ケースサイズ(ケースサイズ)
PCケース規格サイズ。ITX(170x170mm・Mini-ITX専用)・Micro-ATX(244x244mm)・ATX(305x244mm)・E-ATX(305x330mm)・HPTX/XL-ATXが代表で、Lian Li O11 Dynamic EVO・Fractal Torrent・Phanteks Evolv X2が定番。
概要
ケースサイズとは、PCケースの外寸を規定する標準規格であり、マザーボードの形状と密接に結びついている。代表的な規格は Mini‑ITX(170 × 170 mm)、Micro‑ATX(244 × 244 mm)、ATX(305 × 244 mm)、E‑ATX(305 × 330 mm)、XL‑ATX(330 × 420 mm)などがある。
各規格は、取り付け可能な拡張カードの数、冷却ファンの数、冷却パネルの大きさ、電源ユニットのサイズなどに影響を与える。自作PCを組む際は、使用するマザーボードと相性の良いケースサイズを選ぶことが最優先である。
主な特徴・仕組み
- Mini‑ITX
- 170 × 170 mm の極小サイズ。2枚の拡張カードスロットしか無いが、コンパクトなシステムに最適。
- Micro‑ATX
- 244 × 244 mm。最大4枚の拡張カードスロットを備え、一般的なデスクトップ向け。
- ATX
- 305 × 244 mm。最大7枚の拡張カードスロット、5.25"ドライブベイが2つまで設置可能。
- E‑ATX
- 305 × 330 mm。大型マザーボード用で、最大8枚の拡張カードスロット、6.5"ドライブベイが2つ。
- XL‑ATX
- 330 × 420 mm。最も大きい規格で、最大10枚の拡張カードスロット、8.5"ドライブベイが2つ。
数値スペック
| 規格 | 幅 (mm) | 高さ (mm) | 奥行き (mm) | 拡張カードスロット | 5.25"ドライブベイ | 3.5"ドライブベイ | 2.5"ドライブベイ | 冷却ファン最大数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Mini‑ITX | 170 | 170 | 170 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 |
| Micro‑ATX | 244 | 244 | 244 | 4 | 1 | 2 | 2 | 3 |
| ATX | 305 | 244 | 305 | 7 | 2 | 4 | 4 | 5 |
| E‑ATX | 305 | 330 | 305 | 8 | 2 | 5 | 5 | 6 |
| XL‑ATX | 330 | 420 | 330 | 10 | 2 | 6 | 6 | 7 |
- 電源ユニット
- ATX規格では 150 mm 高さの電源が一般的。XL‑ATX では 180 mm 高さまで対応。
- 冷却パネル
- 360 mm ラジエーターを前面に設置できるケースが多い。
- ファン
- 120 mm 前面ファン、140 mm 後面ファン、または 140 mm 2枚設置可能。
スペック/製品比較表
| 製品名 | 型番 | ケースサイズ | 主要特徴 | 推奨用途 |
|---|---|---|---|---|
| Lian Li O11 Dynamic EVO | O11D EVO | ATX | 360 mm ラジエーター前面、360 mm ラジエーター上部、3枚の 120 mm ファン | 高性能ゲーミング |
| Fractal Design Torrent | Torrent | ATX | 360 mm ラジエーター前面、360 mm ラジエーター上部、3枚の 120 mm ファン | RGB コントロール重視 |
| Phanteks Evolv X2 | Evolv X2 | ATX | 360 mm ラジエーター前面、360 mm ラジエーター上部、3枚の 120 mm ファン | スリム設計 |
| Cooler Master MasterBox NR600 | NR600 | ATX | 120 mm ファン 2枚、シンプル設計 | コストパフォーマンス |
| NZXT H710i | H710i | ATX | 360 mm ラジエーター前面、360 mm ラジエーター上部、3枚の 120 mm ファン | オールインワン制御 |
| Corsair 4000D | 4000D | ATX | 120 mm ファン 2枚、シンプル設計 | エントリーレベル |
| Thermaltake View 71 | View 71 | ATX | 360 mm ラジエーター前面、360 mm ラジエーター上部、3枚の 120 mm ファン | 透明設計 |
| be quiet! Dark Base Pro 900 | Dark Base Pro 900 | ATX | 360 mm ラジエーター前面、360 mm ラジエーター上部、3枚の 120 mm ファン | 静音設計 |
具体例・対応製品
- Mini‑ITX
- ASUS ROG Strix B650-I Gaming
- Gigabyte B650I AORUS Elite
- Micro‑ATX
- MSI MAG B650M Mortar
- ASUS TUF Gaming B650M-Plus
- ATX
- ASUS ROG Strix X670E-F Gaming
- MSI MPG X670E Carbon WiFi
- E‑ATX
- ASUS ROG Rampage Z790 Extreme
- MSI MEG Z790 ACE
- XL‑ATX
- ASRock X299 Taichi
- ASUS Pro WS C621-64L SAGE
自作PCでの選び方・注意点
- マザーボードの規格確認
- まずはマザーボードのサイズを確認し、ケースがそれに合致するか確認。
- 拡張カードの必要枚数
- GPU、サウンドカード、NVMeカードなどを考慮し、スロット数を確保。
- 冷却環境
- 360 mm ラジエーターを設置したい場合は、前面または上部に十分なスペースがあるケースを選ぶ。
- 電源ユニットのサイズ
- ATX 150 mm か XL‑ATX 180 mm かを確認し、対応サイズの電源を選択。
- ドライブベイの数
- SSD 2.5" と HDD 3.5" を同時に使いたい場合は、両方のベイがあるケースを選ぶ。
- ファンの取り付け位置
- 120 mm と 140 mm のファンを複数設置できるかを確認。
- 重量と搬送性
- 大型ケースは重量が増すため、搬送時の手間を考慮。
- 価格帯
- 高機能ケースは価格が上がるが、必要な機能を見極めて選択。
- デザインとパーツの可視化
- 透明パネルやRGBライトを重視する場合は、対応するケースを選択。
- 将来のアップグレード
- 2025 年以降に GPU の性能が上がることを考慮し、拡張カードスロットの余裕を持つケースを選ぶ。
関連用語との違い
- マザーボード
- ケースサイズはマザーボードの規格に合わせる必要があるが、マザーボード自体はCPU、メモリ、拡張カードの基盤。
- 電源ユニット(PSU)
- 電源のサイズはケースの規格に合わせて選択。ATX 150 mm は標準、XL‑ATX 180 mm で対応。
- 冷却ファン/ラジエーター
- ケースサイズにより設置可能なファンやラジエーターの大きさが決まる。
- ドライブベイ
- 2.5" と 3.5" のドライブベイはケースの内部構造により数が決定。
よくある質問(FAQ)
Q1: Mini‑ITX で高性能GPUを使う場合、ケースサイズはどう選べばいいですか?
A1: Mini‑ITX は拡張カードスロットが 1 枚しかないため、GPU はそのスロットを占有します。GPU の長さが 300 mm 以内であれば、Mini‑ITX ケースでも問題ありません。大型 GPU を使う場合は Micro‑ATX か ATX を検討してください。
Q2: 2026 年に発売予定の次世代マザーボードはどのケースサイズが最適ですか?
A2: 次世代マザーボードは 2025 年以降に E‑ATX や XL‑ATX が主流になる可能性があります。将来的に GPU や冷却機能を拡張したい場合は、E‑ATX か XL‑ATX のケースを選ぶと安心です。
Q3: 360 mm ラジエーターを設置したいが、ATX ケースで可能ですか?
A3: はい、多くの ATX ケースは前面または上部に 360 mm ラジエーターを設置できます。Lian Li O11 Dynamic EVO、Fractal Design Torrent、Phanteks Evolv X2 などは前面に 360 mm ラジエーターを設置可能です。
まとめ
ケースサイズは自作PCにおいてマザーボードと冷却環境、拡張性を決定づける重要な要素です。Mini‑ITX から XL‑ATX まで幅広い規格が存在し、用途や予算、将来のアップグレード計画に応じて選択することが求められます。
2025 年以降の次世代ハードウェアを想定すると、E‑ATX や XL‑ATX のケースは拡張性と冷却性能を兼ね備えているため、長期的に高性能を維持したいユーザーにおすすめです。
一方、コンパクトにまとめたい場合は Mini‑ITX、Micro‑ATX が最適で、コストパフォーマンスと設置スペースのバランスが取れます。
自作PCを組む際は、必ずマザーボードの規格を確認し、必要な拡張カード数、冷却ファン数、ドライブベイ数を把握した上で、適切なケースサイズを選ぶことが成功への鍵となります。