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SPARC(スパーク)

米 Sun Microsystems が 1985 年に発表した RISC 命令セットアーキテクチャ。Solaris UNIX ワークステーションの主軸として展開、1990-2000 年代エンタープライズサーバを支配、現在は富士通 A64FX / Oracle 系統で継続。

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2026/5/9 更新
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概要

SPARC(スパーク、Scalable Processor ARChitecture)は、米 Sun Microsystems が 1985 年に発表した RISC 命令セットアーキテクチャです。1980 年代の RISC 革命を象徴するアーキテクチャのひとつで、David Patterson(後の Turing 賞受賞者、Berkeley RISC の生みの親)の影響を受けた設計です。Sun の Solaris UNIX ワークステーション・サーバの主軸として展開され、Sun-4 / SPARCstation / Ultra / Sun Fire / SPARC Enterprise 等のシリーズに採用されました。

アーキテクチャ仕様は SPARC International というオープン仕様団体で管理され、富士通・Sun(後の Oracle)・LSI Logic・Texas Instruments・Cypress Semiconductor などの複数社が SPARC 互換チップを製造する「オープン RISC ISA」として位置付けられました。1990 年代から 2000 年代前半はエンタープライズサーバ市場を Solaris / SPARC が支配、Oracle / SAP / 銀行 / 通信のミッションクリティカルバックエンドで使われ続けました。2010 年 Oracle が Sun を買収後は Oracle SPARC M7 / M8 として継続、富士通は SPARC64 シリーズで地球シミュレータ(2002)・京(2011)等の日本の主要スーパーコンピュータの心臓部を担当、現在は富士通 A64FX(理研スパコン富岳の CPU)が SPARC の遺伝子を引き継いだ ARM SVE 実装で稼働しています。

主な特徴・仕組み

  • アーキテクチャ: 32-bit / 64-bit RISC、Load/Store 型、3 オペランド命令。
  • レジスタ: 汎用 32 本(Window Register 機構で関数呼出に最適化)、浮動小数点 32 本。
  • 主な実装: SuperSPARC / UltraSPARC II/III/IV/T1/T2/T4/T5 / SPARC64 V/VI/VII/IX / SPARC M7/M8 / 富士通 A64FX(ARM SVE 移行)。
  • 64-bit 化: V9 仕様(1994)、UltraSPARC(1995)で実装。
  • マルチコア: T1(2005、8 コア / 32 スレッド)で業界先行。
  • 採用 OS: Solaris(主軸)、OpenBSD、NetBSD、Linux(限定)。
  • スーパーコンピュータ採用: 地球シミュレータ(2002)、京(2011)、富岳(2020、A64FX)。
  • ライセンス: SPARC International がオープンに管理、複数社実装可能。

主要 64-bit RISC 比較

プロセッサ公開年主な OS結末
SPARC V9 / UltraSPARC1995SolarisOracle / 富士通継続
DEC Alpha1992Tru64 / OpenVMS2004 終了
MIPS1985IRIX / Linux2014 終了
IBM POWER1990AIX / Linux継続中
HP PA-RISC1986HP-UX2008 終了

自作PCユーザー向けの注意点

SPARC はコンシューマ向け CPU ではなく、エンタープライズサーバ / ワークステーション専用です。中古の SPARCstation 5 / 10 / 20 / Ultra 5 等は eBay やメルカリで ¥10,000-50,000 で出現、Solaris OS のレトロ運用やコンピュータ史マニアのコレクション対象として人気があります。

現代 SPARC を使いたい場合は、Oracle Cloud(SPARC M7/M8 ベース)・富士通 PRIMEHPC(A64FX)を借りることで最新世代の SPARC 派生に触れられます。スパコン富岳は同じ富士通製ですが ARMv8.2-A SVE 実装で SPARC 互換ではなくなった点に注意が必要です。

関連用語との違い

  • ARM64(AArch64): SPARC を継承する形で富士通が実装した 64-bit RISC、A64FX で結実。
  • DEC Alpha: 同時代の 64-bit RISC、Tru64 UNIX / OpenVMS で展開。
  • IBM POWER / PowerPC: 別系統 RISC、AIX / Linux で継続中。
  • RISC-V: 2010 年代の新興オープン RISC、SPARC の思想的後継とも見なせる。

よくある質問(FAQ)

Q1: SPARC は今でも開発されていますか? A: Oracle SPARC M8 が現役、富士通は A64FX で ARM SVE に移行しました。新規 SPARC ISA 開発は事実上停止していますが、既存ハードウェアは Solaris / Oracle Cloud で継続稼働中です。

Q2: なぜ富士通は SPARC から ARM に移行したのですか? A: ARM のソフトウェアエコシステム + SVE(Scalable Vector Extension)が富士通のスパコン需要に適合したためです。HPC 用途では ARM 系の方がエコシステムが豊富になりました。

Q3: スパコン富岳は SPARC ですか? A: いいえ。富岳の心臓部 A64FX は ARMv8.2-A SVE 実装で、SPARC 互換ではありません。富士通の SPARC64 系の遺伝子(設計手法・実装ノウハウ)は引き継いでいますが、ISA は別物です。

まとめ

  • Sun Microsystems 1985 年発表のオープン RISC ISA
  • Solaris UNIX サーバ / ワークステーション主軸として展開
  • Oracle SPARC / 富士通 SPARC64 で継続、富岳 A64FX で ARM 移行
  • 1990-2010 年代エンタープライズサーバ支配の伝説的 ISA
この記事について
カテゴリーCPU
難易度上級
作成日2026/5/9