CPU IHS/Delidding(シーピーユーアイエイチエス)
CPU Heatspreader除去技術。IHS(Integrated Heat Spreader・銅製ニッケルメッキ)・Delid(IHS剥離)・Rockit Cool Ryzen/Intel Delid Tool(¥8,800)・der8auer Direct Die Frame(LGA1700/AM5・¥18,000)・Liquid Metal Conductonaut(+10-20℃改善)・Thermal Grizzly KryoSheet・IHS vs Direct Die・Warranty無効化リスク・Intel 14900K/Ryzen 9950X対象・2026年エンスージアスト定着、温度差大。
概要
CPU IHS/Delidding は、CPU の表面に貼られた銅製ニッケルメッキのヒートスプレッダー(IHS)を剥離し、直接ダイ(Die)へ冷却材を塗布する技術です。2025年に登場した Liquid Metal Conductonaut をはじめ、2026年には「エンスージアスト定着」段階に入り、温度差 15〜20℃ 以上の改善が報告されています。IHS 剥離は、Intel Core i9‑14900K や AMD Ryzen 9 9950X など、ハイエンド CPU で特に効果が顕著です。
ただし、IHS を剥離するとメーカー保証が無効化されるリスクがあるため、自己責任での作業が前提です。2025年のリリースで IHS 交換用の “Rockit Cool Ryzen Delid Tool” が低価格で販売され、2026年には der8auer の “Direct Die Frame” が LGA1700/AM5 対応で人気を集めています。
主な特徴・仕組み
- IHS(Integrated Heat Spreader)
- 銅製ニッケルメッキで構成され、熱抵抗は 0.12 °C/W(Intel)
- Delid(IHS 剥離)
- IHS を 0.5 mm 以内の厚さに削り、ダイ表面を露出
- Direct Die Cooling
- Liquid Metal Conductonaut(導電率 0.4 S/m)を塗布し、熱抵抗を 0.02 °C/W に低減
- KryoSheet
- 3 mm 厚の金属シートで、IHS 代替として 5 °C 低温を実現
- Direct Die Frame
- LGA1700/AM5 用の金属フレームで、熱伝導率 400 W/m·K、重さ 200 g
- 温度差
- Intel Core i9‑14900K:TDP 250 W → 12 °C 減温
- AMD Ryzen 9 9950X:TDP 350 W → 18 °C 減温
- 作業コスト
- Rockit Cool Ryzen Delid Tool:¥8,800
- der8auer Direct Die Frame:¥18,000
- Liquid Metal Conductonaut:¥6,500
- 保証
- Intel/AMD 公式保証は無効化(保証書に “Delid” と記載)
- 2025年動向
- 「Delid 競争」が始まり、国内メーカーが専用ツールを発売
- 2026年動向
- 「エンスージアスト定着」フェーズで、IHS 剥離が標準化に近づく
- 2026年最新
- 2026年の CPU 発売時点で、AMD Ryzen 7 7800X3D で 15 °C 低温が報告
スペック比較表
| 項目 | IHS(標準) | Direct Die(Delid) |
|---|---|---|
| 熱抵抗 (°C/W) | 0.12 | 0.02 |
| TDP (W) | 250 | 250 |
| 温度差 (°C) | 0 | -15 |
| 作業コスト (¥) | 0 | 8,800 + 6,500 |
| 保証 | 有効 | 無効 |
| 推奨用途 | エントリー/ミドル | ハイエンド / オーバークロック |
具体例・対応製品
| 製品名 | 型番 | 対応プロセッサ | 主要特徴 |
|---|---|---|---|
| Rockit Cool Ryzen Delid Tool | 1.0 | AMD AM5, LGA1700 | IHS 剥離を簡易化、作業時間 30 分 |
| der8auer Direct Die Frame | 3.2 | LGA1700 / AM5 | 直接ダイへ接続、熱伝導率 400 W/m·K |
| Liquid Metal Conductonaut | 2.5 | Intel Core i9‑14900K, AMD Ryzen 9 9950X | 15 °C 低温、導電率 0.4 S/m |
| Thermal Grizzly KryoSheet | 1.5 | すべての CPU | IHS 代替、5 °C 低温、厚さ 3 mm |
| Intel Core i9‑14900K | 14900K | LGA1700 | 14 コア/20 スレッド、TDP 250 W |
| AMD Ryzen 9 9950X | 9950X | AM5 | 16 コア/32 スレッド、TDP 350 W |
| Intel Core i7‑14700K | 14700K | LGA1700 | 12 コア/20 スレッド、TDP 250 W |
| AMD Ryzen 7 7800X3D | 7800X3D | AM5 | 8 コア/16 スレッド、TDP 250 W |
| Intel Core i5‑14600K | 14600K | LGA1700 | 6 コア/12 スレッド、TDP 125 W |
自作PCでの選び方・注意点
- CPU の TDP と冷却ニーズ
- TDP が 250 W 以上の場合、Delid で 10〜20 °C の差が有意。
- 作業スキルと道具
- IHS 剥離は精密工具が必要。作業は 1–2 時間。
- 保証の取り扱い
- 公式保証を維持したい場合は Delid を避ける。
- 冷却材の選択
- Liquid Metal は高導電率だが、漏れに注意。
- フレームの互換性
- LGA1700 / AM5 であれば der8auer Frame が標準。
- 予算
- Delid ツール+冷却材で 15,000 ¥ 程度。
- 温度モニタリング
- BIOS で TDP 設定を確認し、実際の温度を測定。
- 電源容量
- TDP が 350 W 以上なら 650 W 以上の PSU 推奨。
関連用語との違い
- IHS (Integrated Heat Spreader)
- CPU 本体に一体化された熱拡散材。
- Delid
- IHS を剥離し、直接ダイへ冷却材を塗布する作業。
- Direct Die
- IHS 剥離後の状態を指す。
- KryoSheet
- IHS 代替として金属シートを使用する手法。
- Liquid Metal
- 高導電率の冷却材。
- Direct Die Frame
- IHS 剥離後に使用する金属フレーム。
よくある質問 (FAQ)
Q1. Delid 作業で保証はどうなるのですか?
A1. IHS を剥離すると、Intel/AMD の公式保証は無効になります。保証を維持したい場合は作業を控えてください。
Q2. Liquid Metal と KryoSheet のどちらが優れていますか?
A2. Liquid Metal は熱抵抗を 0.02 °C/W に低減できる一方、漏れのリスクがあります。KryoSheet は安定した 5 °C 低温を提供し、作業が簡易です。用途とリスク許容度で選択してください。
Q3. 2026年の最新トレンドは何ですか?
A3. 2026年には「エンスージアスト定着」フェーズに入り、Delid がハイエンドユーザーの標準化に近づいています。AMD Ryzen 9 9950X で 18 °C 低温、Intel Core i9‑14900K で 12 °C 低温が報告されています。
まとめ
CPU IHS/Delidding は、ハイエンド CPU で 10〜20 °C 以上の温度差を実現できる高効率冷却手法です。2025年のツール登場から 2026年のエンスージアスト定着まで、技術と市場は急速に成熟しています。Delid を行う際は、保証無効化リスクと作業難易度を十分に考慮し、適切なツールと冷却材を選択することが成功の鍵です。