ストレージ
上級

MFM 符号化 (Modified Frequency Modulation)(エムエフエムフゴウカ)

HDD・フロッピーディスクの磁気記録で 1970-1990 年代に標準採用された変調方式。FM 符号化の改良版で、データ転送密度を 2 倍に向上、ST-506 インタフェース (1980) ・初期 IDE/PATA HDD の基盤として広く利用された歴史的記録符号化技術。

0 回閲覧
0 いいね
2026/5/11 更新
関連タグ
MFM
Modified Frequency Modulation
磁気記録
ST-506
1970-1990
FM 改良

概要

MFM (Modified Frequency Modulation、修正周波数変調) は、HDD・フロッピーディスクの磁気記録で 1970-1990 年代に標準採用された変調方式 (記録符号化技術) で、FM (Frequency Modulation) 符号化の改良版として、データ転送密度を 2 倍に向上させた歴史的記録符号化技術です。FM 符号化が 1 ビット = 2 セル時間 (クロックビット + データビット) で表現するのに対し、MFM は冗長クロックビット (連続 0 の時のみ追加) を削減してデータ密度を倍化、結果としてディスク容量を 2 倍にすることに成功しました。Shugart ST-506 インタフェース (1980)・5.25 インチフロッピー HD (1.2MB)・3.5 インチフロッピー HD (1.44MB)・初期 IDE/PATA HDD (1986-1990s 前半) の基盤として広く利用されましたが、1990 年代後半から RLL (Run-Length Limited) 符号化・PRML (Partial Response Maximum Likelihood) 符号化に置き換えられました。

主な特徴・仕組み

  • 原理: FM の冗長クロックビットを削減
  • FM: 1 ビット = 2 セル時間、各セルにクロック + データ
  • MFM: 連続 0 の場合のみクロックビット追加、他は省略
  • 密度倍化: 同物理面積でビット密度 2 倍
  • ST-506 採用: Shugart ST-506 HDD (1980) で標準
  • フロッピー対応: 5.25" HD (1.2MB)・3.5" HD (1.44MB) で標準
  • IDE/PATA 初期: 1986-1990 年代前半の HDD で利用
  • デコード: PLL (Phase-Locked Loop) で位相同期、クロック再生
  • 後継: RLL (1.5 倍密度)・PRML (3-5 倍密度)
  • 対応 OS: MS-DOS・Windows 3.1・PC-DOS で標準サポート

スペック比較表 (記録符号化方式)

符号化年密度倍率適用
FM1970s1.0初期フロッピー
MFM1980s2.0ST-506・HD フロッピー
RLL 2,719853.0高密度 HDD
RLL 3,919894.0ESDI HDD
PRML1990s6.0+現代 HDD
EPRML/NPML2000s8.0+大容量 HDD

具体例・対応技術

  • Shugart ST-506 (1980): MFM 標準採用 HDD、PC 用 HDD の元祖
  • IBM PC XT HDD (1983): 10MB MFM HDD、PC 内蔵 HDD の標準
  • 5.25 インチ HD フロッピー (1.2MB): MFM 符号化
  • 3.5 インチ HD フロッピー (1.44MB): MFM 符号化、現代でも互換性
  • PC-9801 内蔵 HDD (1980s): 国内 PC の主要 HDD で MFM 利用

自作PCでの選び方・注意点

MFM 符号化は 2026 年現在、レガシー HDD・フロッピー互換性のためにのみ意識する技術。3.5 インチフロッピーディスクドライブ (FDD) は MFM 符号化が標準で、Greaseweazle・KryoFlux などのレトロフロッピーアダプタ (USB 接続) で読み書きが可能、レトロ PC (PC-9801・X68000・Apple II・IBM PC AT) のデータサルベージで活躍。古いハードディスク (ST-506 HDD・初期 IDE HDD) のデータ救出には専門業者の Donor Drive 技術が必要、自作で対応するには電子工学知識と専用機材 (DiskWizard・MFM Reader 等のアダプタ) が必要です。Linux dosfsck コマンド・Windows DEFRAG で MFM HDD/フロッピーのチェック可能、新規ストレージは PRML/EPRML 符号化が標準で MFM の意識は不要。

関連用語との違い

  • FM: 親、MFM の元、密度 1/2
  • RLL: 後継、MFM 比 1.5 倍密度
  • PRML: 現代 HDD 標準、MFM 比 3-5 倍密度

よくある質問(FAQ)

Q1: MFM と RLL どちらが優れる? A: 密度は RLL が 1.5 倍優位、ただし MFM の方が単純で実装容易だった。1985-1990 年代に MFM → RLL 移行が進み、RLL が主流に。

Q2: 現代でも使う場面は? A: フロッピーディスク互換性のみ。3.5" HD フロッピーは MFM 標準、新規開発で MFM を選ぶ場面は皆無。

Q3: 1.44MB フロッピーは MFM? A: はい、MS-DOS フォーマット 1.44MB フロッピーは MFM 符号化。読み書きには Greaseweazle・KryoFlux などのアダプタ + USB FDD が現代必要。

まとめ

  • MFM 符号化 = 1970-1990 年代の磁気記録変調方式
  • FM 改良版、クロックビット削減で密度 2 倍
  • ST-506 HDD・3.5" 1.44MB フロッピーで標準
  • 現代は PRML に置換、フロッピー互換性のみで残存
この記事について
カテゴリーストレージ
難易度上級
作成日2026/5/11