モバイルバッテリー(モバイルバッテリー)
スマートフォンやノートPCなどのデバイスを外出先で充電するための携帯型バッテリー。容量はmAh(ミリアンペアアワー)またはWh(ワットアワー)で表され、USB-C PD対応の高出力モデルが主流となっている。
モバイルバッテリーとは
モバイルバッテリー(ポータブル充電器、パワーバンク)は、内蔵のリチウムイオン電池またはリチウムポリマー電池にあらかじめ蓄電し、スマートフォン・タブレット・ノートPC・ワイヤレスイヤホンなどを外出先で充電するためのポータブルデバイスである。2026年現在、USB-C PD(Power Delivery)対応・GaN充電器一体型・大容量化が3大トレンドとなっている。
容量の基本知識
mAh と Wh の違い
モバイルバッテリーの容量は2つの単位で表される:
- mAh(ミリアンペアアワー): セル電圧(3.7V)基準の電荷量。製品パッケージで最も多い表記
- Wh(ワットアワー): 実際のエネルギー量。航空機持ち込み制限の基準(100Wh以下は申告不要、160Wh以下は2個まで)
換算式: Wh = mAh × 3.7V ÷ 1000
| 容量 (mAh) | Wh | iPhone 16 Pro 充電回数 | MacBook Air 充電回数 | 航空機持ち込み |
|---|---|---|---|---|
| 5,000 | 18.5 | 約1.0回 | - | OK |
| 10,000 | 37.0 | 約2.2回 | 約0.5回 | OK |
| 20,000 | 74.0 | 約4.5回 | 約1.1回 | OK |
| 26,800 | 99.16 | 約6.0回 | 約1.5回 | OK(100Wh未満) |
| 30,000 | 111.0 | 約6.8回 | 約1.7回 | 申告必要 |
変換効率
公称容量の100%が充電に使われるわけではない。電圧変換(3.7V→5V/9V/20V)のロスがあり、実効容量は公称の60〜75%程度:
- 5V/2A出力: 変換効率 約70〜75%
- 9V/2A出力(QC/PD): 変換効率 約80〜85%
- 20V/5A出力(PD 100W): 変換効率 約85〜90%
2026年のおすすめモバイルバッテリー
| 製品名 | 容量 | 最大出力 | 重量 | 参考価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Anker Prime 27,650mAh | 27,650mAh (99.54Wh) | 250W | 600g | ¥19,990 | 最大級の出力、MacBook Pro対応 |
| Anker 737 Power Bank | 24,000mAh (86.4Wh) | 140W | 630g | ¥14,990 | USB-C×2+USB-A、バランス型 |
| CIO SMARTCOBY Pro 30W | 10,000mAh (37Wh) | 30W | 174g | ¥3,980 | クレジットカードサイズ |
| Baseus Blade 2 | 12,000mAh (44.4Wh) | 65W | 264g | ¥6,980 | 超薄型12.5mm |
| Anker Nano Power Bank | 5,000mAh (18.5Wh) | 22.5W | 102g | ¥2,990 | Lightning/USB-C一体型 |
| UGREEN 20,000mAh | 20,000mAh (74Wh) | 100W | 455g | ¥6,480 | 高コスパ大容量 |
急速充電規格の対応表
| 規格 | 最大出力 | 対応デバイス | モバイルバッテリー対応状況 |
|---|---|---|---|
| USB PD 3.1 | 240W | MacBook, iPad, Switch | 高価格帯のみ |
| USB PD 3.0 | 100W | MacBook, iPad, Switch | 中〜高価格帯 |
| Qualcomm QC 5.0 | 100W+ | Android (Snapdragon) | 少数 |
| Qualcomm QC 3.0 | 36W | Android全般 | 広く対応 |
| Apple 2.4A | 12W | iPhone (Lightning) | ほぼ全製品 |
| Samsung AFC | 25W | Galaxy シリーズ | 一部対応 |
選び方のポイント
用途別の推奨容量
- スマホのみ(日帰り): 5,000〜10,000mAh、重量100〜200g
- スマホ+イヤホン(1泊旅行): 10,000〜15,000mAh、重量200〜300g
- ノートPC充電: 20,000mAh以上、PD 60W以上必須、重量400〜650g
- 複数デバイス同時充電: 20,000mAh以上、ポート3個以上
確認すべきスペック
- 出力W数: デバイスの急速充電に対応しているか(iPhone 15 Proは27W、MacBook Airは30W)
- 入力W数: バッテリー本体の充電速度(65W入力なら20,000mAhを約90分で充電)
- ポート数と種類: USB-C × 何ポート、USB-A × 何ポート
- パススルー充電: バッテリーを充電しながらデバイスも充電できるか
- 残量表示: LED 4段階 vs デジタル表示(%表示が便利)
安全性と認証
PSEマーク(日本国内必須)
日本国内で販売されるモバイルバッテリーはPSEマーク(電気用品安全法)の表示が義務付けられている。2019年2月以降、PSEマークのないモバイルバッテリーの販売は違法。
その他の安全認証
- UN38.3: リチウムイオン電池の輸送安全性試験
- IEC 62133: 電池の安全性国際規格
- UL 2056: モバイルバッテリー専用安全規格(米国)
- MFi認証: Apple公式のLightning/USB-C認証
よくある質問(FAQ)
Q1: 飛行機にモバイルバッテリーは持ち込める? A: 100Wh以下(約27,000mAh)は申告不要で機内持ち込み可能。100〜160Whは航空会社に申告のうえ2個まで持ち込み可能。160Wh超は持ち込み・預け入れとも不可。いずれも預け入れ荷物には入れられず、必ず機内持ち込みが必要。
Q2: モバイルバッテリーの寿命はどのくらい? A: 一般的にリチウムイオン電池は300〜500回の充放電サイクルで容量が初期の80%程度に低下する。毎日充放電すると約1〜1.5年、週2〜3回なら2〜3年が目安。高温環境(35°C以上)での使用・保管は劣化を加速する。
Q3: パススルー充電は安全? A: 対応製品であれば安全。パススルー充電中はバッテリーセルを介さずに電力をデバイスに直接供給する製品(真のパススルー)と、充電と放電を同時に行う製品がある。後者は発熱が大きくなるため、長時間の使用は避けるのが望ましい。
Q4: USB-CとUSB-Aの使い分けは? A: 急速充電(PD/QC)はUSB-C経由のみ対応する製品がほとんど。USB-AはQC 3.0(最大18W)まで対応する場合があるが、基本的にUSB-Cを優先使用すべき。2026年現在、USB-A専用ポートは縮小傾向にある。
まとめ
- モバイルバッテリーはmAh(セル容量)とWh(実エネルギー量)で容量を表す
- USB-C PD対応が主流、ノートPC充電にはPD 60W以上が必要
- 航空機持ち込みは100Wh以下が申告不要の目安
- 用途に合った容量・出力・重量のバランスで選択する
- PSEマーク付きの製品を選び、高温環境での使用を避ける