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RefinedWeb データセット(リファインドウェブ データセット)

Technology Innovation Institute(TII)が構築した5兆トークン規模の高品質Webテキストコーパス。独自のMacroData Refinementパイプラインで CommonCrawlから厳選し、Falconモデルの学習に使用された。Webデータのみでキュレーション済み書籍・論文に匹敵する品質を達成。

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2026/6/20 更新
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RefinedWeb データセットとは

RefinedWebは、UAE(アラブ首長国連邦)のTechnology Innovation Institute(TII)が構築した5兆トークン規模の大規模Webテキストコーパスです。CommonCrawlの全期間アーカイブから高品質な英語テキストを抽出し、Falconモデルファミリー(7B/40B/180B)の学習データとして使用されました。「Webデータだけでキュレーション済みの書籍・論文コーパスに匹敵する品質を達成できる」ことを実証した画期的なプロジェクトです。

MacroData Refinement(MDR)パイプライン

RefinedWebの核心は、4段階のフィルタリングパイプライン「MacroData Refinement」です。

段階処理内容除外率
1. URL重複除去同一URLの文書を除外約30%
2. 文書品質フィルタテキスト長・言語・特殊文字比率約20%
3. MinHash LSH重複除去模倣的に類似した文書ペアの除去約25%
4. 行単位フィルタ個々の行の品質チェック約5%

入力のCommonCrawl全体(約100兆トークン相当)から、最終的に約5兆トークンの高品質テキストが残ります。

Webデータのみで高品質を実現した知見

従来のLLM学習では、CommonCrawlのようなWebデータは「低品質」とみなされ、書籍(Books3等)や学術論文(peS2o等)のキュレーション済みソースと混合して使用するのが常識でした。RefinedWebの研究が示した重要な知見です。

  • 十分なフィルタリングを行えばWebデータのみで高品質な学習が可能
  • キュレーション済みソースの追加による性能向上は限定的(Falcon 40BはRefinedWeb 100%で学習)
  • データの多様性は品質フィルタリングで維持可能
  • 重複除去が最も性能に寄与するステップ(MinHash LSHによる模倣重複除去が特に重要)

Falconモデルでの使用実績

モデルパラメータ学習データ量RefinedWeb比率結果
Falcon 7B7B1.5兆トークン100%GPT-3比で同等以上
Falcon 40B40B1兆トークン100%GPT-3.5に迫る
Falcon 180B180B3.5兆トークン85%当時OSS最強

Falcon 7B/40BはRefinedWeb 100%で学習され、混合コーパスを使用する他のOSSモデルを上回る性能を達成しました。

公開データと利用条件

  • 公開規模: 6,000億トークン(全体5兆トークンのサブセット)
  • フォーマット: Parquet / HuggingFace Datasets
  • ライセンス: ODC-BY-1.0(商用利用可)
  • ダウンロード: HuggingFace Hub「tiiuae/falcon-refinedweb」

フルの5兆トークン版は非公開ですが、6,000億トークンの公開版でも多くのLLM学習に十分な規模です。

他のWebコーパスとの比較

コーパス開発元規模ソースフィルタリング公開量
RefinedWebTII5兆 tokCommonCrawlMDR 4段階600B tok
FineWebHuggingFace15兆 tokCommonCrawl5段階全量
C4Google3,650億 tokCommonCrawl (1snapshot)3段階全量
OSCARINRIA数兆 tokCommonCrawl多言語フィルタ全量
CC-100Facebook非公開CommonCrawl言語フィルタ全量

FineWeb(2024年)はRefinedWebの知見を踏まえつつ15兆トークンに規模を拡大し、より新しい選択肢です。

よくある質問(FAQ)

Q1: RefinedWebとFineWebはどちらを使うべきですか? A: 2025-2026年時点ではFineWebを推奨します。FineWebはRefinedWebの知見を踏まえて構築された後発プロジェクトで、規模(15兆トークン)とフィルタリング品質の両面で改善されています。RefinedWebはFalcon学習の再現実験に有用です。

Q2: 日本語のRefinedWebはありますか? A: 公式には英語のみです。日本語Webコーパスは、国立情報学研究所のllm-jp-corpusやCyberAgent/calm3-corpus等の日本語特化プロジェクトを検討してください。

Q3: 公開版600BトークンでLLMを学習できますか? A: 7B〜13B規模のモデルなら十分です。Chinchillaの法則に基づくと、7Bモデルの最適学習データ量は約140Bトークンなので、600Bトークンは十分な余裕があります。40B以上のモデルでは追加ソースとの混合を検討してください。

まとめ

  • TIIが構築した5兆トークン規模のWebテキストコーパス
  • 独自のMDRパイプラインで4段階フィルタリング
  • Webデータのみでキュレーション済みコーパス品質を達成した画期的成果
  • Falcon 7B/40B/180Bの学習データとして実績
  • 600Bトークンの公開版がHuggingFace Hubで利用可能(ODC-BY-1.0)
この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/20