1回の圧延作業で約1人前(100g)の生地を処理できる。4人前の場合は生地を4分割して順番に圧延するため、全工程で30〜45分程度かかる。大量に作る場合は180mm幅のモデルを選ぶか、電動モーターユニットを導入して作業効率を上げる方法がある。
A: 均一性と効率性が大きく異なる。手動パスタマシンのローラーは金属製で精密な隙間設定ができるため、全面にわたって均一な厚さの生地に仕上がる。一方、めん棒は腕の力加減に依存するため、中心部と端部で厚みにムラが出やすい。ただし、めん棒は道具のメンテナンスが不要で収納もコンパクトなため、少量しか作らない場合やアウトドアで使う場合には適している。