AI・機械学習
上級

Groq LPU(グロックエルピーユー)

Groq社製AI推論専用チップ。LPU(Language Processing Unit)アーキテクチャでGPU比最大10倍の低レイテンシ推論を実現し、Llama-3 70Bを毎秒800トークン以上処理する。

0 回閲覧
0 いいね
2026/6/4 更新
関連タグ
LPU
AI推論チップ
Groq
低レイテンシ推論
AI加速器

Groq LPUとは

Groq LPU(Language Processing Unit)は、2016年創業の米国Groq社が開発したAI推論特化型チップ。元Google TPU設計者Jonathan Rossが共同創業者として設計を主導し、汎用GPU(GPGPU)とは根本的に異なるアーキテクチャでLLM推論の低レイテンシを追求している。

LPUアーキテクチャの特徴

設計思想GPUGroq LPU
メモリ構造HBM(外部DRAM)SRAM一体型
制御方式動的スケジューリング決定論的実行(コンパイル時計画)
並列モデルデータ並列+演算時空間SIMD
メモリ帯域H100: 3.35TB/sGroq TSP: 80TB/s

SRAM一体型設計: GPUはHBM(High Bandwidth Memory)を外付けするためレイテンシが生じるが、LPUはSRAMをチップ内に持ち帯域を最大化する。ただしSRAMはHBMより高コスト・低容量(1チップ230MB)のため、大規模モデルには複数チップが必要。

決定論的実行: 通常のGPUは実行スケジュールを動的に変更するが、LPUはコンパイル時に完全な実行計画を生成(静的スケジューリング)。これにより実行時のジッターが極めて小さく、一定のレイテンシが保証される。

GroqCloud パフォーマンス

2024年の実測ベンチマーク(GroqCloud公式):

モデルスループット(tok/s)Time to First Token
Llama-3 70B800+<200ms
Mixtral 8x7B480+<150ms
Llama-3 8B1,200+<100ms

比較: NVIDIA H100クラスタのLlama-3 70B推論は一般的に50〜200tok/sのため、スループットで約4〜16倍の差。

ユースケースと制約

適合ユースケース:

  • リアルタイムチャット・音声AIアシスタント(レイテンシ最重要)
  • 大量同時接続のAPI推論サービス
  • プロトタイプ・PoC(GroqCloudは無料枠あり)

制約:

  • トレーニング非対応(推論専用)
  • 対応モデルはGroqがコンパイル・最適化済みものに限られる(任意モデルを直接デプロイ不可)
  • SRAM容量制約から量子化(INT8/FP8)モデルが前提
  • 2025年時点でオンプレミス版は未提供(クラウドサービスのみ)

競合比較

製品強み弱み
Groq LPU超低レイテンシ推論トレーニング不可・モデル制限
NVIDIA H100汎用・エコシステム最大電力・コスト高
Cerebras CS-3巨大単一ウェーハ・大規模モデル高コスト
AWS Trainium2AWS統合・コスト効率AWS専用

2025年の動向

2025年にGroqはGroq-1チップを発表。前世代比でスループット2倍・電力効率40%改善を訴求。企業向けオンプレミス提供の計画も示唆されており、データセンター市場への本格参入が進む。

この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/4