AI・機械学習
上級

Groq LPU(グロックエルピーユー)

Groq 社が開発した LPU(Language Processing Unit)は、LLM 推論に特化した ASIC で、業界最速クラスの推論速度を実現する。Llama 3.1 70B で毎秒 250+ トークンの出力速度を達成し、GPU ベースの推論と一線を画す。

0 回閲覧
0 いいね
2026/6/20 更新
関連タグ
Groq
LPU
推論アクセラレータ
TSP
低レイテンシ
SRAM

Groq LPU とは

Groq LPU(Language Processing Unit)は、Groq 社が LLM 推論に特化して設計した ASIC(特定用途向け集積回路)です。従来の GPU ベース推論と比較して桁違いに高速なトークン生成速度を実現し、2024年の登場以来「世界最速の LLM 推論エンジン」として注目を集めています。Llama 3.1 70B で毎秒 250 トークン以上、Llama 3.1 8B では毎秒 1,200 トークン以上という驚異的な速度を達成しています。

TSP アーキテクチャの革新

  • SRAM ベース設計: HBM(High Bandwidth Memory)の代わりに大容量 SRAM をオンチップ搭載。メモリアクセスレイテンシを 10 倍以上削減
  • 決定論的実行: 全命令のタイミングがコンパイル時に決定。GPU のような動的スケジューリングが不要で、レイテンシジッタがほぼゼロ
  • ストリーミングアーキテクチャ: データがチップ内を一方向に流れる設計。キャッシュミスやメモリストールが発生しない
  • ソフトウェア定義ネットワーク: チップ間通信もコンパイラが静的にスケジュール

スペック概要

項目Groq LPU (GroqChip 1)NVIDIA H100Google TPU v6e
設計思想推論特化 ASIC汎用 GPU学習+推論 ASIC
メモリ種別SRAMHBM3HBM3
INT8 演算750 TOPS3,958 TOPS-
推論速度 (Llama 70B)~250 tok/s~50-80 tok/s~100 tok/s
TTFT (Time to First Token)< 0.1 秒0.3-1.0 秒0.2-0.5 秒
TDP~300W700W~200W
学習対応非対応対応対応

GroqCloud API

GroqCloud は Groq のクラウド推論サービスで、OpenAI 互換 REST API を提供します。

対応モデル(2026年時点):

  • Llama 3.3 70B / Llama 3.1 8B / Llama 3.1 70B / Llama 3.1 405B
  • Mixtral 8x7B / Mixtral 8x22B
  • Gemma 2 9B / Gemma 2 27B
  • Whisper Large v3(音声認識)

料金: 入力 $0.05-0.88/100万トークン、出力 $0.08-0.88/100万トークン(モデルにより異なる)

GPU ベース推論との違い

GPU は汎用並列プロセッサとして学習・推論の両方に使えますが、推論時は演算ユニットの利用率が低く(10-30%)、メモリ帯域がボトルネックになります。LPU は推論のみに特化することで、メモリアクセスパターンを完全に最適化し、演算ユニットの利用率を 80% 以上に保ちます。

ただし、LPU は学習には対応しておらず、SRAM 容量の制約から超大規模モデル(405B+)の単一チップ推論には限界があります。

よくある質問(FAQ)

Q1: Groq LPU はモデル学習に使えますか? A: いいえ。LPU は推論に完全特化した設計で、バックプロパゲーション(勾配計算)には対応していません。学習には GPU や TPU を使用し、学習済みモデルを LPU にデプロイする運用が想定されています。

Q2: GroqCloud の速度は実際にそんなに速いですか? A: はい。Llama 3.1 8B で実測 1,200+ tok/s、70B で 250+ tok/s が複数の独立ベンチマークで確認されています。TTFT(最初のトークンまでの時間)も 0.1 秒以下と、リアルタイム対話に最適な応答性を実現しています。

Q3: Groq と xAI の Grok は関係ありますか? A: 無関係です。Groq は 2016年設立の半導体スタートアップ(創業者は元 Google TPU チーム)、Grok は Elon Musk の xAI が開発する LLM です。名前は似ていますが別の企業・製品です。

まとめ

  • Groq LPU は LLM 推論特化の ASIC、SRAM ベース設計でメモリボトルネックを解消
  • 決定論的実行でレイテンシジッタほぼゼロ、毎秒数百トークンの高速推論
  • GroqCloud API で OpenAI 互換インターフェースとして手軽に利用可能
  • 学習には非対応、推論専用プロセッサとして GPU/TPU と補完的な位置づけ
この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/20