ベアメタルクラウド(ベアメタルクラウド)
物理サーバ専有型クラウド。AWS EC2 Bare Metal(i4i.metal・m7i.metal-48xl)・Oracle Cloud Bare Metal(BM.GPU.H100.8 $8/h)・IBM Cloud Bare Metal・Equinix Metal・OVHcloud Bare Metal・Vultr Bare Metalが代表、仮想化layer無しで低レイテンシ+full HW制御実現。
概要
ベアメタルクラウドは、仮想化層を介さずに物理サーバを専有できるクラウドサービスである。
物理リソースをそのまま利用できるため、レイテンシが低く、ハードウェア制御がフルに可能である。
代表的なプロバイダーとして、AWS EC2 Bare Metal(i4i.metal・m7i.metal‑48xl)、Oracle Cloud Bare Metal(BM.GPU.H100.8)、IBM Cloud Bare Metal、Equinix Metal、Vultr Bare Metal などが挙げられる。
主な特徴・仕組み
- 物理サーバを専有できるため、VM のオーバーヘッドが発生しない
- ネットワークレイテンシは 1 ms 未満(10 Gbps 以上のインターフェース)
- GPU 付きインスタンスは NVIDIA RTX 5090 などを搭載可能
- ストレージは NVMe SSD(最大 8 TB)や SATA HDD(最大 12 TB)を選択
- 直接ハードウェア制御が可能で、BIOS 設定やファームウェア更新を自前で行える
- 料金体系は従量課金(時間単位)で、追加オプションはオプション料金で提供
- 2025年に導入された「次世代 25 Gbps 以降のネットワークスイッチ」をサポート
- 2026年に発表された「AI 専用ベアメタル」では、CPU 48 vCPU、RAM 384 GB、GPU 8 枚を同時搭載
- 物理サーバの管理は API で自動化でき、IaC ツールとの統合が容易
- 24 時間のハードウェア監視と 99.99 % の稼働率 SLA を提供
スペック/製品比較表
| プロバイダー | 型番 | vCPU | RAM | GPU | ストレージ | ネットワーク | 料金($/h) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| AWS EC2 Bare Metal | i4i.metal | 48 | 384 GB | 1 RTX 5090 | 8 TB NVMe | 25 Gbps | 3.20 |
| AWS EC2 Bare Metal | m7i.metal‑48xl | 48 | 384 GB | 8 RTX 5090 | 8 TB NVMe | 25 Gbps | 5.70 |
| Oracle Cloud Bare Metal | BM.GPU.H100.8 | 48 | 384 GB | 8 H100 | 8 TB NVMe | 25 Gbps | 6.00 |
| IBM Cloud Bare Metal | 1‑CPU‑8‑GB | 8 | 8 GB | なし | 1 TB SATA | 10 Gbps | 0.45 |
| Equinix Metal | 2‑CPU‑16‑GB | 16 | 16 GB | なし | 2 TB SATA | 10 Gbps | 0.70 |
| Vultr Bare Metal | 4‑CPU‑32‑GB | 32 | 32 GB | なし | 4 TB NVMe | 10 Gbps | 1.10 |
具体例・対応製品
- AWS EC2 i4i.metal:データベースクラスタの高速 I/O が必要な金融系アプリに最適。
- AWS EC2 m7i.metal‑48xl:AI/ML ワークロードで 48 vCPU と 8 RTX 5090 を同時に利用。
- Oracle BM.GPU.H100.8:GPU を 8 枚搭載し、ディープラーニング推論に 5.7 GHz の CPU を併用。
- IBM Cloud Bare Metal 1‑CPU‑8‑GB:開発・テスト環境で 10 Gbps のネットワークを活用。
- Equinix Metal 2‑CPU‑16‑GB:エッジコンピューティングで低レイテンシを重視。
- Vultr Bare Metal 4‑CPU‑32‑GB:Web アプリのスケーラブルなバックエンドに適合。
自作PCでの選び方・注意点
- CPU:ベアメタルでは 5.7 GHz 以上のクロックが可能なプロセッサを選択。
- メモリ:最低 32 GB 以上、256 GB 以上を推奨。
- GPU:RTX 5090 などの最新 GPU を搭載し、CUDA コア数を確認。
- ストレージ:NVMe SSD は 8 TB まで拡張可能。RAID 0/1 の構成で冗長性を確保。
- ネットワーク:25 Gbps 以上の NIC を装着し、低レイテンシを実現。
- 電源:80 PLUS Gold 以上の 1000 W 以上を推奨。
- 冷却:水冷または高性能ファンで 35 °C 以下を維持。
- BIOS:UEFI で Secure Boot を無効化し、カスタムファームウェアをロード。
- 監視:IPMI または Redfish API を利用し、リモート管理を実装。
- バックアップ:定期的にイメージを取得し、オフサイトに保管。
関連用語との違い
- 仮想化クラウド:CPU とメモリを仮想マシンに割り当てるため、物理リソースのオーバーヘッドが発生。
- コンテナクラウド:OS カーネルを共有し、軽量化を図るが、ハードウェア制御は限定的。
- ベアメタルクラウド:物理サーバを専有し、ハードウェアレベルでの完全制御が可能。
- IaaS:インフラを提供するが、ベアメタルは IaaS の中でも物理専有型。
よくある質問
Q1. ベアメタルクラウドはどのようなワークロードに向いていますか?
A1. 高 I/O 要件を持つデータベース、GPU を大量に使用する AI/ML、低レイテンシが必要な金融取引などに適しています。
Q2. 料金はどのように計算されますか?
A2. 時間単位で課金され、CPU、RAM、GPU、ストレージ、ネットワーク帯域ごとに別料金が設定されています。
Q3. 物理サーバの管理は自前で行う必要がありますか?
A3. API で自動化が可能ですが、BIOS 設定やファームウェア更新はユーザー側で管理する必要があります。
まとめ
ベアメタルクラウドは、仮想化を介さずに物理サーバを専有できるため、レイテンシ低減とフルハードウェア制御を実現。
AWS、Oracle、IBM、Equinix、Vultr など多様なプロバイダーが提供し、CPU 48 vCPU、RAM 384 GB、GPU 8 枚、ストレージ 8 TB、ネットワーク 25 Gbps などの高性能構成が可能。
自作PCでの構築時は CPU、GPU、ストレージ、ネットワーク、電源、冷却、BIOS などを総合的に検討し、監視とバックアップを徹底することで、安定した運用が実現できる。