FUJITSU FM-7(フジツウエフエムセブン)
富士通1982年11月発売の8bitホビーPC。MB68B09 2MHz×2・¥126,000・国産PC御三家の1機。
概要
FUJITSU FM-7(FUJITSU Micro 7)は、富士通株式会社が1982年11月25日に¥126,000で発売した8bitホビー/教育用パーソナルコンピュータで、当時の日本ホビーPC市場でNEC PC-8801・SHARP X1と並ぶ「ホビーPC御三家」の1角を担った歴史的機種。Motorola系MB68B09 2MHzプロセッサ(メイン+サブのデュアル68B09構成)を採用、Z80系が主流の当時の日本市場で異色の存在だった。8色同時表示・YM2203 FM音源対応(オプション)・F-BASICによる手軽なプログラミング環境で、当時の中高生・学生層に絶大な支持を得た。後継機FM-77(1984年)→FM-77AV(1985年、4096色256色同時)→FM-TOWNS(1989年、CD-ROM搭載32bit機、別系列)と発展、1980年代の日本コンピュータ史で重要な位置を占める。CMタレント・湯川専務(湯川英一氏)の風貌で大ヒットしたCMキャラクターも世代記憶。累計国内販売100万台超(推定、1982-1989)、現在中古市場では動作品¥3,000-30,000(型番・付属品で大幅変動)で流通。
主な特徴・仕組み
- メインCPU: Motorola MB68B09 2MHz(メイン)
- サブCPU: MB68B09 2MHz(音声・I/O処理)
- メモリ: メイン64KB、ビデオ48KB
- 表示: 640×200 8色同時、TVへのRGB/コンポジット出力
- サウンド: PSG単音内蔵、YM2203 FM音源カードオプション
- メディア: カセットテープ標準、5.25"FDDオプション(¥39,800別売)
- OS: F-BASIC 3.0(ROM内蔵)
- キーボード: 一体型JIS配列72キー
- 価格: ¥126,000(本体)、+¥39,800(5.25"FDD)
- 累計国内販売: 100万台超推定(1982-1989)
スペック比較表
| 機種 | 発売 | CPU | 表示 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| FM-7 | 1982/11 | MB68B09×2 2MHz | 640×200 8色 | ¥126,000 | 6809系・御三家 |
| PC-8801 | 1981/11 | Z80A 4MHz | 640×200 8色 | ¥168,000 | NEC・御三家 |
| X1 | 1982/11 | Z80A 4MHz | 640×200 8色 | ¥155,000 | SHARP・御三家 |
| FM-77AV | 1985/10 | MB68B09×2 2MHz | 320×200 4096色256色 | ¥150,000 | 多色化 |
| MSX | 1983/06 | Z80A 3.58MHz | 256×192 16色 | ¥54,800 | 国際統一規格 |
具体例・対応製品
- FM-7本体: ¥126,000(1982年11月25日)
- FM-7用5.25"FDD: ¥39,800(オプション)
- FM音源カードYM2203: ¥9,800(オプション)
- FM-77(1984年¥168,000): 後継機・キーボード分離型
- FM-77AV(1985年10月¥150,000): 4096色256色同時の多色化版
- FM-77AV40(1987年¥99,800): 廉価版・累計65万台
- F-BASIC 3.0: ROM内蔵、当時の中高生プログラミング学習標準
自作PCでの選び方・注意点
FM-7中古実機は¥3,000-30,000で流通、後継のFM-77AV(多色化)や FM-TOWNS(32bit別系列)の方が高値。カセット・FDD読み取り不良(ピックアップ劣化・ベルト切れ)が定番故障で、修理対応はマニア向けショップ(東京・秋葉原 ROMSOFTBANK Booth等)で1台¥10,000-20,000の対応費用。FPGA再現機MiSTer FPGAにFM-7コアあり、エミュレータXM7(無料)が成熟。湯川CMで使われた本体は富士通博物館(川崎)に実機展示あり、見学価値あり。
関連用語との違い
PC-8801(NEC、1981年11月¥168,000)はZ80A搭載の御三家筆頭で、漢字ROM標準装備でビジネス・教育で優位。X1(SHARP、1982年11月¥155,000)はZ80A+テレビ統合(X1turbo以降)でゲーム機としての特化。FM-7はMB68B09という独自系統で、後のFM-TOWNS(1989年)が32bit MC68000系へ移行する技術伝統の起点。MSX(1983年)はASCIIによる国際統一規格で、FM-7とは別セグメント。
よくある質問(FAQ)
Q1: 何故Z80系ではなくM6809系を選んだ? A: 富士通は元々モトローラ系列(社内取引)でMC68000系プロセッサ展開を計画しており、後継FM-TOWNS(MC68000)への技術連続性を考慮してMB68B09採用。Z80一強市場での差別化戦略でもありました。
Q2: 御三家の中でFM-7の特徴は? A: 6809系プロセッサ採用が他2社と異なる差別点。命令セットが整理されおりプログラミング教育適性が高く、当時の中高生層から熱心な支持を得ました。湯川CMキャラクターによる認知度も高かったです。
Q3: 現代でFM-7を体験するには? A: XM7エミュレータ(Windows無料)が最も簡単、MiSTer FPGAコアでFPGA再現、実機中古¥3,000-30,000で動作品入手可能。F-BASICプログラミング学習の歴史体験ができます。
まとめ
- 1982年11月25日¥126,000・富士通8bitホビーPC
- MB68B09 2MHz×2デュアル・国産御三家の1機
- 8色同時+YM2203 FM音源オプション
- 累計国内100万台推定・1980年代教育用途で活躍
- XM7/MiSTer FPGAで現代もFM-7体験可能