Vicunaフォーマット(ビクーニャフォーマット)
UC Berkeley等が開発したVicunaモデルが採用する会話テンプレート。`USER:`/`ASSISTANT:`のラベルで発話を区切り、長めのシステムプロンプトとともにSFT(Supervised Fine-Tuning)に用いられた形式。
Vicunaフォーマット — ShareGPT由来の対話テンプレート
Vicunaは2023年3月にUC Berkeley・CMU・スタンフォード・UCSCの研究者らが共同で公開したオープンソースチャットモデル。Meta LLaMA-13BをShareGPTから収集したGPT-4との実際の会話データ(約70,000件)でファインチューニングしており、USER:/ASSISTANT:を使ったシンプルな会話形式を採用した。
Vicunaフォーマットの基本構造
A chat between a curious user and an artificial intelligence assistant. The assistant gives helpful, detailed, and polite answers to the user's questions.
USER: DDR5メモリとDDR4メモリの違いを教えてください。
ASSISTANT: DDR5とDDR4の主な違いは以下の通りです...</s>
USER: 具体的な速度差はどのくらいですか?
ASSISTANT:
テンプレートの特徴
- システムプロンプト: 冒頭に固定文で性格を定義
- 発話区切り: USER: と ASSISTANT: の大文字ラベル
- ターン終端: </s>(EOS トークン)
- シンプルさ: 特殊トークン不使用、プレーンテキストに近い形式
FastChatフレームワークとの統合
VicunaはLMSYS ORGのFastChatフレームワークと密接に統合されており、FastChatがVicunaフォーマットの参照実装となった。Chatbot Arena(lmarena.ai)のバックエンドとして2025年現在も維持されている。
Chatbot Arenaでの評価(2023年当時)
| モデル | Eloスコア | 特記 |
|---|---|---|
| GPT-4 | 1274 | 最高性能(当時) |
| GPT-3.5-Turbo | 1127 | |
| Vicuna-13B | 1054 | オープンソース最高峰(当時) |
| Alpaca-13B | 904 |
Vicuna-13Bは「GPT-4の90%の品質」と評されLLMの民主化を象徴するモデルとなった。
Vicunaフォーマットの後継・影響
- WizardLM: Vicunaフォーマットをベースに複雑な命令(Evol-Instruct)で拡張
- FastChat-T5: Vicuna形式をT5系モデルに適用
- OpenChat: Vicuna形式からGALORE/C-RLFT手法へ発展
現在の位置づけ(2025年)
Vicunaフォーマット自体は2023年の手法で、最新モデルはChatML/Llama 3形式に移行している。ただし以下の用途で参照される:
- 2023年モデルとの互換性(Vicuna-1.5/WizardLM-2等)
- Chatbot Arena研究(LLM評価手法の基準として)
- ShareGPTデータを使ったSFT研究
よくある質問
Q: VicunaとAlpacaのフォーマットの違いは? A: Alpacaは### Instruction:形式で単一ターン命令応答、VicunaはUSER:/ASSISTANT:で双方向対話を模倣。Vicunaの方がより自然な会話に近い形式。
Q: FastChatはまだ使われているか? A: 2025年現在、vLLM/SGLang/Ollamaが主流となりFastChatの利用は減少しているが、Chatbot Arena(lmarena.ai)のバックエンドとして維持されている。
Q: VicunaはChatMLに移行しているか? A: Vicuna-1.5(2023年9月)以降はLlama 2の[INST]形式に変更。オリジナルUSER:/ASSISTANT:形式はVicuna-1.3以前のレガシーモデル専用となっている。