トーンジェネレーター&プローブ(トーンジェネレーターアンドプローブ)
ケーブルの一端に音声信号(トーン)を送信し、もう一端でプローブ(受信機)を使って対象ケーブルを特定する配線探索ツール。壁内や天井裏で束ねられた多数のケーブルから目的の1本を非破壊で見つけ出せる。
トーンジェネレーター&プローブとは
トーンジェネレーター&プローブ(Tone Generator and Probe)は、ネットワーク配線やテレフォン配線の現場で「この端子につながっているケーブルはどれか」を特定するための道具です。ジェネレーター(送信機)がケーブルに特定周波数の信号を載せ、プローブ(受信機)を束線に近づけると対象ケーブルだけがビープ音を返す仕組みです。
動作原理
- ジェネレーターをケーブルの片端(RJ-45、RJ-11、ワニ口クリップ等)に接続
- ジェネレーターが1kHz前後の正弦波または矩形波信号をケーブルに注入
- 信号はケーブル導体を伝搬し、周囲に微弱な電磁界を形成
- プローブ(誘導ピックアップ型)をケーブル束に沿わせると、信号が載ったケーブルのみ検出
- プローブ内蔵スピーカーから「ピーッ」という断続音が鳴り、音量が最大の位置が目的のケーブル
利用シーン
| 場面 | 具体的な使い方 |
|---|---|
| サーバールーム | パッチパネル背面で目的のケーブルを探す |
| 天井裏配線 | 情報コンセントから天井裏HUBまでのルートを追跡 |
| 電話配線 | MDF(主配線盤)で回線番号とケーブルを紐付け |
| 壁内配線 | 壁を壊さずに配線ルートを非破壊で確認 |
| 自作PC環境 | デスク裏の絡まったケーブル束から目的の1本を発見 |
代表的な製品
FLUKE Networks Pro3000
業界標準のトーン&プローブキット。SmartToneテクノロジーにより5種類のトーンパターンを選択でき、密集したケーブル束でも対象を正確に識別します。RJ-45/RJ-11/ワニ口の3種類の接続に対応。価格は12,000〜18,000円程度です。
サンワサプライ LAN-TCT100
コストパフォーマンスに優れた国内ブランド品。基本的なトーン生成・検出機能に加え、簡易的なケーブルテスター機能も搭載。5,000〜8,000円で購入でき、SOHOや小規模オフィスの配線作業に適しています。
Jonard Tools TEP-200
北米で人気のプロ向けモデル。大音量スピーカーと高感度ピックアップにより、ノイズの多い環境でも確実に検出。アナログ電話回線のアクティブ回線検出機能も備えています。
使用上の注意点
- PoE回線には接続しない: PoE給電中のポートにジェネレーターを接続すると機器を破損する恐れがあります
- アクティブなネットワーク機器から外す: HUBやスイッチに接続したままトーンを注入すると通信障害を起こす可能性があります
- 電池残量を確認: プローブの感度は電池電圧に依存するため、検出感度低下時はまず電池交換を試みましょう
- シールドケーブル(STP)は検出困難: シールドが信号を遮蔽するため、UTPケーブルより検出距離が短くなります
よくある質問
Q1: LANケーブルテスターとの違いは何ですか?
A1: LANケーブルテスターは「両端にアクセスできるケーブル」の結線品質を確認するツールです。トーンジェネレーターは「多数のケーブルから目的の1本を特定する」探索ツールで、用途が異なります。
Q2: 壁の中を通っているケーブルも検出できますか?
A2: 石膏ボード1枚程度なら検出可能ですが、金属管(EMT管)や金属製の壁では信号が遮蔽されて検出できないことがあります。
Q3: 光ファイバーケーブルにも使えますか?
A3: 使えません。トーンジェネレーターは銅線(導体)に電気信号を載せる仕組みのため、ガラス/プラスチック導体の光ファイバーには対応していません。光ファイバーの識別にはビジュアルフォールトロケーター(VFL、赤色レーザー)を使います。