Simultaneous Multi-Threading。同時マルチスレッディング
SMT(Simultaneous Multi-Threading)は、1つの物理 CPU コアで複数のスレッドを同時実行する技術です。Intel の「Hyper-Threading(HT)」、AMD の「SMT」として知られ、コア内のリソースを効率的に活用してマルチスレッド性能を向上させます。
物理コアには ALU、FPU、L1 キャッシュ、レジスタファイルなどの実行ユニットがあります。単一スレッドだけではこれらのリソースが常に使われているわけではなく、キャッシュミスやメモリ待ちの「アイドル時間」が頻発します。SMT は2つ目のスレッドにその空きリソースを割り当てることで、同じコアで並列処理を行います。
SMT の性能向上はワークロード依存で大きく変動します:
| ワークロード | SMT 効果 |
|---|---|
| サーバー・ウェブアプリ | +30〜40% |
| データベース処理 | +25〜35% |
| 画像・動画エンコード | +15〜25% |
| 科学計算 | +10〜20% |
| ゲーム(一般) | -5〜+10% |
| ゲーム(一部競技FPS) | -10〜-5% |
| CPU | 物理コア | 論理コア(SMT 有効) |
|---|---|---|
| Ryzen 9 7950X | 16 | 32 |
| Ryzen 9 7900X | 12 | 24 |
| Ryzen 7 7800X3D | 8 | 16 |
| Core i9-14900K | 24 (8P+16E) | 32(Pコアのみ SMT) |
| Core i7-14700K | 20 (8P+12E) | 28 |
注意: Intel の E-core(Efficiency Core)は SMT 非対応のため、物理=論理で計算されます。
Cyberpunk 2077、Apex Legends、VALORANT などの競技タイトルでは、SMT を無効化することで 1〜5% のフレームレート向上やマイクロスタッター減少が報告されています。これはスレッドスケジューラの不適切なコア割り当てが原因です。
2018年以降、SMT を利用したサイドチャネル攻撃(Spectre、Meltdown、L1TF、MDS など)が多数発見されました。高セキュリティ環境では SMT を無効化することが推奨される場合もあります。
Hyper-Threading は Intel の SMT 実装で、機能的には同一ですが以下の特徴があります: