ROG Ally(アールオージーアライ)
ROG Allyは、ASUSのゲーミングブランドROG(Republic of Gamers)が開発したWindows 11搭載ハンドヘルドゲーミングPCである。AMD Ryzen Z1 Extreme APUを搭載し、7インチ120Hzディスプレイ、eGPU対応のXG Mobile接続など、高性能路線が特徴。
ROG Ally(アールオージーアライ)は、ASUS のゲーミングブランド ROG が2023年6月に発売したハンドヘルドゲーミングPCである。Windows 11 をプリインストールし、AMD Ryzen Z1 Extreme APU を搭載した高性能モデルとして、Steam Deck に対するハイエンド対抗馬の位置づけで登場した。2024年には大容量バッテリーとメモリ増量を実現した ROG Ally X を投入している。
概要
ROG Ally は、Steam Deck が SteamOS(Linux ベース)で展開したのに対し、Windows 11 のフル機能を搭載することで差別化を図った。Steam・Epic Games Store・Xbox Game Pass・Battle.net など、あらゆる PC ゲームランチャーにネイティブ対応し、Windows アプリケーション(Discord・OBS・ブラウザ等)もそのまま動作する。
ASUS は ROG ブランドで培ったゲーミングハードウェアのノウハウを投入し、Armoury Crate SE(専用ランチャー)と Aura Sync RGB を搭載。ROG XG Mobile 対応で外付け GPU 接続も可能とし、携帯時はモバイルゲーミング、自宅では eGPU でデスクトップ級性能というハイブリッド運用を実現した。
スペック比較
| 項目 | ROG Ally (初代) | ROG Ally X |
|---|---|---|
| APU | AMD Ryzen Z1 Extreme(Zen 4 / RDNA 3、8コア16スレッド) | AMD Ryzen Z1 Extreme(Zen 4 / RDNA 3、8コア16スレッド) |
| GPU | 12 CU RDNA 3(最大2.7 GHz) | 12 CU RDNA 3(最大2.7 GHz) |
| メモリ | 16GB LPDDR5 6400MT/s | 24GB LPDDR5X 7500MT/s |
| ディスプレイ | 7インチ IPS 1920×1080 120Hz 500nit | 7インチ IPS 1920×1080 120Hz 500nit |
| ストレージ | 512GB M.2 2230 NVMe | 1TB M.2 2280 NVMe |
| バッテリー | 40Wh(1.5〜6時間) | 80Wh(2〜10時間) |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6E |
| USB | USB-C(USB 3.2 Gen 2) + ROG XG Mobile | USB4 ×2 + ROG XG Mobile |
| 重量 | 608g | 678g |
| 価格 | ¥89,800〜¥109,800 | ¥129,800 |
Windows 11 のメリットとデメリット
ROG Ally の最大の差別化要因である Windows 11 搭載には、以下のトレードオフがある:
メリット:
- Steam・Epic Games Store・Xbox Game Pass・Battle.net・Ubisoft Connect にネイティブ対応
- DirectX 12 Ultimate、Ray Tracing、DirectStorage をネイティブサポート
- Discord・OBS・ブラウザ・Office などの Windows アプリをそのまま使用可能
- アンチチート(Easy Anti-Cheat / BattlEye / Vanguard)の互換性問題がない
デメリット:
- Windows Update による意図しない再起動、アップデート中のフリーズリスク
- ゲームモードの UX が SteamOS に比べて洗練されていない
- OS のメモリ / ストレージ消費が SteamOS より大きい(約 20〜30GB)
- スリープ復帰の信頼性が SteamOS に劣る場合がある
eGPU 対応(ROG XG Mobile)
ROG Ally の独自機能として、ROG XG Mobile ポート経由で外付け GPU を接続できる:
- ROG XG Mobile (2023): NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPU 搭載、PCIe 4.0 x8 接続で帯域幅63GB/s
- 接続方式: 専用コネクタ(USB-C + PCIe 信号の独自端子)で、Thunderbolt eGPU より低レイテンシ
- 性能: 外部モニター出力時にデスクトップ RTX 4070 相当の性能を発揮
- 価格: XG Mobile 本体が ¥199,800〜¥349,800 と高額
- ROG Ally X: USB4 ポート経由で汎用 Thunderbolt eGPU ボックスにも対応
Armoury Crate SE とソフトウェア
ASUS 独自のソフトウェアスタックが ROG Ally の操作性を支える:
- Armoury Crate SE: ゲームランチャー統合 UI、コントローラー操作に最適化
- パフォーマンスプロファイル: Silent(9W)/ Performance(15W)/ Turbo(25W〜30W)の3段階
- Aura Sync: ジョイスティック周囲の RGB LED をゲーム連動で制御
- マクロボタン: 背面2ボタンに任意のキーやマクロを割り当て可能
- Game Visual: ディスプレイの色温度・ガンマを用途別にプリセット
よくある質問(FAQ)
Q1: ROG Ally と Steam Deck OLED、どちらが高性能ですか? A: APU 性能では ROG Ally が約30〜40%上回る。Ryzen Z1 Extreme(Zen 4 / RDNA 3 / 12CU)は Steam Deck の Van Gogh(Zen 2 / RDNA 2 / 8CU)より世代が新しく、1080p 中設定で平均10〜15fps 高いフレームレートを記録する。ただし Steam Deck OLED は HDR OLED ディスプレイとバッテリー効率で優位。
Q2: ROG Ally X の80Whバッテリーでどれくらい持ちますか? A: 初代の40Whから倍増した80Whバッテリーにより、AAA タイトル(15W TDP)で 3〜4 時間、インディーゲーム・レトロゲームで 6〜10 時間の駆動が可能。初代 ROG Ally の最大の弱点であったバッテリー持続時間を大幅に改善した。
Q3: Xbox Game Pass との相性はどうですか? A: Windows 11 ネイティブのため、Xbox Game Pass PC のゲームに完全対応。Xbox アプリから直接ゲームをダウンロード・プレイでき、クラウドゲーミング(Xbox Cloud Gaming)も利用可能。コントローラーの Xbox ボタンで Xbox ゲームバーも呼び出せる。
まとめ
- ROG Ally は ASUS ROG ブランドの Windows 11 搭載ハンドヘルドゲーミングPC
- Ryzen Z1 Extreme(Zen 4 / RDNA 3)搭載で Steam Deck より約30〜40%高い APU 性能
- ROG Ally X では 24GB メモリ・80Wh バッテリー・USB4 ×2 に強化(¥129,800)
- Windows 11 であらゆる PC ゲームランチャー・アプリにネイティブ対応
- eGPU(ROG XG Mobile / 汎用 Thunderbolt)で自宅ではデスクトップ級の拡張が可能