セガが 1998 年発売した第 6 世代家庭用ゲーム機。Hitachi SH-4 CPU + NEC PowerVR2 GPU / Windows CE 互換 / Web ブラウザ標準 / オンライン対応で先進的、PS2 に敗北し 2001 年セガ家庭用ゲーム機事業撤退。
SEGA Dreamcast(セガ ドリームキャスト、コードネーム Katana)は、株式会社セガ・エンタープライゼス(現 株式会社セガ)が 1998 年 11 月 27 日に日本で、1999 年 9 月 9 日に北米で、2000 年 6 月 14 日に欧州で発売した第 6 世代家庭用ゲーム機です。「Dreamcast」の名称は「Dream(夢)+ Broadcast(放送)」の合成で、「ゲーム機を超えた夢のメディアエンタテイメント機器」というセガのビジョンを表現しました。
セガの戦略的位置付けとしては、Sega Saturn(1994、第 5 世代、PS1 に敗北)の失敗を踏まえ、(1)技術的に先進的なハードウェア、(2)Microsoft Windows CE 互換のソフトウェア開発環境(マルチプラットフォーム展開)、(3)標準モデム内蔵によるオンライン対応(SegaNet)、(4)Web ブラウザ標準搭載、という革新的な機能を盛り込んで「次世代ゲーム機の先頭」を狙いました。
ハードウェア仕様は、(1)CPU: Hitachi SH-4 200MHz(SH4 RISC、当時最先端)・(2)GPU: NEC PowerVR2 100MHz(タイル型レンダリング、3D 性能優秀、後年スマートフォン GPU 系統の祖先)・(3)サウンド: Yamaha Super Intelligent Sound Processor 67MHz・(4)メインメモリ 16MB SDRAM・(5)ビデオメモリ 8MB SDRAM・(6)サウンドメモリ 2MB・(7)GD-ROM ドライブ(GigaDisc、独自規格 1.2GB 容量)・(8)モデム 33.6kbps 標準内蔵 + 後年 56kbps + ブロードバンドアダプタ対応・(9)コントローラポート 4 つ・(10)VMU(Visual Memory Unit、メモリーカード + 小型ゲーム機)、というスペックでした。
ソフトウェア面では、(1)Windows CE 互換のサブ OS をオプションで搭載(「セガ・スポーツ NFL 2K」等の一部タイトルが Windows CE モードで動作)・(2)Web ブラウザ標準搭載(Dream Passport、世界初の家庭用ゲーム機の Web ブラウザ)・(3)SegaNet(オンライン接続サービス、月額 21.95 ドル)、などの先進機能を提供しました。
主要タイトルは、(1)「シェンムー」(1999、ヤフー宙宇社長 鈴木裕プロデュース、開発費 50 億円超の大作 RPG)・(2)「Phantasy Star Online」(2000、世界初の家庭用ゲーム機オンラインRPG)・(3)「ソウルキャリバー」(1999、3D 格闘ゲーム、PS2 版を凌駕する評価)・(4)「クレイジータクシー」(1999、アーケード移植のドライビングゲーム)・(5)「サクラ大戦」シリーズ(2001-)・(6)「Jet Set Radio」(2000、セルシェーディングの先駆け)・(7)「Power Stone」(1999、3D 格闘)・(8)「Resident Evil: Code Veronica」(2000、Capcom)、等の名作が多数登場しました。
しかし、商業的には PlayStation 2(2000 年 3 月日本発売)に敗北しました。敗因は、(1)PS2 の DVD 再生機能による圧倒的な普及力(2000-2002 年に「DVD プレーヤーとして家電」として PS2 が爆発的に普及)、(2)サードパーティの PS2 偏重(EA Sports / Konami / Capcom / Square / 任天堂以外のほぼすべての主要サードパーティが PS2 主軸 + Dreamcast はサブ)、(3)セガ自身のゲーム業界での財務的弱体化(Saturn 失敗の余波)、(4)GD-ROM 1.2GB 容量制限(PS2 は DVD 4.7GB)、(5)海賊版対策の脆弱性(GD-ROM が早期にコピー可能と判明)、などでした。
2001 年 1 月、セガは家庭用ゲーム機事業からの完全撤退を発表、Dreamcast の生産終了 + ソフトウェア事業のマルチプラットフォーム化(PS2 / GameCube / Xbox 等への移植)を進めました。Dreamcast の総出荷台数は約 1,000 万台(日本 + 北米 + 欧州合計)で、PS2(累計 1.55 億台)の 1/15 以下に留まりました。
しかし、Dreamcast は技術的 + 文化的に先進的な家庭用ゲーム機として現代も評価されており、コンピュータゲーム史 + ゲーム機文化研究の重要な対象として記憶されています。Phantasy Star Online のオンラインゲーム文化 + シェンムーのオープンワールド + Web ブラウザ標準対応など、現代のゲーム機 + スマートフォンゲームへの影響は計り知れません。
| 機種 | 発売年 | CPU | GPU | 出荷総数 |
|---|---|---|---|---|
| Dreamcast | 1998 | SH-4 200MHz | PowerVR2 | 1,000 万台 |
| PlayStation 2 | 2000 | EE 294MHz |
| GS 147MHz |
| 1.55 億台 |
| GameCube | 2001 | Gekko 485MHz | Flipper 162MHz | 2,170 万台 |
| Xbox(初代) | 2001 | Pentium III 733MHz | NV2A 233MHz | 2,400 万台 |
Dreamcast は 2001 年に生産終了しているため、現在は中古市場での入手が中心です。中古実機は ¥5,000-30,000 程度で稀に流通中、状態 / 完備性により価格が変動します。GD-ROM ドライブの故障 + メディアの劣化 + コントローラのアナログスティック劣化等の経年問題があるため、購入時は動作確認 + 完備性チェックが重要です。
エミュレータ環境では、Redream(Windows / Mac / Linux 対応、無料 / 有料版あり)・Flycast(オープンソース、クロスプラットフォーム)・nullDC(古い Windows エミュレータ)などが利用可能で、レトロ Dreamcast ゲーム体験を現代 PC で再現できます。Dreamcast 本体 BIOS + GD-ROM の合法な ISO 化は、自身のオリジナルディスクから行うのが基本です。
Q1: なぜ Dreamcast は技術的に先進的だったのに敗北したのですか? A: 主因は 3 つ。(1)PS2 の DVD 再生機能による圧倒的な普及力(2000-2002 年に「DVD プレーヤーとして家電」として PS2 が爆発的に普及)、(2)サードパーティの PS2 偏重(EA Sports / Konami / Capcom 等のほぼすべての主要サードパーティが PS2 主軸)、(3)Sega 自身の Saturn 失敗による財務的弱体化、です。
Q2: Dreamcast の Web ブラウザは実用的でしたか? A: 当時としては実用的でした。Dream Passport(Planet Web 製)で SEGA SaturnNet + 一般 Web サイト閲覧 + Dreamcast 専用 BBS が利用可能で、家庭用ゲーム機で初めて Web 体験を提供しました。Phantasy Star Online のオンラインゲーム + Web 連動が文化的影響大でした。
Q3: シェンムーは現代でもプレイできますか? A: できます。Dreamcast 実機 + 中古ディスクの組み合わせ、Redream / Flycast 等のエミュレータ + ROM、Microsoft Xbox / PS4 / PS5 / Nintendo Switch / Steam の HD リマスター版「シェンムー I & II」(2018)があります。HD リマスター版は ¥3,000-5,000 で購入可能で、現代環境で快適にプレイできます。