米 Sun Microsystems / Oracle の商用 UNIX 系統。SunOS(BSD 系)を 1991 年 Solaris 1.0 で SysV 系再構築、SPARC / x86 両対応で 1990-2000 年代エンタープライズ UNIX 市場を支配、Oracle Solaris 11.4 現役。
Solaris(ソラリス)は、米 Sun Microsystems が 1991 年に公開、2010 年からは Oracle が継承する商用 UNIX OS 系統です。前身は同社の SunOS(1982-1994、BSD 系派生)で、Sun Microsystems は 1982 年の創業当初から SunOS を主力 OS として SPARC / 68k ワークステーションに展開していました。
しかし 1980 年代後半に AT&T と共同で UNIX SVR4(System V Release 4)を策定したことを受け、Sun は SunOS から SVR4 ベースへの大移行を決断しました。1991 年公開の Solaris 1.0(実際は SunOS 4.1.x の再ブランド版)から始まり、Solaris 2.0(1992、本格 SVR4 ベース、SunOS 5.0 と内部呼称)で完全移行を実現しました。
その後 Solaris 2.1(1992)・2.6(1997)・7(1998、64-bit 対応 + 命名規則変更)・8(2000、Java / IPv6 / WBEM)・9(2002、Resource Manager)・10(2005、ZFS / DTrace / Solaris Containers / SMF などの革新機能)・11(2011-、Image Packaging System / Boot Environments)・11.4(2018-)と進化を続けました。
技術的革新は数多くあります。Solaris 10(2005)で導入された ZFS(Zettabyte File System、容量 16EB / 自動チェックサム / コピーオンライト / スナップショット)・DTrace(Dynamic Tracing、本番環境でのリアルタイム動的トレース)・Solaris Containers(ゾーン、軽量 OS 仮想化、現代 Linux コンテナの祖先)・SMF(Service Management Facility、systemd の祖先)などは、UNIX / Linux 業界に大きな影響を与えた技術です。
主な採用業界は、銀行 / 証券 / 通信 / 製造 / 政府機関のミッションクリティカルなバックエンドシステムで、Oracle Database / SAP / 各種金融取引システムのベースプラットフォームとして広く使われました。1990-2000 年代のエンタープライズ UNIX 市場を AIX(IBM)・HP-UX(HP)・IRIX(SGI)と並んで支配する 4 強の一角でしたが、2000 年代後半から Linux の急速な台頭で市場シェアが圧縮されました。
2010 年に Oracle が Sun Microsystems を買収し、Solaris は Oracle Solaris として継続中です。Oracle Solaris 11.4(2018-)が現役の最新版で、長期サポートが 2031 年まで提供されることが約束されています。OpenSolaris(2008-2010、コミュニティ版)派生の illumos / OpenIndiana / SmartOS は無料オープンソース版として継続中です。
| OS | ベンダー | アーキテクチャ | 終焉 / 現状 |
|---|---|---|---|
| Solaris 11.4 | Oracle | SPARC / x86 | 現役、2031 まで |
| AIX 7.x | IBM | POWER | 現役 |
| HP-UX 11i v3 | HP |
| Itanium |
| 2025 終了予定 |
| IRIX 6.5 | SGI(廃業) | MIPS | 2006 終了 |
| Tru64 UNIX | DEC / HP | DEC Alpha | 2012 終了 |
| Linux(RHEL / SLES) | Red Hat / SUSE | x86 / ARM | 主流継続 |
Oracle Solaris 11.4 は商用ライセンスが必要(個人 / 開発用は無料 OTN License)で、x86-64 で動作可能です。ただし、自作 PC ユーザーが日常的に使う対象ではなく、エンタープライズ UNIX 学習 / 既存 Solaris レガシーシステム保守 / ZFS の本家体験などの用途に限定されます。
無料で UNIX SVR4 系を体験したい場合は、illumos 派生の OpenIndiana(コミュニティ無料)・SmartOS(Joyent 製、現 MNX Solutions 継承)が選択肢となります。これらは Solaris 11 ベースの ZFS / DTrace / Zones を継承しているため、Solaris の主要機能を無料で試せます。
Q1: なぜ Solaris は Linux に押されたのですか? A: 主因は Linux の無料・オープンソース・x86-64 ハードウェア最適化・コミュニティの急速な拡大です。Solaris の SPARC 専用機が高価だったこと、ライセンス料が必要だったこと、Linux の安定性 / 機能が 2000 年代半ばに Solaris に追いついたことが重なりました。
Q2: ZFS は Solaris から派生したのですか? A: はい。ZFS は Solaris 10(2005)で初実装、後に OpenSolaris で公開、現在は OpenZFS としてコミュニティで継続中です。Linux / FreeBSD / illumos / macOS(非公式)で使えます。
Q3: Solaris は今でも使う価値がありますか? A: 既存 Oracle Solaris レガシーシステムの保守・SPARC ハードウェアの活用・ZFS / DTrace / Zones の本家学習用途では今も価値があります。新規構築では Linux / FreeBSD が圧倒的に主流です。