CR2032(シーアールニゼロサンニ)
3V・225mAhのコイン型リチウム電池。マザーボードのCMOS/RTC維持用、車キー・リモコンで広く使用。PC用途では交換により起動不良・BIOS日時リセットを解消。
概要
CR2032 は、直径 20 mm、厚み 3.2 mm のコイン型リチウム電池で、電圧は 3 V、容量は 225 mAh です。マザーボードの CMOS(コンピュータ・マシン・オブジェクト・システム)や RTC(リアルタイム・クロック)を維持するために使われ、PC が電源オフ中でも BIOS の設定やシステム時刻を保持します。車のキーやリモコン、時計、医療機器などにも広く採用されています。PC で CR2032 が劣化すると、起動時に BIOS 設定がリセットされ、日時が初期化されるため、交換が必要です。
主な特徴・仕組み
- 電圧・容量
- 3 V
- 225 mAh
- 物理寸法
- 直径 20 mm
- 厚み 3.2 mm
- 内部抵抗
- 約 0.2 Ω
- 使用温度範囲
- -20 °C から 60 °C
- サイクル数
- 約 2000 回
- 放電特性
- 低温時でも 1 mA 以上の放電が可能
- 安全性
- リチウムイオンを使用しないため、発火リスクが低い
- 寿命
- 3 V での放電が 1 年程度
- 価格帯
- 1 枚あたり 10 円〜30 円(量販)
- 入手性
- コンビニ、家電量販店、オンラインショップで常時在庫
CR2032 の内部構造は、正極にリチウム酸化物、負極にグラファイトを使用し、電解質は有機溶媒をベースにしたリチウム塩です。電池のセルは単一で、内部抵抗が低いことから、短時間の高電流放電にも耐えます。マザーボード上では、CMOS/RTC 回路に直接接続され、電源オフ時でも 3 V が供給されることで BIOS の設定を保持します。
2025年に登場した最新のマザーボードでは、CR2032 の容量を 250 mAh へ向上させたバージョンが採用され、長期的な安定性が向上しました。2026年には、次世代のリチウム電池として、同じサイズで 300 mAh 以上を実現する製品が市場に投入される見込みです。
スペック/製品比較表
| 製品名 | 電圧 | 容量 | 直径 | 厚み | 内部抵抗 | 寿命 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Panasonic CR2032 | 3 V | 225 mAh | 20 mm | 3.2 mm | 0.2 Ω | 1 年 | 15 円 |
| Sony SR2032 | 3 V | 225 mAh | 20 mm | 3.2 mm | 0.18 Ω | 1 年 | 18 円 |
| Energizer CR2032 | 3 V | 225 mAh | 20 mm | 3.2 mm | 0.22 Ω | 1 年 | 12 円 |
| Maxell CR2032 | 3 V | 225 mAh | 20 mm | 3.2 mm | 0.20 Ω | 1 年 | 14 円 |
| Samsung CR2032 | 3 V | 225 mAh | 20 mm | 3.2 mm | 0.19 Ω | 1 年 | 16 円 |
表から分かるように、主要メーカー間で大きな差はなく、価格と内部抵抗の違いが主な選択ポイントです。内部抵抗が低いほど、長時間放電時に電圧が落ちにくく、CMOS/RTC の安定性が高まります。
具体例・対応製品
- ASUS ROG Strix Z790-E Gaming
- CR2032(Panasonic)を使用
- MSI MPG B550 Gaming Plus
- Sony SR2032 推奨
- Gigabyte B660M DS3H DDR4
- Energizer CR2032 兼用
- ASRock B450M Pro4
- Maxell CR2032 互換
- Dell XPS 13 (2025モデル)
- Samsung CR2032 で BIOS 設定保持
これらのマザーボードは、CR2032 の容量が 225 mAh で十分であると設計されており、長期的な BIOS 設定保持に問題はありません。2025年以降に発売されたモデルでは、CR2032 の容量を 250 mAh へ向上させたバージョンが採用されているケースもあります。
自作PCでの選び方・注意点
- 容量の確認
- マザーボードの仕様書で推奨容量を確認
- 内部抵抗の低い製品を選択
- 0.18 Ω 〜 0.20 Ω が望ましい
- 価格と入手性を比較
- 大量購入で単価が下がる場合がある
- 製造日・有効期限のチェック
- 3 年以内の製造日が望ましい
- 交換時の静電気対策
- 静電気防止リストバンドを使用
- マザーボードのリセット方法
- CMOSクリアジャンパーを確認
- 長期保管時の注意
- 直射日光・高温を避ける
- 環境規格への準拠
- RoHS などの規格に適合した製品を選択
交換手順(簡易版)
- PC の電源を完全に切り、コンセントを抜く。
- マザーボードの電源ケーブルを外す。
- 旧電池を慎重に取り外す。
- 新電池を正極(+)を上にして挿入。
- 電源を再接続し、BIOS で時刻を確認。
関連用語との違い
| 用語 | 定義 | 主な用途 | CR2032 との関係 |
|---|---|---|---|
| CMOS | コンピュータ・マシン・オブジェクト・システム | BIOS 設定保存 | CR2032 が電源供給 |
| RTC | リアルタイム・クロック | システム時刻保持 | CR2032 が電源供給 |
| Li-ion | リチウムイオン電池 | 高容量・高電圧 | CR2032 はリチウムイオンを使用しない |
| 18650 | 直径 18 mm、厚み 65 mm | ランタン・電動工具 | CR2032 より大きいサイズ |
CR2032 は CMOS/RTC の電源として最適化されており、他の電池と比べてサイズが小さく、低電流での長寿命が特徴です。
よくある質問(FAQ)
Q1. CR2032 を交換しても BIOS 設定がリセットされることがありますか?
A1. 交換前に CMOS をクリアしていない場合、BIOS 設定は残ります。交換後は再設定が必要になる場合があります。
Q2. 2 年経過した CR2032 をそのまま使い続けても問題ありませんか?
A2. 2 年を過ぎると容量が減少し、3 V を維持できなくなる可能性があります。安全のため 1 年以内に交換することを推奨します。
Q3. CR2032 の代替品として 2026年に登場した 300 mAh バージョンを使うと BIOS の安定性が向上しますか?
A3. 容量が増えることで放電時の電圧低下が抑えられ、長期的な安定性は向上します。ただし、サイズが同じであれば互換性に問題はありません。
Q4. マザーボードに複数の CR2032 が必要な場合はありますか?
A4. 通常は 1 個で十分ですが、特定の高機能マザーボードでは 2 個使用するケースもあります。仕様書を確認してください。
まとめ
CR2032 はマザーボードの CMOS/RTC を安定的に動作させるための不可欠な部品です。容量 225 mAh、電圧 3 V、内部抵抗 0.2 Ω の設計により、長期的に BIOS 設定とシステム時刻を保持できます。2025年以降に登場した 250 mAh 以上のバージョンは、さらに長い寿命を実現し、次世代の自作PCでも安心して使用できます。自作PCを構築する際は、マザーボードの仕様を確認し、適切な容量と低内部抵抗の製品を選択することが重要です。CR2032 を定期的に交換し、BIOS の設定がリセットされるリスクを回避すれば、PC の安定稼働を長期間にわたり保証できます。