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Kimi k1.5(キミケーイチテンゴ)

MoonshotAIが2025年1月に公開した推論モデル。長いコンテキスト強化学習(Long-CoT RL)により、テキストと画像の両方で推論を実行。GPT-4oをMATH-500で上回る性能を公開時に発表。

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2026/6/5 更新
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Kimi k1.5 — Long-CoT RLによるマルチモーダル推論モデル

Kimi k1.5は中国のAI企業MoonshotAI(月之暗面)が2025年1月22日に公開した推論特化モデル。技術報告書「Kimi k1.5: Scaling Reinforcement Learning with LLMs」を同時公開し、DeepSeek R1と同時期に推論モデル競争を加速させた。

MoonshotAIとKimiの背景

MoonshotAIは2023年3月設立の中国スタートアップ。Kimi(Kimi Chat)は同社のコンシューマー向けチャットサービスで、中国語圏で人気を博している。k1.5は「思考する(Thinking)」能力を持つ最初のKimiモデル。

Long-CoT強化学習の技術

k1.5の核心技術はLong Context Scaling(長文コンテキストスケーリング)。通常の強化学習では数百〜数千トークンのCoTを生成するが、k1.5は128Kトークンという極めて長い思考チェーンを強化学習で訓練した。

訓練の革新点:

  • 長い思考ステップに高い報酬を与えることで、モデルが自発的に深く考えるようになる
  • プロセス報酬モデル(PRM)ではなく、最終出力の正誤のみを報酬とするシンプルなORM
  • コードインタープリタ等のツール使用と推論を統合

Short-CoT蒸留

長いCoTは精度が高いが、レイテンシとコストが大きい問題がある。k1.5はLong-CoTモデルからShort-CoTモデルに知識を蒸留:

モード思考長速度精度
Long-CoT数万tokens低速最高
Short-CoT数百tokens高速高(GPT-4o比優位)

Short-CoT版はGPT-4oをMATH-500(96.2% vs 74.6%)で大幅に上回るとされる。

マルチモーダル推論

k1.5はテキストだけでなく画像入力も処理できる推論モデル。数式が含まれた画像、グラフの読み取り、幾何学問題の図形認識などで推論能力を発揮する。Mathvista(視覚的数学推論)でo1(73.9%)に迫る74.9%を報告。

ベンチマーク(技術報告書より)

ベンチマークKimi k1.5 Long-CoTGPT-4oo1
AIME 202477.5%13.4%74.4%
MATH-50096.2%74.6%96.4%
LiveCodeBench47.3%32.9%43.3%
MathVista74.9%63.8%73.9%

独立した第三者による再現が限られており、公式数値は参考値として扱う必要がある。

利用方法

k1.5はKimi Chat(kimi.ai)経由での利用が主。APIは中国国内向けに提供されており、グローバルAPIは制限あり(2025年6月時点)。オープンソース版は未公開で、DeepSeek R1やQwQのような自己ホスト実行は現時点では不可。

推論モデル時代の文脈

k1.5・DeepSeek R1・o3-miniはほぼ同時期(2025年1月)に公開された。この「推論モデル競争2025年1月」は、スケーリング則から強化学習への重心移動を象徴するターニングポイントとして位置づけられている。

まとめ

Kimi k1.5はマルチモーダル推論と長文CoTの組み合わせで注目を集めたモデル。オープンソースではないため直接利用は限られるが、Long-CoT RLという訓練手法の技術的知見が公開されており、推論モデル研究の重要な参照点となっている。

この記事について
カテゴリーAI・機械学習
難易度上級
作成日2026/6/5